魏該

魏該（ぎ がい）

魏該（生年不詳 - 咸和3年6月15日（328年8月7日））は、中国の晋代に活躍した軍人であり、字は不明です。魏亥とも記されます。本貫は東郡東阿県。

生涯

当初、京兆郡陰盤県に居住していました。永康2年（301年）3月、河間王司馬顒が司馬倫を討伐するために兵を挙げると、魏該は将兵都尉としてこれに従軍しました。永嘉5年（311年）6月、漢軍が洛陽に襲来した際には、族父の魏浚に従って救援に赴き、漢軍に先んじて金墉城（洛陽城の東北）を守備しました。このおかげで金墉城は戦禍を免れ、洛陽陥落後には多くの民が魏該を頼りました。

同月、弘農郡太守杜尹（杜預の子）が一泉塢に駐屯していましたが、賊党による略奪に苦しんでおり、魏該に救援を要請しました。魏該は配下の馬瞻に300人を与えて救援に向かわせましたが、馬瞻は杜尹の防備が手薄なのを見ると、夜襲を仕掛けて杜尹を殺害し、魏該を迎え入れて一泉塢に拠らせました。塢の人々は恐れ、魏該に従いました。

同月、太尉荀藩が密県に行台（臨時政府）を立てると、魏該は武威将軍に任じられ、城西にいる雍州・涼州の兵を率いて、漢の中山王劉曜の討伐を命じられました。魏該は滎陽郡太守李矩や河内郡太守郭黙らと結託し、漢軍の侵攻を阻みました。

建興元年（313年）12月、魏浚が劉曜に敗れて殺害されると、魏該がその勢力を引き継ぎました。劉曜が李矩を攻撃した際には、魏該はこれを救援して漢軍を撃破しました。建興2年（314年）6月、李矩が漢軍に包囲されていた郭黙を迎え入れた際、魏該は軍を派遣してこれを助けました。また、河南尹任愔とも結託しました。

時期は不明ですが、琅邪王司馬睿（後の元帝）の承制により、冠軍将軍・河東郡太守に任じられ、河東・河南・平陽の三郡において督護となりました。

大興2年（319年）4月頃、漢軍より幾度も攻勢を受け、兵は飢えと疲弊し、魏該は兵を率いて南へ逃れようと考えましたが、配下の将兵に拒否されたため、単騎で南陽に逃れました。その後、元帝（司馬睿）により前鋒都督・平北将軍・雍州刺史に任じられました。馬瞻は魏該の旧臣を率いて劉曜に降伏しましたが、劉曜の徴発は厳しく、馬瞻もまた傲慢・暴虐だったため、部下の将兵は使者を派遣して魏該を密かに招き入れ、馬瞻を殺害して再び魏該の傘下に入りました。魏該は兵を率いて新野に移り、梁州刺史周訪を補佐して杜曾の乱鎮圧に貢献しました。その功績により順陽郡太守に任じられました。

永昌元年（322年）1月、王敦が反乱を起こすと、梁州刺史甘卓は魏該に使者を派遣してこの事について尋ねました。魏該は「我々が賊を討つのは、ただ国に忠を尽くしているからだ。今、王公（王敦）は天子に向けて兵を挙げたのだ。我が手を貸す事はない」と言い放ち、甘卓はこれに応じて王敦の要請を断りました。

咸和元年（326年）10月、後趙の将軍黄秀・帛成が酇城を攻撃すると、魏該は民を率いて襄陽に逃れました。時期は不明ですが、雍州刺史に任じられています。咸和2年（327年）12月、冠軍将軍蘇峻が乱を起こすと、魏該は建康救援の兵を挙げました。咸和3年（328年）5月、石頭城に進軍し、荊州刺史陶侃の傘下に入りました。しかし、蘇峻を平定する前に病が重くなり、襄陽に帰還することとなり、6月に道中で没しました。遺体は武陵に葬られ、甥の魏雄がその勢力を引き継ぎました。

魏該は、西晋末から東晋にかけての混乱期において、その軍事力と人望によって各地を転戦し、民を守り、晋朝を支えた人物として評価されています。

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