高橋啓三
高橋啓三（たかはし けいぞう）は、1946年11月20日生まれ、福島県福島市出身の声楽家です。バスおよびバリトン歌手として、その豊かな声量と卓越した表現力で、国内外のオペラやコンサートで活躍しています。
1972年に東京藝術大学音楽学部を卒業。在学中からその才能を発揮し、外山雄三指揮による藤原歌劇団公演プッチーニ『トスカ』でアンジェロッティ役としてデビューを飾りました。ヴァイオリンを立花和夫氏に、声楽を大熊文子、磯谷威、渡邊高之助、中山悌一、疋田生次郎、コンラート・リヒターの各氏に師事し、幅広い音楽的素養を身につけました。
二期会を中心に、藤原歌劇団やイタリア歌劇団（NHK）などの公演に多数出演。モーツァルト『魔笛』のザラストロ、ヴェルディ『リゴレット』のスパラフチレ、ドニゼッティ『愛の妙薬』のドゥルカマーラ、ワーグナー『タンホイザー』のヘルマン、團伊玖磨『夕鶴』の惣どなど、幅広い役柄を演じました。特に二期会創立40周年記念公演ワーグナー『神々の黄昏』（日本初演）でのハーゲン役は、彼の代表的な役の一つとして知られています。その他、プッチーニ『ラ・ボエーム』のコルリーネ、ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』のヤコポ・フィエスコ、ワーグナー『ラインの黄金』のファーフナー、ベートーヴェン『フィデリオ』のロッコなど、重要な役を立て続けに演じ、その実力を高く評価されました。
また、福島国体記念・原嘉壽子『乙和の椿』の佐藤基治役、仙台開府四百年記念・三善晃『遠い帆』の伊達政宗役など、邦人作曲家の現代曲にも積極的に取り組み、その成果を上げています。日生劇場開場40周年記念・ベルク『ルル』のシゴルヒ役など、現代オペラにも挑戦し、幅広いレパートリーを誇ります。
オラトリオの分野でも、バッハの『マタイ受難曲』、『ヨハネ受難曲』、『ミサ ロ短調』、ハイドンの『天地創造』、メンデルスゾーンの『エリア』、ヘンデルの『メサイア』、ヴェルディの『レクイエム』、モーツァルトの『レクイエム』、ドヴォルザークの『スターバト･マーテル』、ベートーヴェンの『第九』など、数多くの宗教曲でソリストを務めています。W.サヴァリッシュ、O.スィットナー、J.フルネ、R.マゼールなど、著名な指揮者のもと、NHK交響楽団をはじめとする主要オーケストラとの共演も数多く、その歌声は多くの聴衆を魅了してきました。
二期会会員、東京音楽大学名誉教授、東京藝術大学講師、日本声楽アカデミー会員などの要職を歴任し、後進の指導にも力を注いでいます。
高橋啓三は教育者としても卓越した手腕を発揮しており、門下生を中心とする声楽家の会「啓声会」を組織し、多くの優れた声楽家を育成しています。2015年時点で135名の会員が確認されており、その活動は日本の音楽界に大きな影響を与えています。啓声会の運営は、運営委員長の菅野宏昭氏を中心に、事務局長に星洋二氏、事務局に大澤よしこ氏と利根川佳子氏、企画・制作に安藤郁子氏、秋山隆典氏、相島百子氏、加藤史幸氏、辛島安妃子氏、倉石真氏、志村文彦氏、杉野正隆氏、渡辺大氏、広報に木村南海氏、佐藤志保氏、醍醐園佳氏、藤巻希美彦氏、地方担当に坂寄和臣氏、会計に高居洋子氏、徳間秀美氏、金子紗弓氏が携わっています。
第44回日本音楽コンクール 第2位
第10回ジロー・オペラ賞：藤原歌劇団公演『リゴレット』スパラフチレ役
第17回ジロー・オペラ賞：二期会公演『運命の力』（日本初演）グアルディアーノ神父役
高橋啓三は、数多くのオペラや合唱作品の録音に参加しています。以下に主なディスコグラフィーを示します。
ワーグナー：序夜と3日間の舞台祭典劇『ニーベルングの指環』全曲 新日本フィルハーモニー交響楽団 朝比奈隆指揮 CD12枚組 2008/7/31 フォンテック
ベートーヴェン交響曲全集 新日本フィルハーモニー交響楽団 朝比奈隆指揮 CD7枚組 1990/6/10 フォンテック
ベートーヴェン：交響曲第9番ニ短調『合唱』／『ミサ・ソレニムス 』新日本フィルハーモニー交響楽団 朝比奈隆指揮 CD3枚組 1993/9/25 フォンテック
ベートーヴェン 交響曲全集 Hybrid SACD 新日本フィルハーモニー交響楽団 朝比奈隆指揮 CD6枚組 2006/3/20 フォンテック
常森寿子 の芸術1（ベッリーニ：『夢遊病の女 』抜粋）常森寿子(S)、平良栄一(T)、高橋啓三(Bs)、藤原歌劇団合唱部、福森湘 (指揮)、東京フィルハーモニー交響楽団 CD 1979年12月録音 ADAM ACE
江戸川女子高校 父娘の共演『ベートーヴェン第九演奏会』指揮者：佐野直樹、ソプラノ ：立原ちえ子、アルト ：加納里美、テノール：川上洋司 、バリトン：高橋啓三 DVD 2008/11/30 スタジオ・フローラ
CD オペラ『白虎』（作曲：加藤昌則/脚本：宮本益光）福島 復興・復活オペラプロジェクト 佐藤正浩：指揮、オペラ白虎特別編成オーケストラ、経種廉彦、高橋啓三、黒田博、腰越満美 2014年01月31日 ALTUS
これらの録音は、高橋啓三の卓越した歌唱力と音楽性を今に伝える貴重な資料となっています。
高橋啓三は、その卓越した歌唱力と幅広いレパートリーで、日本の音楽界を代表する声楽家の一人です。オペラ、宗教曲、現代曲など、様々な分野で活躍し、教育者としても多くの後進を育成しています。彼の音楽への情熱と、その功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。
経歴
1972年に東京藝術大学音楽学部を卒業。在学中からその才能を発揮し、外山雄三指揮による藤原歌劇団公演プッチーニ『トスカ』でアンジェロッティ役としてデビューを飾りました。ヴァイオリンを立花和夫氏に、声楽を大熊文子、磯谷威、渡邊高之助、中山悌一、疋田生次郎、コンラート・リヒターの各氏に師事し、幅広い音楽的素養を身につけました。
二期会を中心に、藤原歌劇団やイタリア歌劇団（NHK）などの公演に多数出演。モーツァルト『魔笛』のザラストロ、ヴェルディ『リゴレット』のスパラフチレ、ドニゼッティ『愛の妙薬』のドゥルカマーラ、ワーグナー『タンホイザー』のヘルマン、團伊玖磨『夕鶴』の惣どなど、幅広い役柄を演じました。特に二期会創立40周年記念公演ワーグナー『神々の黄昏』（日本初演）でのハーゲン役は、彼の代表的な役の一つとして知られています。その他、プッチーニ『ラ・ボエーム』のコルリーネ、ヴェルディ『シモン・ボッカネグラ』のヤコポ・フィエスコ、ワーグナー『ラインの黄金』のファーフナー、ベートーヴェン『フィデリオ』のロッコなど、重要な役を立て続けに演じ、その実力を高く評価されました。
また、福島国体記念・原嘉壽子『乙和の椿』の佐藤基治役、仙台開府四百年記念・三善晃『遠い帆』の伊達政宗役など、邦人作曲家の現代曲にも積極的に取り組み、その成果を上げています。日生劇場開場40周年記念・ベルク『ルル』のシゴルヒ役など、現代オペラにも挑戦し、幅広いレパートリーを誇ります。
オラトリオの分野でも、バッハの『マタイ受難曲』、『ヨハネ受難曲』、『ミサ ロ短調』、ハイドンの『天地創造』、メンデルスゾーンの『エリア』、ヘンデルの『メサイア』、ヴェルディの『レクイエム』、モーツァルトの『レクイエム』、ドヴォルザークの『スターバト･マーテル』、ベートーヴェンの『第九』など、数多くの宗教曲でソリストを務めています。W.サヴァリッシュ、O.スィットナー、J.フルネ、R.マゼールなど、著名な指揮者のもと、NHK交響楽団をはじめとする主要オーケストラとの共演も数多く、その歌声は多くの聴衆を魅了してきました。
二期会会員、東京音楽大学名誉教授、東京藝術大学講師、日本声楽アカデミー会員などの要職を歴任し、後進の指導にも力を注いでいます。
教育活動
高橋啓三は教育者としても卓越した手腕を発揮しており、門下生を中心とする声楽家の会「啓声会」を組織し、多くの優れた声楽家を育成しています。2015年時点で135名の会員が確認されており、その活動は日本の音楽界に大きな影響を与えています。啓声会の運営は、運営委員長の菅野宏昭氏を中心に、事務局長に星洋二氏、事務局に大澤よしこ氏と利根川佳子氏、企画・制作に安藤郁子氏、秋山隆典氏、相島百子氏、加藤史幸氏、辛島安妃子氏、倉石真氏、志村文彦氏、杉野正隆氏、渡辺大氏、広報に木村南海氏、佐藤志保氏、醍醐園佳氏、藤巻希美彦氏、地方担当に坂寄和臣氏、会計に高居洋子氏、徳間秀美氏、金子紗弓氏が携わっています。
主な受賞歴
第44回日本音楽コンクール 第2位
第10回ジロー・オペラ賞：藤原歌劇団公演『リゴレット』スパラフチレ役
第17回ジロー・オペラ賞：二期会公演『運命の力』（日本初演）グアルディアーノ神父役
主なディスコグラフィー
高橋啓三は、数多くのオペラや合唱作品の録音に参加しています。以下に主なディスコグラフィーを示します。
ワーグナー：序夜と3日間の舞台祭典劇『ニーベルングの指環』全曲 新日本フィルハーモニー交響楽団 朝比奈隆指揮 CD12枚組 2008/7/31 フォンテック
ベートーヴェン交響曲全集 新日本フィルハーモニー交響楽団 朝比奈隆指揮 CD7枚組 1990/6/10 フォンテック
ベートーヴェン：交響曲第9番ニ短調『合唱』／『ミサ・ソレニムス 』新日本フィルハーモニー交響楽団 朝比奈隆指揮 CD3枚組 1993/9/25 フォンテック
ベートーヴェン 交響曲全集 Hybrid SACD 新日本フィルハーモニー交響楽団 朝比奈隆指揮 CD6枚組 2006/3/20 フォンテック
常森寿子 の芸術1（ベッリーニ：『夢遊病の女 』抜粋）常森寿子(S)、平良栄一(T)、高橋啓三(Bs)、藤原歌劇団合唱部、福森湘 (指揮)、東京フィルハーモニー交響楽団 CD 1979年12月録音 ADAM ACE
江戸川女子高校 父娘の共演『ベートーヴェン第九演奏会』指揮者：佐野直樹、ソプラノ ：立原ちえ子、アルト ：加納里美、テノール：川上洋司 、バリトン：高橋啓三 DVD 2008/11/30 スタジオ・フローラ
CD オペラ『白虎』（作曲：加藤昌則/脚本：宮本益光）福島 復興・復活オペラプロジェクト 佐藤正浩：指揮、オペラ白虎特別編成オーケストラ、経種廉彦、高橋啓三、黒田博、腰越満美 2014年01月31日 ALTUS
これらの録音は、高橋啓三の卓越した歌唱力と音楽性を今に伝える貴重な資料となっています。
まとめ
高橋啓三は、その卓越した歌唱力と幅広いレパートリーで、日本の音楽界を代表する声楽家の一人です。オペラ、宗教曲、現代曲など、様々な分野で活躍し、教育者としても多くの後進を育成しています。彼の音楽への情熱と、その功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。
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