南沙織ベスト Recall 〜28 SINGLES SAORI + 1〜

『南沙織ベスト Recall 〜28 SINGLES SAORI + 1〜』は、歌手・南沙織が1992年2月21日にソニーレコードよりリリースしたベストアルバムです。規格品番はSRCL-2315/6で、CDに加え、後にミニディスク（SRYL-7011/2）でも発売されました。

このアルバムは、1991年末の第42回NHK紅白歌合戦に特別出演し、音楽シーンへの本格的な復帰を果たした南沙織が、新たな活動を開始するタイミングで届けられました。これは、1971年にシングル「17才」で歌手デビューして以来、20周年の節目を越えた時期でもあります。

収録内容は、南沙織が単独名義で発表した全てのシングルA面曲、合計28曲に加え、このアルバムのために制作された新曲「ファンレター -SO GOOD SO NICE-」を加えた全29曲から構成されています。これは、他のアーティストとのカップリングで発売されたものなどを含まない、「南沙織」単独名義のシングルに限定したコレクションであることを意味します。新曲を含めて、一部の音源は本作で初めてCD化されました。アルバムはCD-DA2枚組という大ボリュームとなっています。

タイトルにある「+1」が指す新曲「ファンレター -SO GOOD SO NICE-」は、南沙織の楽曲を数多く手掛けてきた作曲家・筒美京平と、作詞家・阿久悠のコンビによって生み出されました。この楽曲は、同時期に発売された復帰第一弾シングル「青空」のカップリング曲（両A面扱い）としても収録されましたが、そちらはリミックスバージョンでした。本作に収録されているのはオリジナルのミックスバージョンであり、この音源は本アルバム以外では聴くことができない貴重なものです。その後のベストアルバム等には、主にリミックスバージョンが収録されています。

アルバムのジャケットには、デビュー当時の黒髪ロングストレートヘアで小麦色肌というシンシアのイメージではなく、1976年発売のスタジオアルバム『素顔のままで』の頃に撮影された写真が採用されました。また、初回出荷盤には、写真家・篠山紀信が撮影した豪華なオールカラーフォトブックレットが封入されていました。このブックレットは初回盤のみの特典であり、帯に「フォト・ブックレット封入」と記載されていましたが、セカンドプレス以降はこの表記と共に封入されなくなりました。

現在、本作は廃盤となっています。収録されている多くのシングルA面曲は、その後に発売された高音質盤を含む様々なベストアルバムで聴くことが可能となりました。しかし、長らくの間、8枚目のシングル「カリフォルニアの青い空」や、A面が差し替えられたことで知られる18枚目のシングル「ふりむいた朝」といった楽曲が、一般的に入手可能な非限定生産のCDには収録されず、全てのシングルA面曲をまとめて聴くことが困難な状況が続いていました。この状況は、2010年9月8日に南沙織及びシンシア名義の全シングルA面曲（両A面含む）を完全に網羅した決定版『GOLDEN☆BEST 南沙織 コンプリート・シングルコレクション』（MHCL-1788/9）が発売されたことによって解消されました。結果として、本アルバム『Recall 〜28 SINGLES SAORI + 1〜』にのみ収録されている音源は、「ファンレター ‐SO GOOD SO NICE‐」のオリジナル・ミックスバージョンのみということになりました。

本アルバムに収録された全29曲は以下の通りです。

Disc 1
17才（2:46）
潮風のメロディ（3:30）
ともだち（3:07）
純潔（3:02）
哀愁のページ（2:48）
早春の港（2:51）
傷つく世代（2:36）
カリフォルニアの青い空（3:07）
色づく街（2:50）
ひとかけらの純情（3:05）
バラのかげり（3:14）
夏の感情（2:41）
夜霧の街（3:14）
女性（3:00）

Disc 2
想い出通り（2:35）
人恋しくて（4:22）
ひとねむり（3:24）
ふりむいた朝（3:08）
青春に恥じないように（3:29）
哀しい妖精（3:40）
愛はめぐり逢いから（3:25）
ゆれる午後（3:30）
街角のラブソング（3:22）
木枯しの精（3:09）
春の予感‐I've been mellow‐（3:09）
愛なき世代（4:29）
Ms.（ミズ）（3:53）
グッバイガール（3:30）
* ファンレター ‐SO GOOD SO NICE‐（5:27）

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