モデラー(3Dモデリングソフトウェア)とは
モデラーとは、3DCADや3DCGのデータを、人が見て認識できる形状として表示する
コンピュータソフトウェアです。モデリング
ソフトウェアとも呼ばれます。形状データは、数学的なデータ(
メタデータ)で構成されており、モデラーは、このデータを基に3Dモデルを作成します。作業中は、効率性を考慮して、
ワイヤーフレームのような暫定的な形状で表示されることが一般的です。
ポリゴンモデラーとスプラインモデラー
モデラーは、主にポリゴンモデラーとスプラインモデラーの2種類に分類できます。
ポリゴンモデラー: 形状データとして、三角形または四角形以上の多角形面のみを使用するモデラーです。ゲームなどのリアルタイム描画を必要とするアプリケーションや、人体や動物のような有機的な形状のモデリングに適しています。
スプラインモデラー: ベジエ曲線、NURBSカーブ、NURBSサーフェスなどのスプライン曲線を使用するモデラーです。工業製品のような高精度な曲線や、ブーリアン演算(形状の切り取りや穴あけなど)を多用するモデリングに適しています。
モデラーとレンダラー
モデラーでの作業中に表示されるプレビューは、あくまで簡易的なものです。主に
OpenGLや
Direct3Dといったリアルタイム描画APIを用いて、局所照明などの効果を適用しています。より高品質な静止画や動画を作成するには、
レイトレーシングや
ラジオシティなどの高度なレンダリング手法を使用する必要があります。そのため、モデラーで作成した形状データを基に、レンダラーと呼ばれる別の
ソフトウェアで最終的な画像を作成します。
3ds Max、
Maya、
Softimageなどの統合3DCG
ソフトウェアでは、モデラーとレンダラーの両方の機能が搭載されていることが多いです。
代表的な3Dモデラーの例
製造業向け3Dモデラー
Dassault Systèmes: CATIA
PTC: Creo (Pro/ENGINEERとCoCreate Modeling(旧:One Space Designer)が統合されたCADパッケージ)
Siemens PLM Software: NX・I-DEAS
SolidWorks:
SolidWorks
オートデスク: Autodesk Product Design Suite・Autodesk Inventor・AutoCAD Inventor LT Suite
Robert McNeel & Associates: Rhinoceros (日本での販売元はアプリクラフト株式会社)
Nemetschek Vectorworks: Vectorworks Designer (日本での販売元はエーアンドエー株式会社)
Think3: Thinkdesign
Treatstock
日本ユニシス・エクセリューションズ: CADMEISTER
富士通: ICAD/SX (開発は富士通の子会社「iCAD株式会社」)
その他の主なモデラー
六角大王
LightWave 3D (Modeler)
Metasequoia
3Dモデル作成のその他の手法
現実世界の物体から3Dモデルを作成する方法は、モデリング以外にもいくつか存在します。
3Dスキャナ: 物体の形状をスキャンして3Dデータを作成します。
フォトグラメトリ: 複数の写真から3Dモデルを作成します。
LIDAR: レーザーを使って距離を計測し、3Dモデルを作成します。
産業用CTスキャナ: X線を使って物体の内部構造を含む3Dデータを作成します。
三次元測定機: 精密な測定を行い、3Dデータを作成します。
関連事項
レンダラー: 3Dモデルから画像を生成する
ソフトウェア
3次元[[コンピュータグラフィックス]]: 3Dモデルをコンピュータ上で扱う技術
3Dlabs, NVIDIA Quadro, ATI FirePro: 3Dグラフィックス処理を専門とする製品
CAM: 3Dモデルを利用した製造支援技術
CAE: 3Dモデルを利用した解析技術
*
ドローソフト: 2Dの図形を作成する
ソフトウェア