ジム・ブランゼル

"ジャンピング" ジム・ブランゼル：華麗なる跳躍でファンを魅了した名レスラー

ジム・ブランゼル（James Brunzell, 1949年8月13日 - ）は、アメリカ合衆国出身の元プロレスラーです。その甘いマスクと、跳躍力を活かしたダイナミックなファイトスタイルで、AWAを中心にNWAやWWFといった主要団体で活躍しました。特に、その跳躍力を活かしたドロップキックは「ジャンピング」の異名を持つ彼を象徴する得意技でした。

若き日の活躍と国際プロレス参戦

ブランゼルは、学生時代にハイジャンプやアメリカンフットボールで才能を発揮。1972年12月に地元ミネソタのAWAでプロレスラーとしてデビューしました。その後、NWAセントラル・ステーツ地区でマイク・ジョージとのコンビで売り出され、1973年にはNWA世界タッグ王座を獲得。若手ながらその実力を発揮しました。

1974年3月には国際プロレスに初来日。ラッシャー木村&グレート草津組とのIWA世界タッグ王座戦では、金網デスマッチにも出場。普段はベビーフェイスである彼がデスマッチで奮闘する姿は、日本のファンに強い印象を与えました。

ハイ・フライヤーズでの成功

1976年、AWAでバーン・ガニアの息子グレッグ・ガニアと「ハイ・フライヤーズ」を結成。1977年にはAWA世界タッグ王座を獲得し、長期政権を築きました。ジミー・バリアント&ジョニー・バリアント、スーパー・デストロイヤー&アンジェロ・モスカ、レイ・スティーブンス&パット・パターソンといった強豪チームを相手に防衛を重ねましたが、1978年にブランゼルの負傷により王座を剥奪されました。

NWAミッドアトランティック地区での活躍と全日本プロレス参戦

1979年、ブランゼルはNWAミッドアトランティック地区に参戦。リッキー・スティムボートやポール・オーンドーフらと共闘し、ハーリー・レイスのNWA世界ヘビー級王座にも挑戦しました。また、NWAミッドアトランティック・ヘビー級王座も獲得しています。

1980年には、全日本プロレスの世界最強タッグ決定リーグ戦にニック・ボックウィンクルのパートナーとして出場。日本のファンにもその健在ぶりをアピールしました。

AWA世界タッグ王座返り咲きと全日本プロレス再来日

1981年、ブランゼルはAWAでグレッグ・ガニアとのハイ・フライヤーズを再結成し、AWA世界タッグ王座に返り咲きました。ジェリー・ブラックウェル&シーク・アドナン・アル＝ケイシー、ブラック&ブルー・エクスプレスといったチームを相手に、2年間に渡って王座を保持。ボックウィンクルが保持していたAWA世界ヘビー級王座にも再三挑戦しました。

1982年5月にはハイ・フライヤーズとして全日本プロレスに参戦。リック・スティムボート&大仁田厚組を相手にAWA世界タッグ王座を防衛しています。1984年4月にも全日本に再来日し、PWF世界タッグ王座の決定リーグ戦に参加。ジャンボ鶴田のAWA世界ヘビー級王座にも挑戦しました。

WWFでのキラー・ビーズ結成

1985年、ブランゼルはAWAを離れWWFと契約。ブライアン・ブレアーとのタッグチーム「キラー・ビーズ」を結成し、覆面を被りマスクマンのコンビに変身することも。ハート・ファウンデーションやファンク・ファミリーといったチームと抗争しましたが、タイトル獲得には至りませんでした。

その後

WWF離脱後は、UWFなどを転戦。全日本プロレスへの参戦も再開し、1989年と1991年に来日。1990年から1993年にかけてはWWFに再出場し、1994年にはインディー団体AWFにスペシャル・ゲスト・レフェリーとして登場しました。

得意技と獲得タイトル

ブランゼルの得意技は、代名詞とも言えるドロップキック、そしてフィギュア・フォー・レッグロックです。

主な獲得タイトルは以下の通りです。

セントラル・ステーツ・レスリング
NWA世界タッグ王座：2回（w / マイク・ジョージ）
アメリカン・レスリング・アソシエーション
AWA世界タッグ王座：2回（w / グレッグ・ガニア）
ミッドアトランティック・チャンピオンシップ・レスリング
NWAミッドアトランティック・ヘビー級王座：2回
インディー団体
UWF世界タッグ王座：1回（w / ブライアン・ブレアー）
* WFWAカナディアン・ヘビー級王座：1回

その華麗な跳躍と甘いマスクで、多くのファンを魅了したジム・ブランゼル。彼の残した功績は、プロレス史に深く刻まれています。

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