日本の数学者の一覧

日本の数学者一覧

この一覧は、日本の数学者を生年順にまとめたものです。各数学者の名前の右肩に「」が付いている場合は、数学者の一覧にも採録されていることを示します。

17世紀生まれの数学者

関孝和（1642?-1708）：和算の大家であり、筆算による代数計算や行列式の導入など、当時の数学に大きな進歩をもたらしました。
建部賢弘（1664-1739）：円周率に関する一連の研究で知られています。

19世紀生まれの数学者

菊池大麓（1855-1917）：東京帝国大学で最初の日本人数学科教授を務め、後に同大学の総長にもなりました。
藤沢利喜太郎（1861-1933）：2人目の数学科教授として、数学教育の発展に貢献し、西欧数学の導入に尽力しました。
林鶴一（1873-1935）：日本初の数学専門誌『東北数学雑誌』を創刊しました。
吉江琢児（1874-1947）：微分方程式論を専門とし、高木貞治とともに日本で最初の数学科出身の数学者です。
高木貞治（1875-1960）：類体論を確立し、近代日本を代表する世界的数学者の一人です。
藤原松三郎（1881-1946）：解析学と数学史を専門とし、世界的に活躍しました。
窪田忠彦（1885-1952）：幾何学を専門としていました。
園正造（1886-1969）：代数学を専門としていました。
小倉金之助（1885-1962）：数学史を専門とする随筆家としても知られています。
掛谷宗一（1886-1947）：連立積分方程式や掛谷の定理で知られています。
吉田洋一（1898-1987）：『零の発見』の著者としても知られています。
末綱恕一（1898-1970）：解析的整数論を専門としていました。

20世紀生まれの数学者

1901年 - 1910年生まれ

岡潔（1901-1978）：多変数複素関数論を専門とし、多くの随筆も残しました。
中村幸四郎（1901-1986）：参考書「チャート式」の著者としても知られ、専門は位相幾何学と数学史でした。
正田建次郎（1902-1977）：抽象代数学を専門とし、上皇后美智子の伯父としても知られています。
功力金二郎（1903-1975）：集合論、位相空間論、関数論（特に複素関数論）を専門としていました。
弥永昌吉（1906-2006）：整数論を専門とし、多くの優れた弟子を育てました。
遠山啓（1909-1979）：「水道方式」と呼ばれる数学教育法を提唱しました。
吉田耕作（1909-1990）：関数解析学を専門としていました。

1911年 - 1920年生まれ

角谷静夫（1911-2004）：関数論などを専門とし、角谷の不動点定理で知られています。
矢野健太郎（1912-1993）：微分幾何学を専門とし、多くの数学専門書や啓蒙書を著しました。
中山正（1912-1964）：環論・表現論を専門とし、中山の補題で知られています。
伊藤清（1915-2008）：確率微分方程式を専門とし、伊藤の補題で知られています。
小平邦彦（1915-1997）：代数幾何学を専門としていました。
岩澤健吉（1917-1998）：整数論を専門とし、岩澤理論を確立しました。
加藤敏夫（1917-1999）：数理物理学を専門とし、加藤の定理で知られています。

1921年 - 1930年生まれ

倉西正武（1924-2021）：複素解析を専門としていました。
井草準一（1924-2013）：代数幾何学と数論を専門としていました。
一松信（1926-）：多くの数学入門書を執筆し、数学検定にも関わっています。専門は関数論です。
鈴木通夫（1926-1998）：群論を専門としていました。
谷山豊（1927-1958）：早逝した数学者で、谷山・志村予想に貢献しました。
永田雅宜（1927-2008）：代数幾何学を専門とし、ヒルベルトの第14問題を否定的に解決しました。
森毅（1928-2010）：エッセイストとしても知られ、数学や教育に関する多くの著作があります。
佐藤幹夫（1928-2023）：佐藤超関数を提唱し、代数解析学を創始しました。
境正一郎（1928-）：作用素環論や数理物理学を専門としています。
久保田富雄（1930-2020）：整数論やp進数を専門としていました。
志村五郎（1930-2019）：整数論を専門とし、谷山・志村予想に貢献しました。

1931年 - 1940年生まれ

広中平祐（1931-）：代数幾何学を専門としています。
荒木不二洋（1932-）：作用素環論、数理物理学、場の量子論の代数的構造論を専門としています。
小林昭七（1932-2012）：複素多様体を専門としていました。
竹崎正道（1933-）：作用素環論を専門としています。
渡辺信三（1935-）：確率論を専門としています。
福島正俊（1935-）：確率解析を専門としています。
森正武（1937-2017）：応用数学や計算法を専門としていました。
伊原康隆（1938-）：整数論を専門としています。
塩浜勝博（1940-）：微分幾何学やリーマン幾何学を専門としています。

1941年 - 1950年生まれ

西田孝明（1941?-）：解析学、特に非線形偏微分方程式論を専門としています。
飯高茂（1942-）：代数幾何学を専門としています。
藤原正彦（1943-）：エッセイストとしても知られ、『国家の品格』の著者です。専門は数論です。
土屋昭博（1943-）：数理物理学や共形場理論を専門としています。
齋藤恭司（1944-）：複素解析学を専門としています。
上野健爾（1945-）：代数幾何学を専門としています。
秋山仁（1946-）：テレビなどでも活躍し、グラフ理論などを専門としています。
小谷眞一（1946-）：確率論、特にランダム・シュレディンガー作用素を専門としています。
森田茂之（1946-）：位相幾何学を専門としています。
柏原正樹（1947-）：代数解析や表現論を専門とし、佐藤幹夫の弟子です。
砂田利一（1948-）：大域解析学を専門としています。
大島利雄（1948-）：代数解析や表現論を専門としています。
宮岡洋一（1949-）：代数幾何学を専門とし、ボゴモロフ・宮岡・ヤウの不等式で知られています。
三輪哲二（1949-）：代数解析学、数理物理学・可積分系を専門としています。
満渕俊樹（1950-）：代数幾何学を専門としています。
石井志保子（1950-）：代数幾何学を専門としています。

1951年 - 1960年生まれ

舟木直久（1951-）：統計力学や確率解析を専門としています。
大沢健夫（1951-）：多変数関数論を専門としています。
森重文（1951-）：代数幾何学を専門としています。
神保道夫（1951-）：代数解析を専門とし、佐藤幹夫の弟子です。
宮岡礼子（1951-）：微分幾何、曲面論を専門としています。
加藤和也（1952-）：整数論を専門としています。
川又雄二郎（1952-）：代数幾何学を専門としています。
肥田晴三（1952-）：数論・代数幾何学を専門としています。
俣野博（1952-）：非線形解析や非線形偏微分方程式を専門としています。
向井茂（1953-）：代数幾何学を専門としています。
ピーター・フランクル（1953-）：組み合わせ論を専門とし、国際数学オリンピックにも関わっています。
楠岡成雄（1954-）：数理ファイナンスを専門としています。
儀我美一（1956?-）：非線形偏微分方程式を専門としています。
岡本久（1956-）：ナヴィエストークス方程式を専門としています。
山口孝男（1956?-）：微分幾何学を専門としています。
寺杣友秀（1958-）：代数幾何学を専門としています。
深谷賢治（1959-）：幾何学を専門としています。
古田幹雄（1960-）：ゲージ理論とトポロジーへの応用を専門としています。

1961年 - 1970年生まれ

斎藤毅（1961-）：数論幾何を専門としています。
小野薫（1962-）：幾何学、特にシンプレクティック幾何学を専門としています。
中島啓（1962-）：複素幾何学や幾何学的表現論を専門としています。
河東泰之（1962-）：作用素環論を専門としています。
小林俊行（1962-）：表現論、局所均質空間、非可換調和解析を専門としています。
小木曽啓示（1963-）：代数幾何学、特に複素代数幾何学を専門としています。
辻井正人（1964-）：力学系理論、特にエルゴード理論を専門としています。
平地健吾（1964-）：CR幾何学、多変数関数論、不変式論を専門としています。
藤原一宏（1964-）：数論幾何学を専門としています。
藤原耕二（1964-）：幾何学、特に幾何学的群論を専門としています。
泉正己（1965-）：作用素環論、関数解析学を専門としています。
大槻知忠（1965-）：トポロジーを専門としています。
辻雄（1967-）：数論幾何学、特にp進ホッジ理論を専門としています。
熊谷隆（1967-）：確率論を専門としています。
荒川知幸（1968-）：表現論、頂点代数を専門としています。
望月新一（1969-）：数論幾何学、宇宙際タイヒミュラー理論を専門としています。

1971年 - 1980年生まれ

望月拓郎（1972-）：微分幾何・代数幾何を専門としています。
伊山修（197x-）：整環の表現論を専門としています。
中西賢次（1974-）：偏微分方程式を専門としています。
小澤登高（1974-）：作用素環論を専門としています。
市野篤史（197x-）：数論保型形式を専門としています。
加藤周（1976-）：幾何学的表現論を専門としています。
緒方芳子（197x-）：数理物理を専門としています。
ブノワ・コリンズ（1977-）：自由確率論や作用素環論を専門とするフランスの数学者です。
入谷寛（1979-）：微分幾何学を専門としています。
* 戸田幸伸（1979-）：代数幾何学を専門としています。


このリストは、日本の数学界の多様性と発展を示すものです。各数学者の研究分野をさらに詳しく調べることで、数学の奥深さをより深く理解することができるでしょう。

もう一度検索