東京電機大学の人物一覧

東京電機大学に関係する人物

この項目では、東京電機大学にゆかりのある、様々な分野で顕著な活躍を見せた人物たちを紹介します。大学の教育・研究を牽引した教職員や、社会の幅広い領域で影響力を持った卒業生など、多岐にわたる人材が含まれます。

著名な教職員

東京電機大学（前身の電機学校を含む）には、日本の技術や学術の発展に大きく貢献した数多くの教職員が在籍しました。創立者である廣田精一は、教育者としてだけでなく、オーム社の設立者としても知られ、神戸高等工業学校の初代校長も務めました。初代学長となった丹羽保次郎は、「NE式ファックス」の発明者として日本の十大発明家の一人に数えられるなど、通信技術に画期をもたらしました。

電気工学分野では、電気学会会長などを歴任した瀬藤象二、低レベル信号を高感度に検出する「岡村の方式」を発明し、紫綬褒章や文化功労者にも選ばれた岡村総吾などがいます。情報処理の分野では、鉄道における世界初のオンライン座席予約システム「みどりの窓口」の開発を主導した穂坂衛や、日本のパソコン普及をリードした安田寿明といった人物が特筆されます。数学や計算機科学の分野では、リーダー的な研究者として知られる一松信が日本数学検定協会の名誉会長を務めました。

また、他大学との連携や貢献も多く見られます。東京大学名誉教授の原島文雄や、東京工業大学名誉教授でもあり、元東京電機大学学長、日本信頼性学会元会長として紫綬褒章を受章した当麻喜弘がいます。第10代学長を務めた射場本忠彦は、空気調和・衛生工学会会長や国際エネルギー機関の要職も歴任しました。著名な制御理論の研究者である古田勝久は、「Furuta Pendulum」の発明者として知られ、国内外の複数の大学で名誉博士号を授与されています。未来科学部教授の安田浩は東京大学名誉教授でもあり、エミー賞や紫綬褒章を受章しています。地盤工学の専門家である安田進、日本史学や倫理学を専門とする石村多門、科学教育の分野で活動する小田垣孝といった個性豊かな研究者も名を連ねています。さらに、海外からの招聘研究者として、制御理論の権威であるカール・ヨハン・オストロムも在籍し、IEEE Medal of Honorを受賞しています。火葬研究の第一人者として知られる名誉教授の八木澤壯一など、幅広い専門分野の教職員が大学の発展に貢献しました。

出身者

東京電機大学は、卒業生を社会の多方面に送り出しています。

研究者・学者

大学学長を務めた新家憲（専修大学北海道短期大学元学長）や岩下光男（北海道東海大学元学長補佐）、そして元東京電機大学学長でもある小谷誠など、教育・研究機関の要職を担った人物がいます。技術開発の分野では、本田技術研究所で電動パワーステアリング（EPS）を発明し、紫綬褒章を受章した清水康夫、家庭用燃料電池やGas to Liquid燃料の研究を行った幾島賢治などが特筆されます。また、福祉工学・ロボット工学の大島徹、マイナスイオンの研究家である山野井昇、建築学者の積田洋、そして高松大学学長を務める工学者の佃昌道といった多様な専門家がいます。

政治・行政

国政では、内閣官房参与を務めた飯島勲、参議院議員の礒﨑哲史をはじめ、元参議院議員の加藤万吉や春日正一、元衆議院議員の竹内勝彦といった政治家を輩出しています。地方自治体では、市川市長の大久保博（中退）、武蔵野市長の小美濃安弘、備前市長の長崎信行、小田原市長の守屋輝彦などがいます。また、東京都交通局長や東京ビッグサイト社長を歴任した島田健一など、行政や公共事業の分野で活躍した人物もいます。戦前・戦中に労働運動家として活動した片山武夫や、教育者として谷村学院高等学校（現・花巻東高等学校）を創立した谷村貞治といった、社会活動や教育に携わった人物も名を連ねています。

経済

日本の産業界において、数多くの革新的な企業を立ち上げた起業家を輩出しているのが大きな特徴です。電卓や時計などで世界的に知られるカシオ計算機の創業者である樫尾俊雄、電気計測器の分野で先駆的な横河電機の創業者・初代社長である横河一郎は特に著名です。医療機器メーカーのフクダ電子を創業した福田孝、重電機器メーカーの戸上電機製作所や日本タングステンを創業した戸上信文、放電加工機のソディックを創業した古川利彦、暖房機器メーカーのコロナを創業した内田鐡衛、システム開発の富士ソフトを創業した野澤宏、半導体専門商社のマクニカを創業した神山治貴、食品包装容器の中央化学を創業した渡辺浩二、家電量販店のケーズホールディングス名誉会長である加藤修一など、幅広い分野で日本の経済を牽引した人物がいます。また、スタンレー電気の元社長手島透、SECエレベーターの創業者鈴木孝夫、インターネットサービスプロバイダのベッコアメ・インターネット創業者尾崎憲一、半導体メーカーの日本テキサス・インスツルメンツ元社長の石川明、日本郵便や東京証券取引所の要職を歴任した鈴木義伯、光学機器メーカーのトプコン会長平野聡、ゲームメーカーのコーエーテクモゲームス社長鯉沼久史、通信ソフトウェアのACCESS創業者荒川亨など、多くの企業経営者や幹部を輩出しています。さらに、歴史ある三井鉱山の元社長山保太郎や、相模鉄道の元社長沼野恵一といった人物もいます。

文学

文芸の世界でも、才能豊かな作家たちが生まれています。直木賞作家として知られる新田次郎と熊谷達也は、それぞれ独自の視点で多くの読者を魅了しました。また、時代小説大賞を受賞した脚本家の中村勝行、昭和期の出版人であり作家の八木佐吉、新潮エンターテインメント大賞作家の小島達矢、そして詩人の大木実（中退）といった面々がいます。

芸術・アート

日本の映像、音楽、漫画、イラストレーションなど、芸術分野でも特筆すべき人物がいます。特に、特撮の神様として世界的に知られる『ゴジラ』や『ウルトラマン』を生み出した映画監督の円谷英二は、電機学校の卒業生です。映画界では他にも、録音技師の西尾昇、特撮・撮影監督の築地米三郎、映画プロデューサーや俳優として活動する唐澤一路などがいます。音楽分野では、『南国土佐を後にして』を作詞作曲した武政英策、現代音楽で活躍する作曲家の上杉洋史、タイトーサウンドチーム「ZUNTATA」のメンバーである森正樹といった作曲家を輩出しています。漫画家としては、『アリシア・Y』などで知られる後藤寿庵、『書物往来』などの代表作を持つ八木佐吉（文学の項と重複）、青木ハヤト（中退）、浦嶋嶺至がいます。イラストレーションやグラフィックの分野では、著名なイラストレーターであるカントクや溝口ケージ、Unityエバンジェリストの高橋啓治郎が活躍しています。

ゲーム

日本のゲーム史において伝説的な作品を生み出した開発者も卒業生です。世界中で大ヒットした『インベーダーゲーム』の開発者である西角友宏や、人気シリーズ『東方Project』を開発したZUN（ずん）がいます。また、ゲームプロデューサーとして活動する長島朗も同窓です。

芸能

エンターテイメントの世界にも多くの人材を送り出しています。俳優としては、日活時代劇で活躍した岡崎晴夫、俳優の関山耕司、高林昌伸などがいます。ユニークなボードビリアンのトニー谷や、落語家の三升家小勝 (6代目)、マジシャンの前田知洋、アナウンサーの高山基彦や柳沼慎一（元秋田放送）も卒業生です。テレビプロデューサーの片岡政義、ものまねタレントのリトル清原、お笑いタレントのルシファー吉岡、かぎしっぽさち、しんぷる内藤といったお笑い芸人もいます。音楽活動を行う人物としては、シンガーソングライターの山本かおり、ヒット曲『五月のバラ』で知られる歌手の塚田三喜夫（付属高校出身）、ミュージシャンの秋間経夫、ラジオDJ・司会者の麻生けんたろうなどが活躍しています。

スポーツ

スポーツ界でも、プロレスラーの井上亘、日本野球機構の審判員である笠原昌春、自転車ロードレース選手の飯野嘉則、ラリードライバーの新井大輝といったプロフェッショナルを輩出しています。

ジャーナリズム・マスコミ

編集者やライターとして活動する小牧雅伸、HIP HOPやストリートカルチャーに関するジャーナリストの柾虎などがいます。

その他

登山家として知られる原全教や、発明家の元田庄一といった、ユニークな分野で功績を残した人物も卒業生です。

架空の人物

東京電機大学を舞台にした作品もあり、ゲームやアニメで人気の『STEINS;GATE』の主要キャラクターである岡部倫太郎や橋田至も、この大学に関連する架空の人物として設定されています。

このように、東京電機大学は、実社会の様々な分野でリーダーシップを発揮し、あるいは文化創造に貢献した、多様な人材を数多く輩出していることがわかります。

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