山口県第1区 (中選挙区)

山口県第1区は、1947年の第23回衆議院議員総選挙から設置され、小選挙区比例代表並立制導入に伴い1993年に廃止された衆議院の選挙区です。本区は、山口県の西部、おおむね旧長門国に相当する地域を охватывал. 定数は一貫して4でした。

概要

長きにわたり、以下の有力議員が議席を分け合う状況が続いていました。

安倍晋太郎（元外務大臣）とその息子である安倍晋三（元首相）
林義郎（元大蔵大臣）
田中龍夫（元山口県知事）とその跡を継いだ河村建夫（元官房長官）

上記の自民党公認の3名が4議席のうち3つを占め、残る1議席を社会党などの野党が獲得するという構図が定着していました。

小選挙区比例代表並立制導入後は、山口3区と山口4区に分割されました（実質的に定員が2名減少）。林義郎が比例中国ブロックに転出したため、3区を河村建夫、4区を安倍晋三がそれぞれ地盤を継承し、両区とも安定した状況が続きました。2021年には河村建夫が引退し、参議院から鞍替えした林芳正（林義郎の長男で外務大臣）が3区から当選しています。

区域

第40回衆議院議員総選挙時点での区域は以下の通りです。

下関市
宇部市
萩市
小野田市
長門市
美祢市
厚狭郡
豊浦郡
美祢郡
大津郡
阿武郡

1950年（昭和25年）の公職選挙法施行当初の区域は以下の通りです（定数4）。

下関市
宇部市
萩市
小野田市
厚狭郡
豊浦郡
美祢郡
大津郡
阿武郡

興味深い点として、山口県第1区は、県庁所在地である山口市を含まない唯一の「第1区」でした。1950年の公職選挙法制定時に同法別表で設定された区割りは、1925年の衆議院議員選挙法改正によって第16回総選挙（1928年）から第21回総選挙（1942年）まで使用された区割りをほぼそのまま踏襲しています。1925年当時、山口県内で市制を施行していたのは下関市と宇部市のみであり、県庁所在地の山口町（後の山口市）が市に昇格したのは第16回総選挙後の1929年であったことが、この状況を生んだ要因です。

選挙結果

過去の選挙結果については、原文に記載の通りです。各選挙における有権者数と投票率の推移から、時代の変遷と選挙への関心の変化を読み取ることができます。

第40回衆議院議員総選挙（1993年（平成5年）7月18日執行）
第39回衆議院議員総選挙（1990年（平成2年）2月18日執行）
第38回衆議院議員総選挙（1986年（昭和61年）7月6日執行）
第37回衆議院議員総選挙（1983年（昭和58年）12月18日執行）
第36回衆議院議員総選挙（1980年（昭和55年）6月22日執行）
第35回衆議院議員総選挙（1979年（昭和54年）10月7日執行）
第34回衆議院議員総選挙（1976年（昭和51年）12月5日執行）
第33回衆議院議員総選挙（1972年（昭和47年）12月10日執行）
第32回衆議院議員総選挙（1969年（昭和44年）12月27日執行）
第31回衆議院議員総選挙（1967年（昭和42年）1月29日執行）
第30回衆議院議員総選挙（1963年（昭和38年）11月21日執行）
第29回衆議院議員総選挙（1960年（昭和35年）11月20日執行）
第28回衆議院議員総選挙（1958年（昭和33年）5月22日執行）
第27回衆議院議員総選挙（1955年（昭和30年）2月27日執行）
第26回衆議院議員総選挙（1953年（昭和28年）4月19日執行）
第25回衆議院議員総選挙（1952年（昭和27年）10月1日執行）
第24回衆議院議員総選挙（1949年（昭和24年）1月23日執行）
第23回衆議院議員総選挙（1947年（昭和22年）4月25日執行）

関連項目

衆議院選挙区一覧 (1947-1993)

もう一度検索