宇和町

愛媛県西予市宇和町：豊かな自然と歴史が織りなす魅力

宇和町（うわちょう）は、かつて愛媛県に存在した町で、東宇和[[郡]]に属していました。宇和盆地という肥沃な穀倉地帯に位置し、周囲を山々に囲まれた自然豊かな場所です。八幡浜市、大洲市、宇和島市の中間に位置し、野村町や城川町方面への交通の要衝でもありました。2004年の平成の市[[町村]]合併により自治体としては消滅し、現在は西予市宇和町となっています。

地理

宇和町は、肱川上流部の宇和盆地と、それを取り巻く山間部から構成されています。宇和盆地は標高200〜400m程度、周囲の山々は400〜800m程度の高さです。夏は比較的冷涼で、冬には積雪も見られる気候です。稲の収穫後には水田に「わらぐろ」が作られる風景は、雪景色とのコントラストでよく知られています。また、霧が発生しやすいことも特徴で、この霧と盆地特有の寒暖差が米の食味を高め、宇和町を米どころとして有名にしています。

歴史

宇和という地名は、伊予国に14の郡が置かれた時代から存在していました。

近世

江戸時代には宇和島藩の領地であり、多田組と山田組に属する純農村地帯として、藩の米蔵としての役割を果たしました。また、街道沿いの宿場町としても発展しました。

1651年（慶安4年）：黒瀬城の山麓にあった松葉町が大念寺山麓に移され、宿場町が形成。後に松葉町は卯之町と改称。
1833年（天保4年）：二宮敬作が卯之町で開業。
1863年（文久3年）：申義堂が開設（学校の始まり）。

明治以降

1870年（明治3年）：申義堂が宇和郷校となる。
1872年（明治5年）：開明学校が開設。
1889年（明治22年）：町村制施行により、卯之町、鬼窪村、伊賀上村が合併し、東宇和[[郡]]宇和町が成立。久枝村、野田村、小野田村、永長村、上松葉村、下松葉村が合併し、上宇和村が成立。
1890年（明治23年）：法華津峠の道路改良が始まる。
1895年（明治28年）：永長地区を皮切りに耕地整理が始まり、大正時代にはほぼ完了。
1922年（大正11年）：上宇和村と合併し、宇和町となる。
1941年（昭和16年）：卯之[[町駅]] - 宇和島駅間の鉄道が開通。
1945年（昭和20年）：卯之[[町駅]] - 八幡浜駅間の鉄道が開通。
1950年（昭和25年）：昭和天皇が戦後巡幸で宇和町を訪問。
1954年（昭和29年）：多田村、中川村、石城村、下宇和村、田之筋村と合併し、新制宇和町が発足。
1958年（昭和33年）：大洲市の一部（旧南久米村の一部）を編入。
1970年（昭和45年）：法華津トンネル、鳥坂トンネルが開通。
2004年（平成16年）：東宇和[[郡]]の宇和町、明浜[[町]]、野村町、城川町と西宇和[[郡]]三瓶町が合併し、西予市が成立。宇和町は自治体として消滅。

交通

宇和町には、JR予讃線が通り、伊予石城駅、上宇和駅、卯之[[町駅]]、下宇和駅があります。特に卯之[[町駅]]は特急「宇和海」の停車駅であり、地域の交通拠点となっています。路線バスは宇和島自動車が運行しており、近隣の町との間を結んでいます。

道路は、国道56号が宇和町を南北に貫いており、沿線にはガソリンスタンドや大型スーパーマーケットが多数あります。2004年には松山自動車道西予宇和インターチェンジが設置され、松山市内へのアクセスが大幅に向上しました。

名産品・観光名所

宇和町は、宇和米、クリ、ウンシュウミカン、ブドウなどの名産品で知られています。特に宇和米は、南予地方の米どころとして有名です。観光名所としては、白壁とアーチ型の窓が特徴的な開明学校、高野長英の隠れ家、愛媛県歴史文化博物館、米博物館などがあります。米博物館にある109メートルの長い直線廊下は、雑巾がけレース「Z-1グランプリ」の会場としても知られています。また、観音水は名水百選にも選ばれており、夏にはそうめん流しが楽しめます。

宇和町は、豊かな自然と歴史、そして人々の温かさが息づく魅力的な場所です。

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