白草山

白草(しらくさやま)



白草は、長野県木曽郡王滝村岐阜県下呂市にまたがる阿寺地(御嶽系)に位置する標高1,641mのです。その域は1964年昭和39年)に飛騨木曽川国定公園に指定されており、豊かな自然が保護されています。

概要



白草は、なだらかな円丘状の容が特徴で、頂付近はかつて放牧場として利用されていました。頂付近にはモミやコメツガなどの針葉樹が生育し、腹はクマザサに覆われています。また、ササユリなどの美しい花々も点在し、訪れる人々を魅了します。白草は、岐阜県を代表する々の一つとして「ぎふ百」にも選定されています。

麓には、江戸時代から湯治場として知られる乗政温泉があり、登と温泉を合わせて楽しむことができます。頂からは、間近に迫る御嶽の雄大な姿を望むことができ、下呂市では、御嶽の噴気孔が見えるとして、「御嶽十二景」のポスターでも紹介されています。



白草は、日帰り登ハイキングに最適なです。登適期は4月初旬から11月中旬頃で、特に10月中旬頃にはドウダンツツジなどが美しく紅葉します。冬期は積雪があるため注意が必要です。

頂へ至る登道は、乗政、御廐野(みまやの)、鞍掛の3つのコースが開設されています。各コースはそれぞれ異なる特徴を持ち、体力や経験に応じて選ぶことができます。頂の南南東0.4km地点には、御廐野コースと鞍掛コースの合流点があり、そこには避難小屋とトイレが設置されています。頂からは360度のパノラマが広がり、東西に広大な裾野を持つ御嶽の全容を一望できます。また、西側の稜線越しには、北ノ俣岳薬師岳黒部五郎岳乗鞍岳などの北アルプス(飛騨脈)の並みを望むことができます。さらに、遠く西には白、東には小秀[[山]]、三国、拝殿、中央アルプス(木曽脈)の恵那なども見渡せます。

麓の下呂町では、かつて町民登が盛んに行われていたこともあり、登道はよく整備されています。白草への登と合わせて、近隣の箱岩へも足を延ばす登者も多くいます。

乗政からのコース



乗政温泉バス停の先の林道沿いには乗政キャンプ場があり、乗政大滝への遊歩道も整備されています。黒谷林道の入口にはゲートがあり、一般車両は通行できません。周辺には登者用の駐車場があります。黒谷林道を進むと、黒谷を渡るがあり、水場となっています。その先はヒノキの植林地の中の登道となります。県境稜線の手前には、「三ツ岩」と呼ばれる奇岩があり、県境稜線の合流点付近には小さな湿地があります。そこからクマザサが刈られた高原状の道を歩くと、なだらかな頂に到着します。5月上旬頃には、登道脇でショウジョウバカマなどの花を見ることができます。

コース概要
乗政温泉バス停 - 乗政キャンプ場 - 黒谷林道分岐 - 黒谷 - 尾根合流点 - 三ツ岩 - 県境稜線(箱岩分岐点) - 白草

御廐野からのコース



下呂市御廐野の南側の尾根から頂へ向かうコースです。

コース概要
御廐野 - 御岳御廐野併用林道 - 登道取付 - 天狗岩 - 水場下降点 - 県境稜線(避難小屋) - 白草

鞍掛からのコース



腹の長野県王滝村岐阜県下呂市を結ぶ御岳御廐野併用林道の県境に位置する鞍掛から稜線伝いに頂に至るコースです。

コース概要
鞍掛 - 避難小屋 - 白草

地理



白草は、御嶽の南東に連なる阿寺地の峰の一つです。頂には三角点は設置されていませんが、頂の北西0.6kmに位置する箱岩には三等三角点が設置されています。

周辺の主な



箱岩
三国
小秀[[山]]
拝殿

周辺の



鞍掛頂の東1.8km、白草と三国の鞍部
舞台頂の南5.8km、拝殿から南南西に延びる尾根にある下呂市と中津川市の境。

源流の河川



白草は、木曽川水系の支流を源とするで、太平洋側の伊勢湾へ流れます。飛騨川の支流と王滝川の支流の分水嶺となっています。頂の北東2.9kmには王滝川に三浦ダムがあります。また、頂の西北西2.9kmの乗政川には、岐阜県の名水50選に選ばれている乗政大滝があります。

竹原川、黒谷(乗政川の支流):飛騨川の支流
水無沢:王滝川の支流

交通・アクセス



周辺の域の西側には国道41号が通り、南側には国道257号、南西側には岐阜県道440号乗政下呂停車場線、南側には岐阜県道442号白草公園線が通っています。域は林業が盛んな地域で、ヒノキなどの植林地が多く、林道が敷設されています。広域林道下呂萩原線から黒谷林道が延びています。東腹の県境には、御岳御廐野併用林道が通り、長野県側は2014年の御嶽[[山噴火]]に伴い通行規制されています。

濃飛バス乗政線の終点「乗政温泉」バス停から東へ3.7km
JR東海の高本線下呂駅から東へ8.6km
中央自動車道中津川インターチェンジから北北西へ39km
東海環状自動車道美濃加茂インターチェンジから北東へ46km
中部縦貫自動車道(高清見道路)高インターチェンジから南南東へ41km

白草の風景と眺望



[白草の風景画像1]

[白草の風景画像2]

[白草の風景画像3]

白草からの眺望

[白草からの眺望画像1]

[白草からの眺望画像2]

[白草からの眺望画像3]

脚注



注釈



出典



参考文献


岐阜県岳連盟『ぎふ百』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474。
徳久球雄 編『コンサイス日本名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1。
北中康文『日本の滝②西日本767滝』と溪谷社〈ヤマケイ情報箱〉、2006年7月1日。ISBN 4635062589。
島田靖、堀井啓介、木下喜代男『岐阜県と溪谷社〈分県登ガイド〉、1998年1月10日。ISBN 4635021807。
日本岳会『新日本岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1。
松井志津子『名古屋から行く 隠れた名64』七賢出版、1995年6月16日。ISBN 4883042499。
与呉日出夫『改訂新版 名古屋周辺のと溪谷社〈週末登コースの百科事典〉、2010年7月。ISBN 9784635180177。

関連項目



阿寺
ぎふ百
飛騨木曽川国定公園
岐阜県道442号白草公園線

外部リンク



地理院地図(電子国土Web)・白草
白草 麓の天気(Mapion)

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