坂合部唐

坂合部 唐

坂合部 唐（さかいべ の もろこし/から）は、飛鳥時代に活躍した貴族で、宿禰という姓を持つ人物です。彼は官位において正五位下に任じられ、その地位は貴族社会において高いものでした。

出自について

坂合部宿禰氏は『新撰姓氏録』の「左京神別」において、天火明命の八世孫である邇倍足尼の子孫とされています。また、彼の氏名は、允恭天皇の時代に国境に標を立てたことに由来し、「坂合部連」としての名を受けました。この氏名には、允恭天皇の皇子である坂合黒彦皇子の名代または子代だったという説もあります。

坂合部の氏は最初は「連」姓でしたが、天武天皇13年（684年）に「八色の姓」が制定され、その年の12月に宿禰姓が与えられました。この他にも、彼の一族は「摂津国皇別」で大彦命の子孫とも考えられています。また、同時期には蘇我氏の分家である境部臣の一族も存在し、広範な血縁関係を持っていました。

経歴

坂合部 唐の具体的な経歴は『続日本紀』に記録されており、文武天皇4年（700年）に刑部親王などと共に大宝律令の撰定作業に参加しました。この貢献により、白猪史骨や土師宿禰甥と共に禄を与えられることになりますが、この時点での彼の位階は「勤大肆」（従六位下に相当）でした。

また、坂合部 唐に関する情報では、彼が慶雲元年（704年）以前に亡くなったことも分かっています。同年7月に、彼の死後に正五位下が贈与されたことにより、彼の地位が改めて称えられました。

脚注

坂合部 唐に関する詳細な情報は、以下の参考文献に記載されています。
1. 『日本書紀』(五)、岩波文庫、1995年
2. 『日本書紀』全現代語訳(下）、講談社学術文庫、宇治谷孟：訳、1988年
3. 『続日本紀』1・5 新日本古典文学大系12・16 岩波書店、1989年・1998年
4. 『続日本紀』全現代語訳(上)・（下）、講談社学術文庫、宇治谷孟：訳、1992年
5. 『コンサイス日本人名辞典 改訂新版』p552（三省堂、1993年）
6. 『日本の歴史3 奈良の都』、青木和夫：著、中央公論社、1965年

関連項目

大宝律令
刑部親王
藤原不比等
粟田真人
下毛野古麻呂
伊吉博徳
伊余部馬養
薩弘恪
土師甥
白猪骨
黄文備
田辺百枝
道首名
狭井尺麻呂
守部大隅
額田部林
田辺首名
山口大麻呂
* 調老人

坂合部 唐はその存在が飛鳥時代の歴史に多大な影響を与えた貴族の一人であり、彼の功績は現代にも語り継がれています。

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