寮 (律令制)

寮の概要

寮（りょう）は、律令制における重要な役所の一種であり、ここで勤務する官司のことも指します。古代中国にその起源を持ち、周朝の卿事寮（けいじりょう）や太史寮（たいしりょう）が記録されています。卿事寮は一般的な立法や行政を担当する機関でしたが、太史寮は宮廷内の祭祀を主に担っていたとされています。

日本における寮の歴史

日本では、律令制の確立以降、寮は官職や部局名として幅広く使用され、戦後の1949年（昭和24年）までその呼称が残りました。特に明治時代の宮内省内にもこの表現がみられます。寮は、職や司と共同で、省と呼ばれる管理機関の下で事務を行う重要な役割を果たしました。

寮の機能と整理

寮には数多くの重要な部署が存在し、そのほとんどは長い歴史の中で廃止されることはありませんでした。ただ一つの例外として散位寮が廃止されています。寮には、左・右馬寮や左・右兵庫といった独立した組織もあり、後者は通常「寮」という語尾をつけずに呼称されます。

大寮と小寮

寮は職員数や官位によって大寮と小寮にさらに分類されます。これは、組織の規模や職務の重要性に応じて役所内での役割を分けるためのものでした。

四等官について

役職については、四等官と呼ばれる基本的な職員の階級が設けられており、以下のように分類されています：

• - 頭（長官）
• - 助（次官）
• - 允（判官）
• - 属（主典）

大寮における官位はそれぞれ次のように規定されていました：

• - 頭は従五位上
• - 助は正六位下
• - 大允は正七位下
• - 少允は従七位上
• - 大属は従八位上
• - 少属は従八位下

小寮も同様に、官位が以下のように設定されています：

• - 頭は従五位下
• - 助は従六位上
• - 允は従七位上
• - 大属は従八位下
• - 少属は大初位上

寮の一覧

寮の具体的な名称には以下のものがあります：

大寮

• - 大舎人寮（中務省）
• - 図書寮
• - 内匠寮
• - 大学寮（式部省）
• - 雅楽寮（治部省）
• - 玄蕃寮
• - 諸陵寮
• - 主計寮（民部省）
• - 主税寮
• - 木工寮（宮内省）
• - 左・右馬寮（独立）
• - 左・右兵庫（独立）
• - 兵庫寮（独立）
• - 斎宮寮（独立）

小寮

• - 陰陽寮（中務省）
• - 散位寮（式部省）
• - 大炊寮（宮内省）
• - 主殿寮
• - 典薬寮
• - 掃部寮

関連項目

さらなる理解を深めるために、日本の官制に関する関連情報も参考にすることをおすすめします。これにより、寮という役所が持っていた役割や、その歴史的背景についての理解が広がります。

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