ダン・ミラー (プロレスラー)

ダン・ミラー：レスリング界のレジェンド

ダン・ミラー(1932年6月5日 - 2016年6月6日)は、アメリカ合衆国オハイオ州出身の著名なプロレスラーです。本名はダニエル・D・ミラー。ドイツ系アメリカ人として知られています。

彼のプロレスラーとしてのキャリアは、兄であるビル・ミラーの影響を強く受けてスタートしました。ビルもまた成功したプロレスラーであり、ダンは兄と共にオハイオ州立大学レスリング部でキャプテンを務めるなど、幼い頃からレスリングに親しんでいました。

1950年代、プロモーターのアル・ハフトに見出されプロレスラーとしてデビュー。オハイオ州のMWA(ミッドウエスト・レスリング・アソシエーション)で経験を積み、その後はNWA(ナショナル・レスリング・アライアンス)の主要テリトリーであるカルガリー、トロント、ジョージアなどで活躍しました。主にベビーフェイス(善玉)として人気を博しました。

1960年には日本プロレスに初来日。レオ・ノメリーニやサニー・マイヤースらと共に第2回ワールド大リーグ戦に参加し、フランク・バロアとのタッグで力道山＆吉村道明組を破り、アジアタッグ王座を獲得するという快挙を成し遂げました。その後も1967年、1969年と計3度来日しています。

アメリカでは、AWA(アメリカン・レスリング・アソシエーション)や太平洋岸北西部でも活躍。1963年にはルー・テーズのNWA世界ヘビー級王座に挑戦するなど、トップレスラーとしての実力を見せつけました。また、ロニー・エチソンやホイッパー・ビリー・ワトソンらとタッグを組み、数々のタイトルマッチを戦いました。

1965年には、WWWF(ワールド・ワイド・レスリング・フェデレーション、後のWWE)のニューヨーク地区に参戦。今度はヒール(悪役)として、兄のビルとの兄弟タッグで活躍しました。ゴリラ・モンスーン＆ビル・ワット組からUSタッグ王座を奪取し、約半年保持。ブルーノ・サンマルチノのWWWF世界ヘビー級王座にも挑戦するなど、大きな注目を集めました。

WWWFでの活躍後、オーストラリアにも遠征。ジム・バーネット主宰のワールド・チャンピオンシップ・レスリングでは、当時ザ・デストロイヤーとして知られていたガイ・ミッチェルのマネージャーを務めた時期もありました。

1960年代後半以降は再びベビーフェイスに戻り、デトロイトやテキサスなどで活躍。デトロイトではフレッド・カリーと組んでNWA世界タッグ王座を獲得。テキサスではNWAテキサス・ヘビー級王座、そしてフリッツ・フォン・エリックとのタッグでNWAアメリカン・タッグ王座も獲得するなど、数々のタイトルを獲得し続けました。

1970年代にはフロリダや中西部などで活躍。中西部では再びヒールとして、兄ビルとの兄弟タッグを再結成。キール・オーディトリアムというNWAの聖地で、数々の名勝負を繰り広げました。

1972年には国際プロレス、1973年には全日本プロレスにも参戦。1976年の全日本プロレス来日時には、映画『ジョーズ』にあやかって鮫のマスクを被り、「ブルー・シャーク」としてザ・デストロイヤーの覆面世界一決定戦に参加するなど、常に新しい挑戦を続けていました。

1970年代中盤以降は、ノースカロライナのミッドアトランティック地区やトライステート地区で活躍。ミッドアトランティックではTV王座を獲得し、トライステートでは北米ヘビー王座を獲得しました。キャリア晩年まで現役を続け、ブルート・バーナード、キム・ドク、ラリー・シャープといった数々のレスラーと対戦しました。

ダン・ミラーは、84歳でこの世を去りました。しかし、彼のプロレス界への功績は、多くのファンに記憶され続けています。数々のタイトル獲得、ベビーフェイスとヒールの両面での活躍、そして国際的な活躍は、彼を真のレスリングレジェンドとして称えるにふさわしいものです。彼の卓越したレスリングテクニックとリング上でのカリスマ性は、今もなお語り継がれています。

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