古来

茨城県つくば市古来（ふるく）

概要

古来は、茨城県つくば市東部に位置する地域で、本古来と島古来という二つの地区から構成されています。この地域は、桜川の沖積低地に広がる農村地帯でありながら、近年は宅地化も進んでいます。2022年2月1日時点での人口は823人です。

地理

古来は、つくば市の東部に位置し、周囲を大、吉瀬、上ノ室、花室、金田などの地域と接しています。東側は土浦市矢作と隣接しています。面積は2015年10月1日時点で921,096平方メートル（0.921096平方キロメートル）です。この地域は、桜川が形成した沖積平野に位置しており、平坦な地形が特徴です。

歴史

中世

室町時代には古来郷として知られ、常陸国の信太荘に属していました。1385年には、足利氏満によって矢作・中村の両郷とともに明月院に寄進されました。文禄年間の太閤検地により信太郡に属するようになり、戦国時代末期には結城領となっていました。

近世

江戸時代には古来村として存在し、村内は本古来と島古来に分かれていました。水戸街道中村宿の助郷村であり、当初は信太郡に属していましたが、寛永年間から延宝年間にかけて新治郡に編入されました。その後、麻生藩領、幕府領、そして土浦藩土屋氏の城付領と支配が変わり、古来村は南郷に属していました。元禄郷帳、天保郷帳、旧高簿には、いずれも477石余と記載されています。1770年には、名主の不正をめぐり、小前百姓による村方騒動が起きました。

近代

明治時代に入ると、1871年に土浦県、1875年には茨城県の管轄となりました。1878年には新治郡に属し、1889年の町村制施行により栄村の大字となりました。

現代

1955年に栄村が合併し桜村となり、古来は桜村に属しました。1970年には一部が花室、上ノ室、吉瀬に編入されるとともに、吉瀬と土浦市矢作町の一部を編入しました。1987年には桜村が谷田部町、豊里町、大穂町と合併し、つくば市が発足したことで、古来はつくば市の一部となりました。

世帯数と人口の変遷

（具体的なデータは記載されていませんが、人口の変動があったことが示唆されています。）

産業

江戸時代の記録によると、古来村では米、麦、大豆、小豆など10種類の穀物が生産されていました。商業はあまり発展せず、農間余業者は少数でした。2015年の国勢調査では、就業者数は346人であり、卸売業・小売業、医療・福祉、製造業が主な産業となっています。2016年の経済センサスでは、事業所数は63、従業員数は743人でした。建設業と小売業が最も多く、その他宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業、サービス業などが存在します。

教育

古来地区の子供たちは、つくば市立栄小学校とつくば市立桜中学校に通学します。

交通

バス

関東鉄道のバスが運行しており、つくばセンター、石下駅、研究学園駅、つくばテクノパーク大穂方面、土浦駅西口、土浦一高、土浦駅東口方面へアクセスできます。

乗合タクシー

つくタクが利用可能で、古来地区内には「古来集落センター」と「古来南」の2か所の乗降場所があります。

道路

茨城県道24号土浦境線（土浦学園線）および旧道、茨城県道128号土浦大曽根線が通っています。

施設

JAつくば市 桜農産物直売所
つくば橋本眼科
大見クリニック
つくばローズガーデン（藤澤邸）
つくばインターナショナルクリスチャンアッセンブリー教会

史跡

古来遺跡：寺山にある館跡とみられる遺跡
古来館跡：館山にある
鹿島神社：本古来と島古来にそれぞれ鎮座

弥陀三尊像板碑

「古来の板碑」として知られる弥陀三尊像板碑は、かつて古来の公民館に保管されていましたが、現在はつくば市流星台の桜歴史民俗資料館で展示されています。この板碑は秩父産の緑泥片岩で作られ、高さ2.12メートル、幅0.58メートル、厚さ0.75メートルと大型です。1272年に制作され、精巧な彫刻が施されており、美術的価値が高いとされています。1955年には茨城県指定有形文化財に指定されました。

出身人物

久松静児 - 映画監督

参考文献

桜村編さん委員会（編）、1982年3月20日『桜村史』上巻、桜村教育委員会。
平凡社（編）、1982年11月4日『日本歴史地名大系』8 茨城県の地名、平凡社。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会（編）、2009年9月25日（原著1983年12月8日）『角川日本地名大辞典』8 茨城県 総説・地名編、角川書店。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会（編）、2009年9月25日（原著1983年12月8日）『角川日本地名大辞典』8 茨城県 地誌編・資料編、角川書店。
つくば市教育委員会（編）、2020年3月27日『古来村御用留（上）』〈つくば市史 史料集〉、第16編（1版）、つくば市教育委員会。
* 豊田紘子、原遼平、中西僚太郎「近現代茨城県農村における生活と「村づくり」 : 旧新治郡栄村の産児制限と道路整備に注目して」『歴史地理学野外研究』第19号、筑波大学人文社会科学研究科歴史・人類学専攻歴史地理学研究室、2020年3月。

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