鹿部

鹿部（ろくぶ）について

鹿部は、漢字を部首に基づいて分類するグループの一つで、康熙字典の214部首の中で198番目に位置しています。この部首は「鹿」という漢字を基にしています。日本では「しか」や「しかへん」として知られ、韓国語では「사슴록부（サスムロクブ）」、英語では「Radical deer」と呼ばれています。

鹿の字源と意義

「鹿」という字は、シカ科の動物を指す総称として広く使用されています。この字は、古くから帝位を象徴する比喩としても用いられており、歴史的には群雄割拠の時代において帝位を求めて争うさまを「逐鹿」と表現することもありました（この場合の「鹿」は「禄」という音に関連性があります）。

さらに「鹿」には、粗悪さ、穀物倉庫、山の麓といった意味も含まれています。漢字の形状は、大きな角を持つ牡鹿を模しており、四本の足と共にその姿を際立たせています。このように「鹿部」は、鹿や鹿に類似する動物に関連した漢字を包括しています。

部首の構成と字形のバリエーション

部首としての「鹿」は、特に偏旁の意符として、鹿に関わる事柄を示す役目を果たしています。中でも「麓」という字は、発音の面では声符として機能しますが、木部ではなくこの部に含まれるのが特徴です。

一方で、「鹿」という字の初画には地域による異なるデザインが存在しています。「康熙字典」や日本においては短い縦棒の形が一般的ですが、中国の新字形や台湾の国字標準字体、また香港の常用字字形表では点画として表記されていることがあります。

音韻と関連言語

「鹿」の中古音は、広韻では「廬谷切」、屋韻、入声に分類され、詩韻でも屋韻、入声に属しています。現代音における普通話では「ピンイン：lù」、注音：ㄌㄨˋ、ウェード式：lu4として発音されます。広東語では「Jyutping：luk6」、イェール式：luk6となります。また日本語では、音読みが「ロク」、訓読みが「しか」となっています。朝鮮語では音が「록(rok)」で、訓が「사슴（saseum、シカ）」です。

例字

鹿部には、シカに関連する多くの漢字が含まれています。例えば、鹿の他に「麀」「麁」「麂」「䴟」「麃」「麄」「䴠」「䴡」などがあり、これらはすべてシカ科の動物に関連しています。また、「麓」や「麝」「麟」といった漢字も同様に含まれています。

このように、鹿部は古代から現代に至るまで、漢字の中でシカに関する重要な意味と役割を果たしていることがわかります。

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