ブッシュロッド・ジョンソン

ブッシュロッド・ラスト・ジョンソン：南北戦争における南軍の将軍

ブッシュロッド・ラスト・ジョンソン（Bushrod Rust Johnson, 1817年10月7日 - 1880年9月12日）は、アメリカ合衆国の北部で生まれながら、南北戦争では南軍の将軍となった数少ない人物の一人です。オハイオ州で生まれた彼は、ケンタッキー州とテネシー州で大学教授を務めながら、州民兵隊でも活動していました。南北戦争の勃発とともに南部側に立ち、ドネルソン砦やシャイローの戦いなど数々の激戦を経験しました。

初期の経歴

ジョンソンは1817年10月7日、オハイオ州ベルモント郡でクエーカー教徒の家庭に生まれました。後に南部に移り住み、叔父と共に地下鉄道に関わったとされています。1840年にはウェストポイントの陸軍士官学校を卒業し、アメリカ第3歩兵連隊の少尉に任官。フロリダ州でのセミノール戦争や米墨戦争に従軍しました。しかし、戦利品を売却したとの告発を受け、1847年10月に軍を退役することになりました。

その後、ジョンソンは教育者の道に進み、ケンタッキー州ジョージタウンの西部士官学校で自然哲学と化学の教授（1848年-1849年）を務めました。同校がテネシー州ナッシュビルのナッシュビル大学と合併した後は、数学と土木工学の教授となりました。この間、ケンタッキー州とテネシー州の民兵隊で活動し、大佐にまで昇進しています。

南北戦争

南北戦争が始まると、ジョンソンは1861年6月28日にテネシー州民兵隊の工兵大佐として入隊し、その一週間後には南軍の正規兵となりました。彼は、テネシー州のカンバーランド川西岸にあるドネルソン砦と、そこから西へ19km離れたテネシー川東岸のヘンリー砦という二つの新たな河川防衛拠点の任務を任されました。

1862年1月24日には准将に昇進。しかし、ヘンリー砦は湿地に位置し、しばしば洪水に見舞われる不利な場所にあったため、北軍のユリシーズ・グラント准将によって容易に占領されることとなりました。砦の場所選定に際しては、南軍の測量チームの土木技師アドナ・アンダーソンとテネシー第1歩兵連隊のウィリアム・フォスター少佐から反対があったものの、ジョンソンはこれを退けていました。

ドネルソン砦の戦いでは、ジョンソンが指揮官に任命されましたが、上級准将のギデオン・J・ピローが着任したため、その指揮は短時間で終わりました。ジョンソンは師団長として部隊を率いましたが、実際には政治的な手腕に長けたピローの指揮下に入ることとなりました。ドネルソン砦は、1862年2月16日にグラント准将に降伏しましたが、ジョンソンは2日後、北軍の包囲網を突破し、捕虜になることを免れました。

シャイローの戦いでは、ジョンソンはミシシッピ軍の旅団を率い、その2日目には師団長に昇進しました。しかし、砲弾の衝撃波により重傷を負い、戦線を離脱することとなりました。回復後、ブラクストン・ブラッグ将軍のケンタッキー侵攻やペリービルの戦いに参加し、その後もストーンズリバーの戦い、タラホーマ方面作戦、チカマウガの戦い、さらにジェイムズ・ロングストリート中将指揮下のノックスビル方面作戦に参戦しました。

1864年には、P・G・T・ボーリガード将軍の下で、ノースカロライナ州とバージニア州南部の軍管区で師団長に任命されました。バミューダ・ハンドレッド方面作戦中の5月9日には、ジョンソンの師団がスウィフト・クリークでピーターズバーグに向かう北軍の進撃を阻止しました。この功績により、ジョンソンは5月21日に少将に昇進しています。

ピーターズバーグ包囲戦では、6月30日のクレーターの戦いで、ジョンソンの師団が守備していた陣地が攻撃を受けました。南軍のエリオットのサウスカロライナ旅団が守っていた砦の突出部下に仕掛けられた爆弾が爆発しましたが、南軍は同日中に連隊旗3本と130名以上の兵士を捕獲しています。10月にボーリガードが西部戦線に異動すると、ジョンソンの師団はロバート・E・リー将軍率いる北バージニア軍の、リチャード・H・アンダーソン中将の第4軍団に配属されました。

その後7ヶ月間、ジョンソンの師団は包囲された塹壕戦の中で過ごしました。1865年3月下旬、北軍が南軍の右翼側面に回ったことに対抗するため、ジョンソンの師団は塹壕から出て、3月29日のルイス農園の戦いに参加しました。3月31日には、ジョンソンは師団を率いてホワイトオーク道路で反撃を仕掛け、北軍の二個師団を撃退しましたが、北軍の援軍により進撃は止まり、撤退を余儀なくされました。

4月1日のファイブフォークスの戦いでは、ジョンソンの師団から二個旅団がジョージ・ピケットの指揮下に入り、その大部分が壊滅しました。アポマトックスへの撤退戦では残りの部隊を指揮し、4月6日にセイラーズクリークの戦いで師団は壊滅状態となりましたが、ジョンソンは捕虜となることを免れました。アポマトックス・コートハウスでリー将軍が降伏するまで、ジョンソンは指揮する部隊を持たないままリー軍に同行し、降伏後に仮釈放されました。

戦後

戦後、ジョンソンは教職に戻り、同じく南軍の将軍だったエドマンド・カービー・スミスと共にナッシュビル大学の教授兼共同総長（1870年）となりました。1875年、健康上の理由から大学を辞任し、イリノイ州ブライトンの農園に隠居し、1880年にそこで亡くなりました。当初はブライトン近郊のマイルズステーションに埋葬されましたが、1975年にナッシュビル旧市墓地の妻メアリーの墓の隣に移葬されました。

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