1977年の相撲

1977年の大相撲

1977年の大相撲は、激動の1年であった。年間最多勝は北の湖、年間最優秀力士賞は輪島が獲得した一方で、多くの力士の引退や親方の死去など、相撲界にとって大きな変化の年でもあった。

大相撲の主な出来事

1977年の大相撲では、以下のような出来事があった。

1月場所
1月9日、1月場所初日。入場料が17.7%値上げされた。
1月16日、1月場所8日目に皇太子一家が観戦。
1月26日、3月場所の番付編成会議で、若三杉壽人の大関昇進、魁傑將晃の大関復帰が決定。
元関脇栃東が引退し、年寄玉ノ井を襲名。
2月
2月10日～11日、第1回日本大相撲トーナメントが行われ、北の湖が優勝。
3月
3月4日、不知火親方（元前頭筆頭八方山）が59歳で死去。
3月20日、3月場所8日目に伊勢ヶ濱親方（元横綱照國）が理事会出席後、心筋梗塞で58歳で死去。
3月28日、千賀ノ浦親方（元大関栃光）が43歳で死去。
4月
4月7日、元大関清国（楯山）が伊勢ヶ濱部屋を継承。
5月
5月15日、5月場所8日目に昭和天皇、皇后が観戦。
5月15日、元大関大受が引退し、年寄楯山を襲名。
元前頭4枚目白田山が引退し、年寄谷川を襲名。
6月
6月12日、力士運動会が11年ぶりに日本大学グラウンドで開催。
7月
7月17日、大相撲7月場所千秋楽。三賞受賞者が鷲羽山（技能賞）1人のみとなり、三賞制度が制定以来初の出来事となった。
夏巡業が6年ぶりに2班編成で行われた。
9月
9月2日、元関脇信夫山が52歳で死去。
9月22日、9月場所12日目で大関魁傑が負け越し、2度目の大関陥落が決定。
9月26日、理事会で23代式守伊之助が27代木村庄之助に、木村正直が24代式守伊之助に昇格が決定。
10月
10月29日、九重親方（元横綱千代の山）が51歳で死去。
10月31日、新九重部屋が誕生。井筒（元横綱北の富士）が九重を襲名し、北瀬海ら11人が移り合併。
11月
力士褒賞金が50%上げられた。金星は15円に。行司の定員が45人以内から40人以内に減らされ、床山は35人から40人以内に増やされた。行司、床山の採用年齢が18歳から19歳に引き上げられた。
1[[1月26日]]、宮城野親方（元横綱吉葉山）が57歳で死去。
12月
12月1日、元小結廣川の東関が宮城野部屋を継承。
君ヶ濱（元鶴ヶ嶺）が井筒に名跡変更。井筒部屋が時津風一門に復帰。

本場所の結果

一月場所（蔵前国技館）
幕内最高優勝：輪島大士（13勝2敗、10回目）
殊勲賞：若三杉、敢闘賞：魁傑
十両優勝：琴ヶ嶽綱一（10勝5敗）
三月場所（大阪府立体育館）
幕内最高優勝：北の湖敏満（15戦全勝、8回目）
敢闘賞：金城、技能賞：北瀬海
十両優勝：琴乃富士太喜（14勝1敗）
五月場所（蔵前国技館）
幕内最高優勝：若三杉寿人（13勝2敗、初）
殊勲賞：黒姫山、敢闘賞：栃赤城、技能賞：鷲羽山
十両優勝：出羽の花義貴（11勝4敗）
七月場所（愛知県体育館）
幕内最高優勝：輪島大士（15戦全勝、11回目）
技能賞：鷲羽山
十両優勝：大錦一徹（11勝4敗）
九月場所（蔵前国技館）
幕内最高優勝：北の湖敏満（15戦全勝、9回目）
殊勲賞：高見山、敢闘賞：豊山、技能賞：荒瀬
十両優勝：千代櫻輝夫（11勝4敗）
十一月場所（九電記念体育館）
幕内最高優勝：輪島大士（14勝1敗、12回目）
殊勲賞：琴風、敢闘賞：隆ノ里、技能賞：大潮
十両優勝：玉輝山正則（11勝4敗）
年間最優秀力士賞：輪島大士（75勝15敗）
年間最多勝：北の湖敏満（80勝10敗）

誕生した力士

1977年には多くの力士が誕生した。以下に主な力士を記載する。

1月16日 - 大真鶴健司（最高位：前頭16枚目）
4月17日 - 木村千鷲（十両格行司）
5月26日 - 芳東洋（現役力士）
6月14日 - 栃不動周二（最高位：十両12枚目）
6月15日 - 若兎馬裕三（最高位：前頭11枚目）
6月17日 - 悟（十両呼出）
6月18日 - 琉鵬正吉（最高位：前頭16枚目）
7月1日 - 春日王克昌（最高位：前頭3枚目）
7月10日 - 鳥羽の山喜充（最高位：前頭13枚目）
7月28日 - 雅山哲士（最高位：大関）
8月25日 - 琴春日桂吾（最高位：前頭7枚目）
9月13日 - 床武（一等床山）
9月15日 - 玉乃島新（最高位：関脇）
9月21日 - 床桑（一等床山）
10月18日 - 若天狼啓介（最高位：十両2枚目）
10月22日 - 皇牙篤（最高位：十両6枚目）
10月31日 - 北勝力英樹（最高位：関脇）
12月14日 - 旭南海丈一郎（最高位：前頭16枚目）
12月10日 - 木村吉二郎（十両格行司）
12月21日 - 須磨ノ富士茂雄（最高位：十両9枚目）
12月25日 - 木村勘九郎（十両格行司）

物故者

1977年には多くの関係者が亡くなった。以下に主な人物を記載する。

1月5日 - 竹旺山友久（最高位：前頭16枚目）
3月4日 - 八方山主計（最高位：前頭筆頭、年寄：不知火）
3月20日 - 照國萬藏（第38代横綱、年寄：伊勢ヶ濱）
3月28日 - 栃光正之（最高位：大関、年寄：千賀ノ浦）
4月18日 - 黒瀬川進（最高位：十両5枚目）
4月19日 - 一乃矢藤太郎（最高位：前頭4枚目）
4月22日 - 梅錦寅之介（最高位：前頭20枚目）
5月4日 - 土州山好一郎（最高位：前頭4枚目）
6月8日 - 起雲山世志介（最高位：前頭19枚目）
9月2日 - 信夫山治貞（最高位：関脇）
10月29日 - 千代の山雅信（第41代横綱、年寄：九重）
1[[1月26日]] - 吉葉山潤之輔（第43代横綱、年寄：宮城野）

その他

* 9月、増位山太志郎のシングル「そんな女のひとりごと」が発売。ロングセラーとなり、力士出身の歌手として歴代最高の累計130万枚を記録した。


1977年は、大相撲界にとって多くの出来事があった一年だった。特に、輪島と北の湖の活躍、そして多くの関係者の死去は、相撲ファンにとって忘れられない出来事となった。

もう一度検索