中村滋 (外交官)

中村滋

中村滋（なかむら しげる、1948年12月24日 - 2020年12月22日）は、日本の外交官であり、その卓越したキャリアを通じて国際社会における日本の存在感と影響力を高めることに尽力しました。

人物

一橋大学法学部を卒業後、外務省に入省。経済協力と北米関連の業務を中心にキャリアを重ねました。1993年にはアジア局北東アジア課長に就任し、朝鮮半島情勢に深く関与。1994年には、北朝鮮への戦域ミサイル防衛（TMD）配備に関する議論において、憲法の範囲内での適切な対応策を求めるなど、その見識の高さを示しました。

2004年には外務省国際情報局長に就任し、皇太子徳仁親王（当時）及び皇太子妃雅子（当時）に国際情勢に関する進講を行うなど、皇室からの信頼も厚かったことがうかがえます。2009年からは国際貿易・経済担当特命全権大使として、アジア太平洋経済協力（APEC）高級実務者会合の議長を務め、国際経済における日本の役割を強化しました。

経歴

1948年：東京都に生まれる。
1966年：AFSプログラムでアメリカ合衆国コネチカット州に留学。
1973年：一橋大学法学部を卒業後、外務省に入省。
1974年：オックスフォード大学に留学。
1976年：オックスフォード大学大学院修了（政治・経済学修士）。
1981年：在パキスタン日本国大使館一等書記官。
1985年：経済協力局有償資金協力課首席事務官。
1987年：在アメリカ合衆国日本国大使館一等書記官・政務参事官。
1990年：在アメリカ合衆国日本国大使館参事官。
1991年：経済協力局無償資金協力課長。
1993年：アジア局北東アジア課長。
1995年：経済協力局政策課長。
1996年：外務大臣官房会計課長。
1998年：在連合王国日本国大使館総括公使 兼 ロンドン総領事。
2002年：サンフランシスコ総領事。
2004年：特命全権大使（イラク復興支援調整担当）。
2004年：外務省国際情報局長。
2004年：外務省国際情報統括官。
2006年：駐サウジアラビア特命全権大使。
2009年：特命全権大使（国際貿易・経済担当） 兼 日本政府代表（湾岸協力理事会との自由貿易協定交渉に参加）、アジア太平洋経済協力高級実務者会合議長。
2011年：駐マレーシア特命全権大使。
2014年：外務省を退官、東京大学公共政策大学院客員教授。
2015年: 東京都公安委員会委員
2016年：外務省参与、一橋大学国際・公共政策大学院非常勤講師、公益社団法人日本マレーシア協会顧問。

同期

中村氏と同期入省の外交官には、以下のような人物がいます。

河野雅治（元駐イタリア大使、元駐ロシア大使、元外務審議官、元総合外交政策局長）
塩尻孝二郎（元EU大使、元駐インドネシア大使、元外務省大臣官房長）
天野万利（元OECD事務次長）
塩崎修（元駐ホンジュラス大使）
坂場三男（元駐ベトナム大使、元外務報道官、元中南米局長）
伊藤哲雄（元駐ハンガリー大使、元駐カザフスタン大使）
加来至誠（元駐ホンジュラス大使、元駐エルサルバドル大使）
杉本信行（元上海総領事）
鈴木一泉（元駐コロンビア大使）
並木芳治（元駐コスタリカ大使）
岩谷滋雄（元駐オーストリア大使、元駐ケニア大使）
鹿取克章（元駐イスラエル大使、元外務報道官、元領事局長）
黒田義久（元駐ウズベキスタン大使）
塩口哲朗（元駐ベネズエラ大使、元駐ヨルダン大使、元国際協力銀行理事、元駐コートジボワール大使）
水野達夫（元駐ネパール大使）
堀江正彦（元駐マレーシア大使、元駐カタール大使）
神谷武（元駐パラグアイ大使、元駐アルジェリア大使）
岡田眞樹（元駐タンザニア大使、元農畜産業振興機構理事）
小林正雄（元駐ガボン大使、元官房調査官）
佐藤博史（元駐キューバ大使）
川原英一（元駐グアテマラ大使）
吉田潤（元駐モーリタニア大使）

論文等

「2005年の世界情勢と日本」（世界経済評論49（4）（通号596）、2005年4月）
「総領事館ほっとライン（7）（サンフランシスコ）日系人社会にエールを送る」（世界週報84（48）（通号4127）、2003年12月23日 ）

脚注

外部リンク

* サウジアラビア、サルマン王制の光と影 - 2016年10月14日

もう一度検索