1971年のメジャーリーグベースボール

1971年のメジャーリーグベースボール

1971年のメジャーリーグベースボール（MLB）は、アメリカンリーグとナショナルリーグでそれぞれ記憶に残るシーズンとなりました。4月5日に開幕し、10月17日に全日程を終えたこの年、数々のドラマが展開されました。

各リーグの動向

アメリカンリーグ

東地区では、ボルチモア・オリオールズが圧倒的な強さを見せ、3年連続5度目の地区優勝を果たしました。マイク・クェイヤー、デーブ・マクナリー、ジム・パーマー、パット・ドブソンの4投手が20勝以上を挙げ、「20勝投手カルテット」として名を馳せました。さらに、ブルックス・ロビンソン、フランク・ロビンソン、ブーグ・パウエルの主軸打者も健在で、チームは101勝を記録しました。

一方、西地区では、ディック・ウィリアムズ監督の下でオークランド・アスレチックスが躍進。キャットフィッシュ・ハンターとヴァイダ・ブルーの2人の20勝投手、レジー・ジャクソンらの活躍で初の地区優勝を飾りました。

リーグチャンピオンシップシリーズでは、オリオールズがアスレチックスを破り、リーグ3連覇を達成しました。

ナショナルリーグ

東地区では、ピッツバーグ・パイレーツがロベルト・クレメンテ、アル・オリバー、ウィリー・スタージェルの活躍に加え、投手陣もドック・エリス、スティーブ・ブラスらが安定した成績を残し、東地区2連覇を達成しました。ジョー・トーレが加入したカージナルスも2位と健闘しました。

西地区では、サンフランシスコ・ジャイアンツが地区優勝を果たしました。ウィリー・メイズの衰えが見え始めたものの、ボビー・ボンズやゲイロード・ペリー、フアン・マリシャルらの活躍で、開幕から首位を独走しました。

リーグチャンピオンシップシリーズは、パイレーツがジャイアンツを破り、11年ぶり8度目のリーグ優勝を飾りました。

ワールドシリーズ

ワールドシリーズは、パイレーツとオリオールズの対戦となりました。大方の予想ではオリオールズ優勢と見られていましたが、パイレーツが4勝3敗でオリオールズを破り、11年ぶり4度目のシリーズ制覇を成し遂げました。ロベルト・クレメンテがシリーズMVPに輝き、最後の檜舞台を飾りました。

個人タイトル

アメリカンリーグでは、トニー・オリバが首位打者、ハーモン・キルブルーが打点王、ビル・メルトンが本塁打王を獲得。ミッキー・ロリッチが最多勝と最多奪三振、ヴァイダ・ブルーが最優秀防御率に輝きました。

ナショナルリーグでは、ジョー・トーレが首位打者と打点王、ウィリー・スタージェルが本塁打王、ルー・ブロックが盗塁王を獲得。ファーガソン・ジェンキンスが最多勝、トム・シーバーが最優秀防御率と最多奪三振に輝きました。ジョー・トーレがリーグMVP、ファーガソン・ジェンキンス がサイ・ヤング賞を受賞しました。

その他の出来事

カート・フラッドの闘い: 2年前の移籍拒否から始まったカート・フラッドの訴訟は、この年も最高裁まで争われましたが、彼の主張は認められませんでした。
サチェル・ペイジの殿堂入り: ニグロリーグの伝説的投手、サチェル・ペイジが特別委員会によって野球殿堂入りを果たしました。
* トニー・コニグリアロの引退: レッドソックスからエンゼルスに移籍したトニー・コニグリアロが、死球の後遺症による視覚障害により引退しました。

選手の年俸高騰

選手会の活動が活発化し、選手の年俸が大幅に上昇しました。カール・ヤストレムスキー、ウィリー・メイズ、ボブ・ギブソン、フランク・ロビンソンといったスター選手が、高額な契約を結びました。

1971年のMLBは、チームの躍進、スター選手の活躍、そして様々な出来事が交錯した、記憶に残るシーズンとなりました。

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