1961年の相撲

1961年の相撲界の動向



1961年は、アマチュア相撲界と大相撲界の両方で、多くの出来事があった年でした。アマチュア相撲では、全日本相撲選手権大会で平聖一が2度目の連覇を達成し、その強さを際立たせました。平は過去にも3度優勝しており、この時点で通算4度目の優勝という偉業を成し遂げました。

大相撲の主な出来事



大相撲では、年初の1月場所から様々な動きがありました。初場所では、蔵前国技館で15日間の熱戦が繰り広げられ、NHKがカラー中継を開始しました。また、年寄と若者頭の定年制が発足し、立田川(元21代庄之助)や立田山(元能代潟)といった角界の重鎮が引退しました。一方で、呼出の太郎は出羽海部屋に、小鉄は伊勢ヶ濱部屋に雇いとして残り、その後の角界を支えることとなります。初場所で優勝した柏戸は、エールフランスの招待でヨーロッパへ渡りました。

3月には春場所が大阪府立体育会館で開催されました。学生横綱だった東京農業大学の内田が時津風部屋に入門し、幕下付出で初土俵を踏みました。また、各段の優勝賞金が増額されました。

5月の夏場所では、蔵前国技館で15日間開催されました。この場所から、控え力士用の座布団が各個人用から共用へと変更されました。8日目には昭和天皇、皇后が観戦に訪れました。場所後には、北葉山の大関昇進が決定しました。

7月の名古屋場所では、北葉山が新大関となり、5大関という珍しい状況となりました。

9月の秋場所後には、大鵬と柏戸が同時に横綱に推挙されるという歴史的な出来事が起こりました。大鵬は21歳3ヶ月、柏戸は22歳9ヶ月での横綱昇進となり、その若さが注目を集めました。

10月には大阪準本場所が開催され、大鵬が優勝しました。

11月には、大鵬と柏戸が新横綱として土俵入りし、4横綱時代を迎えましたが、張出ではなく全員が正横綱として扱われました。九州場所では、十両で内田が全勝優勝を果たしました。元大関の松登は引退し、振分を襲名しました。

本場所の結果



各本場所の結果は以下の通りです。

一月場所(蔵前国技館):幕内最高優勝は柏戸剛(13勝2敗)、殊勲賞は房錦、敢闘賞は富士錦、技能賞は鶴ヶ嶺。十両優勝は芳野嶺元志(11勝4敗)。
三月場所(大阪府立体育会館):幕内最高優勝は朝潮太郎(13勝2敗)、殊勲賞は栃光、敢闘賞は前田川、技能賞は房錦。十両優勝は高錦照雄(12勝3敗)。
五月場所(蔵前国技館):幕内最高優勝は佐田の山晋松(12勝3敗)、殊勲賞は北葉山、敢闘賞は佐田の山、技能賞は栃ノ海。十両優勝は清ノ森政夫(12勝3敗)。
七月場所(金山体育館):幕内最高優勝は大鵬幸喜(13勝2敗)、殊勲賞は佐田の山、敢闘賞は栃光、技能賞は栃ノ海。十両優勝は若秩父高明(13勝2敗)。
九月場所(蔵前国技館):幕内最高優勝は大鵬幸喜(12勝3敗)、殊勲賞は出羽錦、敢闘賞は明武谷。十両優勝は大塚範(12勝3敗)。
十一月場所(福岡スポーツセンター):幕内最高優勝は大鵬幸喜(13勝2敗)、殊勲賞は開隆山、敢闘賞は若三杉、技能賞は栃ノ海。十両優勝は内田勝男(15戦全勝)。

1961年に誕生した力士



この年には、後に角界を彩る多くの力士が誕生しました。

1月24日 - 維新力浩司(最高位:十両筆頭)
3月1日 - 隆三杉太一(最高位:小結、年寄:常盤山)
3月20日 - 伊予櫻政行(最高位:十両11枚目、若者頭:伊予櫻)
4月17日 - 前乃臻康夫(最高位:小結
5月8日 - 玉麒麟安正(最高位:十両6枚目)
6月1日 - 琴白山俊也(最高位:十両4枚目)
6月4日 - 福ノ里邦男(最高位:十両13枚目、若者頭:福ノ里)
6月4日 - 清美岳太(最高位:十両13枚目)
6月12日 - 龍授山正男(最高位:十両8枚目)
6月18日 - 逆鉾昭廣(最高位:関脇
6月27日 - 益荒雄広生(最高位:関脇
7月9日 - 騏乃嵐和稔(最高位:前頭2枚目)
8月25日 - 天凰山豊(最高位:十両13枚目)
9月12日 - 港龍安啓(最高位:前頭4枚目)
10月2日 - 大石田謙治(最高位:十両13枚目)
10月12日 - 床弓(元・一等床山
10月30日 - 39代木村庄之助(立行司
11月8日 - 卓越山吾郎(最高位:十両5枚目)
11月27日 - 佐賀昇博(最高位:前頭14枚目)

1961年に亡くなった力士



また、この年には、多くの力士がこの世を去りました。彼らの功績は、後世に語り継がれるでしょう。

3月4日 - 和歌嶌(最高位:小結、年寄:関ノ戸)
3月26日 - 宮城山正見(最高位:小結
4月30日 - 2代朝潮太郎(最高位:大関
* 6月28日 - 藤錦千代吉(最高位:前頭18枚目)

1961年は、相撲界にとって大きな転換期となった年であり、多くの出来事がその後の相撲界に大きな影響を与えました。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。