ケーペウス

ギリシア神話におけるケーペウス

ギリシア神話には、ケーペウスという名前を持つ人物が複数登場します。これらの人物はそれぞれ異なる物語を持ち、神話の中で重要な役割を果たしています。ここでは、特に主要な3人のケーペウスについて詳しく解説します。

1. アイティオピア王ケーペウス

このケーペウスは、エジプト王ベーロスと河神ネイロスの娘アンキノエーの子で、アイギュプトス、ダナオス、ピーネウスと兄弟にあたります。彼はアイティオピアの王であり、カッシオペイアの夫、そしてアンドロメダーの父として知られています。

アンドロメダーの悲劇

カッシオペイアが自身の美しさを自慢したことが原因で、ネーレーイスたちの怒りを買い、アンドロメダーは海の怪物への生贄として捧げられることになりました。しかし、ペルセウスがアイティオピアを通りかかった際、アンドロメダーを救い出し、彼女と結婚しました。

ペルセウスとの対立

ヒュギーヌスによると、ケーペウスはペルセウスがアンドロメダーを連れ去ろうとした際、求婚者アゲーノールと共謀してペルセウスを殺害しようとしたとされています。しかし、ペルセウスの持つゴルゴーンの首の力によって、ケーペウスは石に変えられてしまいました。

その他の伝承

また、ケーペウスはポイニーケーの王であり、イオペーを妻としたという説も存在します。彼の物語は、後にアテーナーによって天に上げられ、ケフェウス座となったとされています。

2. アレオスの子ケーペウス

このケーペウスは、アルカディア地方の都市テゲアーの王アレオスとネアイラの子であり、アウゲー、リュクールゴス、ヒッポトオスと兄弟です。彼は20人の息子と1女ステロペーの父であり、アルゴナウタイの一人とも言われています。

ヘーラクレースとの対立

ヘーラクレースがスパルタのヒッポコオーンを攻める際、テゲアーに立ち寄り、ケーペウスに軍勢への参加を求めました。しかし、ケーペウスは隣国アルゴスの侵略を恐れてこれを拒否しました。ヘーラクレースはアテーナーからゴルゴーンの蛇の頭髪を授かり、ステロペーに与え、これによりケーペウスは20人の息子たちと共に戦争に参加することとなりました。

戦死

ケーペウスと20人の息子たちはこの戦争で戦死してしまいました。一説によると、ケーペウスとヒッポトオスはヘーラクレースとアウゲーの子テーレポスによって殺害されたとされ、その悲しみから母ネアイラは自殺したと伝えられています。

3. リュクールゴスの子ケーペウス

このケーペウスは、リュクールゴス（アレオスの子）の子で、アンカイオスと兄弟です。彼はカリュドーンの猪狩りに参加しましたが、アンカイオスや他の数名と共に、アタランテーとの狩りを拒否したとされています。このケーペウスは、上記2番目のケーペウスと同一人物である可能性も指摘されています。

まとめ

ケーペウスという名前を持つ人物は、ギリシア神話の中で複数の異なる物語に登場し、それぞれの物語で重要な役割を果たしています。これらの物語は、古代ギリシアの人々の価値観や世界観を反映しており、神話研究において非常に興味深いテーマを提供しています。

参考文献

• - アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫（1953年）
• - ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』松田治・青山照男訳、講談社学術文庫（2005年）
• - 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店（1960年）

関連項目

• - ケフェウス座

外部リンク

• - エラトステネスの星座物語 15. ケフェウス座

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