坂合部磐積

坂合部 磐積 (さかいべ の いわつみ)

坂合部磐積は、飛鳥時代に活躍した日本の貴族で、その影響力は現代にまで伝わっています。彼の名前は、別名として石積とも呼ばれ、姓は連から宿禰に改められました。彼は大山下という冠位を持ち、政治や文化へも深く関与していました。

出自

坂合部氏は、境界の画定に関与した坂合部伴造氏族として広く知られています。彼の起源については二つの説が存在します。一つは、允恭天皇の皇子である坂合黒彦皇子の名代であるという説であり、もう一つは、皇別の大彦命の末裔とする系統と神別の天火明命の子孫とする系統です。特に磐積の系統は火闌降命の八世孫である贄宿禰の後裔とされており、同じ氏族には遣唐使として派遣された坂合部磐鍬や坂合部大分が含まれています。

経歴

磐積は、孝徳天皇の治世にあたる白雉4年（653年）、大使の吉士長丹や副使の吉士駒、さらには学問僧の道昭、定恵らとともに、第二次遣唐使に学生として参加しました。この遣唐使は、日本と中国の文化交流を深める重要な役割を果たしました。

その後、天智天皇4年（665年）12月には、守大石を大使とする第五次遣唐使にも参加しています。この時、彼らは同年9月に日本に訪れていた劉徳高を送迎する任務を持っていました。先の遣唐使で留学僧であった定恵が同じ船で帰国しており、この縁が磐積の再度の遣唐使参加の背景にあったかもしれません。

さらに、天智天皇6年（667年）には、唐の百済の鎮将である劉仁願が派遣した熊津都督府の上柱国司馬法聡とともに帰国しました。この時、彼の冠位は大山下とされており、帰国した守大石はその後の動向が不明です。彼らは、泰山で高宗が執り行った封禅の儀に出席したと考えられています。

天武天皇10年（681年）においては、磐積は食封として60戸を与えられ、また絁30匹、綿150斤、布150端、钁（くわ）100口を手にしています。翌年、天武天皇11年（682年）には、『新字』という書物を1部44巻にわたり、天皇の命に応じて作成しました。このように、彼は官職だけでなく、文化的な貢献にも多大な影響を与えています。

また、天武天皇13年（684年）に制定された「八色の姓」によって、坂合部氏は連姓から宿禰姓に改姓しました。天武天皇14年（685年）には、天皇が臣下と博戯を楽しむ中で、磐積もそのメンバーに加わり、他の王族とともに天皇から贈り物を受ける名誉を得ています。このように、坂合部磐積はその生涯を通じて多くの歴史的出来事に関与し、飛鳥時代の重要人物としての地位を確立しました。

彼の功績は、古代日本の文化や国際交流における重要な一翼を担ったと言えるでしょう。

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