中院通成

中院通成

中院通成（なかのいん みちなり）は、鎌倉時代前期から中期にかけての公卿であり、中院家（または三条坊門家）の二代当主として知られています。父は大納言を務めた源通方で、官位は正二位・内大臣にまで昇りました。

生涯

貞応元年（1222年）に源通方の子として誕生。母は権中納言・一条能保の娘であり、彼女の姉妹には、九条良経の正室（東一条院の母）、西園寺公経の正室（実氏・掄子の母）、花山院忠経の正室（忠頼・定雅の母）がいます。このように、母方の親族関係は非常に有力でした。

通成の娘である中院顕子は西園寺実兼の正室となり、公衡、鏱子、今出川公顕らを産みました。また、別の娘は三条実重の正室となり公茂を産んでいます。そして、中院房子も娘の一人です。通成の子である通頼と通教は、宇都宮頼綱の娘を妻としています。

父の通方は大納言に留まりましたが、通成は姻戚関係などに恵まれ、大臣家としての中院家の事実上の始祖となりました。これは、彼の家系が朝廷内で重要な地位を占めるようになったことを意味します。

文永7年（1270年）12月13日に出家し、弘安9年（1286年）12月23日に薨去しました。

官歴

以下は、『公卿補任』と『尊卑分脈』に記載された通成の官歴です。

嘉禄元年（1225年）1月5日：叙爵。
安貞元年（1227年）1月21日：侍従。
安貞2年（1228年）1月5日：従五位上。
寛喜2年（1230年）1月6日：正五位下に昇叙。1月29日：兼周防介。
貞永元年（1232年）1月30日：左少将。
天福元年（1233年）1月6日：従四位下。左少将如元。1月24日：兼美濃介。
嘉禎元年（1235年）6月17日：兼皇后宮権亮。11月19日：従四位上。
嘉禎2年（1236年）6月13日：左中将。
嘉禎3年（1237年）7月24日：正四位下。
仁治3年（1242年）3月7日：兼美濃介、蔵人頭。4月9日：従三位。左中将如元。
寛元元年（1243年）閏7月27日：参議。左中将如元。8月7日：兼中宮権大夫。10月15日：兼右衛門督、検非違使別当。
寛元2年（1244年）1月13日：兼備後権守。
寛元3年（1245年）1月5日：正三位。
宝治元年（1247年）12月8日：権中納言。検非違使別当を辞任、右衛門督如元。
建長元年（1249年）1月5日：従二位。
建長3年（1251年）1月22日：左衛門督に転じる。
建長4年（1252年）11月13日：権大納言。
建長6年（1254年）1月5日：正二位。
文応元年（1260年）：淳和奨学両院別当となる。
文永2年（1265年）10月5日：大納言に転じる。
文永6年（1269年）3月28日：任大臣の兼宣旨が下り、4月23日：内大臣。11月9日：内大臣を辞任。
文永7年（1270年）12月13日：出家。
弘安9年（1286年）12月23日：薨去。

系譜

父：中院通方
母：一条能保娘
妻：宇都宮頼綱娘
男子：中院通頼（1242-1312）
次男：中院通教（1246-?）
生母不明の子女
男子：禅助
女子：顕子 - 西園寺実兼正室
女子：房子
女子：三条実重正室
養子
女子：大炊御門冬忠室? - 筑前守藤原長宗の娘?

参考文献

『公卿補任』（新訂増補国史大系）吉川弘文館
『尊卑分脈』（新訂増補国史大系）吉川弘文館
『増鏡』井上宗雄訳注、講談社学術文庫全3巻
『日本古典文学大系 神皇正統記 増鏡』木藤才蔵・時枝誠記校注、岩波書店
岡野友彦『中世久我家と久我家領荘園』 続群書類従完成会

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