慕容紹宗

慕容紹宗（ぼよう しょうそう）

慕容紹宗（501年 - 549年）は、北魏末から東魏にかけての軍人であり、字は紹宗、本貫は昌黎郡棘城県です。前燕の太原王慕容恪の後裔とされています。

生涯

北魏の恒州刺史であった慕容遠の子として生まれました。六鎮の乱が起こると、一家を挙げて晋陽に移り、爾朱栄に帰順しました。武泰元年（528年）、爾朱栄が洛陽に入ると、洛陽の人士を皆殺しにしようと計画しましたが、慕容紹宗は多くの士を殺すことは長久の策ではないとして諫めました。しかし、爾朱栄は彼の意見を聞き入れませんでした（河陰の変）。

その後、軍功により索盧県子に封ぜられ、まもなく侯に爵位を進めました。永安年間には、高歓に従って羊侃を破り、また元天穆と共に邢杲を平定し、并州刺史に累進しました。

永安3年（530年）、紇豆陵歩藩が晋陽に迫ると、爾朱兆がこれを攻撃しましたが、連敗しました。爾朱兆は高歓を晋州に呼び寄せて、共に紇豆陵歩藩を討とうと図りました。慕容紹宗は高歓の才能を警戒して爾朱兆を諫めましたが、聞き入れられませんでした。爾朱兆は鮮卑の兵を高歓に分け与え、高歓は共に紇豆陵歩藩を討ち滅ぼしました。

普泰元年（531年）、高歓が信都で挙兵すると、爾朱兆は慕容紹宗を長史とし、また行台に任じました。慕容紹宗は軍を率いて壷関に向かい、高歓に抵抗しました。広阿と韓陵で敗れると、爾朱兆は自らを責め、「卿の言を用いていれば、今このようにはならなかっただろう」と慕容紹宗に言いました。永熙2年（533年）、爾朱兆は赤谼嶺に逃れ、自害しました。慕容紹宗は烏突城にいましたが、高歓に追いつかれ、爾朱栄の妻子と爾朱兆の残党を率いて高歓に投降しました。高歓は慕容紹宗の官爵を元のままに任用し、軍略に参与させました。

天平元年（534年）、東魏が建国され、鄴に遷都されると、慕容紹宗は高隆之と共に府庫の地図や書籍の管理を任されました。天平2年（535年）、宜陽の李延孫が反乱を起こすと、慕容紹宗は西南道軍司となり、都督の厙狄安盛らを率いてこれを鎮圧しました。凱旋後、揚州刺史を代行し、まもなく青州刺史を代行しました。丞相府記室の孫搴が、自分の兄を州主簿にするよう慕容紹宗に頼みましたが、慕容紹宗は任用しませんでした。孫搴が高歓に慕容紹宗のことを讒言したため、慕容紹宗は召還されました。

元象元年（538年）、西魏の将軍である独孤信が洛州に拠り、梁州・潁州の間で反乱軍が蜂起しました。慕容紹宗は兵を率いて虎牢に向かい、行台の劉貴らと共にこれを平定しました。爵位は公に進み、度支尚書に任ぜられました。後に晋州刺史・西道大行台となり、帰朝して御史中尉に転じました。

武定2年（544年）、劉烏黒が徐州方面に侵入してくると、慕容紹宗はこれを撃破して徐州刺史に任ぜられました。劉烏黒が残党を集めて再び侵攻してくると、慕容紹宗は徒党をおびき出し、劉烏黒を捕らえて殺しました。

武定5年（547年）、侯景が反乱を起こすと、慕容紹宗は高澄の命により東南道行台となり、開府を加えられ、燕郡公に転封されました。韓軌らと共に瑕丘に向かい、進軍を図りました。南朝梁の武帝が貞陽侯蕭淵明らに兵十万を率いさせ、寒山に駐屯させ、侯景に協力させました。梁軍は泗水を引いて彭城を水攻めにしました。慕容紹宗は行台として、三徐二兗州諸軍事を指揮し、大都督の高岳らと共に討って出て、梁軍を大破し、蕭淵明やその将帥たちを捕らえ、多くの捕虜を得ました。軍を返して渦陽で侯景を攻撃しました。慕容紹宗は諸将の先頭に立って戦い、大勝を収め、侯景は逃走しました。凱旋すると、永楽県子の別封を受けました。かつて高歓が高澄に残した「侯景がもし反乱を起こしたときは、慕容紹宗をもってこれに当たらせるように」との遺言は、その通りとなり、効果を上げました。

武定6年（548年）8月、慕容紹宗は南道行台となり、太尉の高岳や儀同の劉豊らと共に軍を率いて西魏の王思政を潁川に包囲し、洧水を堰き止めて水攻めにしました。武定7年（549年）4月、慕容紹宗と劉豊が船に乗って視察していたところ、突然暴風が起こり、船は城下に吹き流されました。西魏側に捕らえられそうになり、慕容紹宗は水に身を投げて死亡しました。49歳でした。使持節・都督二青二兗斉済光七州諸軍事・尚書令・太尉・青州刺史の位を追贈され、諡を景恵と贈られました。

子に慕容士粛と慕容三蔵（慕容建中）がいました。慕容士粛は散騎常侍となりましたが、まもなく謀反のために処刑されました。慕容三蔵は慕容紹宗の爵位を継ぎ、儀同三司となりました。隋の開皇年間には、大将軍・畳州総管となりました。

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