ミー・アンド・マイガール (宝塚歌劇)

『ミー・アンド・マイガール』は、ノエル・ゲイが作曲したミュージカルを基にした宝塚歌劇団の作品です。初演は1987年で、その好評を受けて同年中に再演されるほどの人気を博しました。以降、2023年まで35年間にわたり、宝塚歌劇団で繰り返し上演される、海外ミュージカルの中でも特に愛されている作品の一つです。

この作品は、UCC上島珈琲が協賛しており、宝塚歌劇団初の冠公演として上演されました。以降の公演も全てUCC上島珈琲が協賛しています。

上演記録

1987年 - 1988年・月組公演

1987年5月15日 - 6月23日（新人公演：5月26日）　宝塚大劇場
1987年8月2日 - 8月30日（新人公演：8月14日）　東京宝塚劇場
1987年11月13日 - 12月20日（新人公演：11月27日）　宝塚大劇場
1988年2月3日 - 2月11日　中日劇場
1988年3月3日 - 3月30日（新人公演：3月11日）　東京宝塚劇場

この公演では、宝塚歌劇団で同一の組によるロングラン記録を樹立しました。形式名は「UCCミュージカル」で、2場構成です。12月の宝塚大劇場公演では、ビル役を涼風真世、ジャッキー役を剣幸が務める役替わり公演も行われました。また、11月の新人公演では、当時入団1年目の天海祐希が主演に抜擢され、注目を集めました。

1995年 - 1996年・月組公演

1995年8月11日 - 9月25日（新人公演：8月29日）　宝塚大劇場
1995年12月1日 - 12月26日（新人公演：12月12日）　東京宝塚劇場
1996年2月1日 - 2月14日　中日劇場

この公演も形式名は「UCCミュージカル」で2場構成です。宝塚・東京公演は、トップスターの天海祐希とトップ娘役の麻乃佳世の退団公演となりました。また、中日劇場では選抜メンバーによる公演が行われ、久世星佳・風花舞のトップコンビのプレお披露目公演となりました。この公演では、潤色・演出を担当していた小原弘稔の逝去を受け、初演時の演出助手だった三木章雄が潤色・演出を担当しました。以降、三木章雄がこの作品の潤色・演出を担当しています。この公演の模様はDVDとしてリリースされています。

2008年・月組公演

2008年3月21日 - 5月5日（新人公演：4月8日）　宝塚大劇場
2008年5月23日 - 7月6日（新人公演：6月3日）　東京宝塚劇場
2008年8月1日 - 8月24日　博多座

宝塚・東京における形式名は「UCC&シャディミュージカル」、博多座は「ミュージカル」です。大劇場公演は宝塚歌劇団94期生の初舞台公演となり、トップ娘役の彩乃かなみ、月組組長の出雲綾の退団公演でもありました。この公演では、ジャッキー役を城咲あいと明日海りおが役替わりで務めました。また、この公演からシャディも協賛に参加しています。博多座公演では、当時2番手男役の霧矢大夢が主演を務め、相手役には羽桜しずくが抜擢されました。さらに、ジェラルド役とジャッキー役を龍真咲と明日海りおが役替わりで演じました。

2009年・花組公演

7月4日 - 7月20日　梅田芸術劇場メインホール

この公演は、月組以外の組による初めての上演となり、形式名は「ミュージカル」でした。選抜メンバーによる上演で、ジョン卿役を壮一帆と愛音羽麗が、ジェラルド役を愛音羽麗と朝夏まなとが、ジャッキー役を壮一帆と朝夏まなとがそれぞれ役替わりで務めました。

2013年・月組公演

5月4日 - 5月20日　梅田芸術劇場メインホール

選抜メンバーによる上演で、形式名は「ミュージカル」です。ジェラルドとジャッキーを美弥るりかと凪七瑠海が、パーチェスターとヘザーセットを星条海斗と沙央くらまがそれぞれ役替わりで務めました。

2016年・花組公演

4月29日 - 6月6日（新人公演：5月17日）　宝塚大劇場
6月24日 - 7月31日（新人公演：7月7日）　東京宝塚劇場

形式名は「UCCミュージカル」です。この公演では、ジョン卿役を芹香斗亜と瀬戸かずやが、マリア役を桜咲彩花と仙名彩世が、ジェラルド役を芹香斗亜と水美舞斗が、ジャッキー役を柚香光と鳳月杏が、パーチェスター役を柚香光と鳳真由がそれぞれ役替わりで演じました。新人公演では、ビル、サリー、ジョン卿、マリアがダブルキャストとなり、宝塚と東京で1幕と2幕を入れ替えて上演。ジェラルドとジャッキーは、宝塚と東京でキャストを入れ替えての上演となりました。東京宝塚劇場での千秋楽は、映画館でのライブビューイングも実施されました。

2023年・星組公演

10月9日 - 11月2日 博多座

スタッフ

作品には、多数のスタッフが関わっています。初期の公演では、脚本・作詞をL.アーサー・ローズとダグラス・ファーバーが担当し、脚色・演出は小原弘稔が担当しました。翻訳は清水俊二、訳詞は岩谷時子が手掛けました。音楽は吉崎憲治と橋本和明が担当し、編曲は橋本和明が行いました。音楽指揮は、野村陽児と大谷肇が担当しました。振付は山田卓が担当し、装置、衣装、照明、小道具、効果など、多くのスタッフが作品を支えてきました。

1995年以降は、小原弘稔の逝去に伴い、三木章雄が脚色・演出を担当するようになり、音楽監督は吉崎憲治、編曲は前田繁実・脇田稔が担当するようになりました。また、振付は山田卓の他に麻咲梨乃、若央りさ、藤井真梨子、KENJIなどが担当しました。

主な配役

各公演で、様々なスターが主要な役を演じてきました。1980年代から1990年代にかけては、剣幸、こだま愛、涼風真世、天海祐希などが名を連ね、2000年代には、瀬奈じゅん、彩乃かなみ、霧矢大夢らが、2010年代には、蘭寿とむ、明日海りお、柚香光らが、2020年代には、礼真琴などが活躍しました。

主な楽曲

この作品には、多くの魅力的な楽曲があります。代表的な曲としては、「ミー＆マイガール(メイン・ソング)」「あなたは私に夢を見させる」「一度ハートを失ったら」「ランベス・ウォーク」「顎で受けなさい」「街灯によりかかって(メイン・ソング)」などがあります。

関連事項

この作品に関連するCDやDVDも多数リリースされています。また、剣幸が主演する舞台版も上演されています。

宝塚歌劇の歴史に残る名作として、今後も多くの人々に愛され続けるでしょう。

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