決戦II

『決戦II』：三国志世界を舞台にした、策略と戦闘のシミュレーションゲーム

2001年3月29日、コーエー（現コーエーテクモゲームス）よりPlayStation 2向けに発売されたシミュレーションゲーム『決戦II』は、同社の『決戦シリーズ』の第2作目です。舞台は三国志の世界。プレイヤーは劉備や曹操といった著名な武将、そして彼らを支える個性豊かな家臣たちを操作し、物語を進めていきます。市川染五郎や中山エミリといった著名な俳優・女優が声優やキャラクターデザインモデルとして参加していることも特徴です。

ゲームの目的と進行

ゲームの目的は、劉備または曹操とその配下武将を率いて、様々な敵勢力との戦闘を勝ち抜き、ストーリーをクリアすることです。最初は劉備を主人公としたシナリオのみプレイ可能で、クリア後に曹操を主人公としたシナリオが解放されます。

ゲームは章立てになっており、各章は「評定（自軍の強化）→軍議（作戦立案）→戦闘」という流れで構成されています。評定と軍議では、複数の家臣からの提案が提示され、プレイヤーはその中から最適な選択肢を選び取ります。

史実とフィクションの融合

本作は史実をベースにしていますが、物語や登場人物の設定は大幅に改変されており、妖術といったファンタジー要素も取り入れられています。そのため、シリーズ他作品に比べ、フィクション色が強い作品と言えるでしょう。

ストーリー概要

舞台は漢帝国末期の動乱期。天変地異と各地での反乱により、かつての栄華は失われつつありました。そんな中、徐州の領主である劉備は、曹操にさらわれた恋人・貂蝉を救うため、曹操軍との戦いを挑みます。劉備と曹操、二人の英雄の運命、そして彼らを囲む女性たちの思いが複雑に絡み合う物語が展開します。実は劉備と曹操は兄弟という設定も、この物語の意外な要素となっています。

登場人物

本作には多数の個性的なキャラクターが登場します。ここでは、主要な人物をいくつか紹介します。

劉備軍

劉備：古谷徹さん演じる、優しく平和を愛する領主。曹操にさらわれた貂蝉を救うため戦う。
関羽：堀秀行さん演じる、義に厚く、情に熱い名将。赤兎馬と青竜偃月刀を操る。張飛とは義兄弟。
張飛：玄田哲章さん演じる、勇猛果敢だがおっちょこちょいな豪傑。三人の娘を持つ。
張飛の娘たち（美美、理理、瑠瑠）：前田愛さんが演じる、忍者のような活躍をする三姉妹。
美三娘：小山茉美さん演じる、弓馬に長けた女傑で、劉備たちとは古くからの友人。
趙雲：草尾毅さん演じる、正義感溢れる知勇兼備の将。漢帝国復興を目指す。
諸葛孔明：市川染五郎さん演じる、妖術を使うと噂される軍師。
鳳統：古川登志夫さん演じる、孔明の義兄弟で、妖術を使う軍師。
黄月英：野田順子さん演じる、孔明の妻で発明家。マッドサイエンティスト風な容姿と性格。
その他：魏延、馬超、馬岱、黄忠、法正、厳顔、呉偉、馬謖、姜維、周倉、徐庶など。

曹操軍

曹操：井上真樹夫さん（少年時代は野田順子さん）演じる、野心家で冷酷な一面も持つ総帥。
曹仁、曹洪、曹伯：曹操の親族で、それぞれ異なる個性を持つ。
ヒミコ：佐伯日菜子さん演じる、妖術を使う少女。曹操に仕えている。
荀彧：島本須美さん演じる、曹操軍の女軍師。
夏侯淵：掛川裕彦さん演じる、曹操を支える猛将。
その他：夏侯覇、夏侯惇、虎稚、于禁、東旋風、西旋風、張遼、張興、司馬懿、程昱、郭嘉、典韋、徐晃、登涯、奉徳、李典、楽進、郭昭など。

孫権軍

孫権：森功至さん演じる、江東の独立勢力・呉の総帥。
孫麗：野村恵里さん演じる、孫権の妹。劉備に惹かれ、呉を離れる。
周瑜、太史慈、魯粛、陸遜、甘寧、呂蒙など、呉の個性豊かな武将たちが登場します。

その他

貂蝉：中山エミリさん演じる、劉備の恋人。曹操にさらわれる。
劉璋、張任：益州の武将たち。
蔡文姫：米本千珠さん演じる、妖術を使う女性。
* 帝、孟獲、祝融、兀突骨、朶思大王、木鹿大王など。

音楽

音楽は、小六禮次郎氏が作曲を担当し、モスクワ・インターナショナル・シンフォニック・オーケストラが演奏、コンスタンチン・D・クリメッツ氏が指揮を務めました。イメージソングは井手麻理子さんの「蒼のつづき」です。

まとめ

『決戦II』は、豪華声優陣による迫力ある演技と、史実とフィクションが融合した魅力的なストーリー、そして奥深い戦略性を楽しむことができる、PS2を代表するシミュレーションゲームの一つと言えるでしょう。三国志ファンはもちろん、シミュレーションゲームファンにも強くおすすめしたい作品です。

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