日本合唱協会

日本合唱協会（にほんがっしょうきょうかい）

日本合唱協会は、1963年に東京混声合唱団（東混）から独立した21名の声楽家によって設立された、日本のプロフェッショナルな混声合唱団です。略称は「日唱（にっしょう）」です。

概要

東混が大規模な編成で幅広いレパートリーを演奏するのに対し、日本合唱協会は少数精鋭による精緻なハーモニーを追求する「混声室内合唱団」という独自のコンセプトを掲げています。創立時の公演では、三善晃の委嘱作品「小さな目」などを指揮者なしで演奏し、その特徴を明確に示しました。初代音楽監督には石丸寛、常任指揮者には若杉弘が就任しました。

1964年には、TBSの委嘱により高田三郎の「水のいのち」を山田一雄の指揮で初演。1965年から1991年まで山田一雄が音楽監督を務め、その間、秋山和慶、小泉ひろし、増田順平が常任指揮者を、北原幸男が首席指揮者を務めました。また、森正、畑中良輔、皆川達夫、山本直純、片野秀俊など、多くの著名な指揮者が客演として参加しています。

日本合唱協会は、文化庁芸術祭で高く評価された公演や放送演奏を数多く行い、設立当初から邦人作品の委嘱・初演に力を入れてきました。特に萩原英彦の合唱作品を数多く初演しており、その功績は大きいと言えるでしょう。

受賞歴

日本合唱協会は、数々の賞を受賞しています。

1964年：高田三郎「水のいのち」放送初演に対し、第19回文化庁芸術祭奨励賞
1966年：三善晃合唱作品の夕べ（第11回定期）に対し、第21回文化庁芸術祭奨励賞
1968年：團伊玖磨・谷川俊太郎「混声合唱のためのディヴェルテイメント」放送初演に対し、第23回文化庁芸術祭芸術祭賞
1969年：間宮芳生合唱作品の夕べ（第31回定期）に対し、第24回芸術祭優秀賞
1977年：林光合唱作品の夕べ-鼠たちの伝説-（第41回定期）に対し、第32回芸術祭優秀賞

など、多数の受賞歴があります。

2014年には、「室内合唱団 日唱」に名称変更し、「日本合唱協会」は一般社団法人の名称となりました。

主な初演作品

日本合唱協会は、数多くの合唱作品を初演しています。以下に主な作品を記します。

池辺晋一郎 - 古代の樂
石井歓 - 暗礁
大中恩 - 煉瓦色の街
北爪道夫 - 万葉の歌／万葉のうたII
国枝春恵 - 2つの子どもの歌／オード
小鍛冶邦隆 - マドリガル I ――或いは愛の寓意／音楽の日差し（高嶋みどりとの連作）／アンティフォナ・インメモリアル・カズオヤマダ
小山清茂 - 天地創成
清水脩 - 夜の二人／歌碑／飢えたる者よ
菅野浩和 - アトモスフェール
助川敏弥 - 詠歌
高嶋みどり - 愛のプロローグ／青春の十字架／音楽の日差し（小鍛冶邦隆との連作）
高田三郎 - 水のいのち／橋上の人／草いきれ
田中利光 - 古代讃歌
團伊玖磨 - ディヴェルティメント
千原英喜 - 歌垣／3つのアイヌのうた（のち「北からのうたごえ」に改題）
長沢勝俊 - 愛の架け橋
中田喜直 - 蝶（東京放送合唱団との合同）／五月の朝の少女のうた
新実徳英 - 光の幻想
萩原英彦 - 光る砂漠／白い木馬／四つの小品（混声版）／三つの祈りの歌／さすらう魂の歌／動物たちのコラール（第1集〜第3集）／星の生れる夜／白秋の詩による三つの楽想
長谷川良夫 - 挽歌／高原の馬
服部公一 - 唐桑の海／北国の秋の物語／貴女のための五つのリズム
林光 - 四つの夕暮の歌（合唱版）／JAPAN／鼠たちの伝説（ステージ初演）
平井康三郎 - 3つの九州民謡／交声曲「くじらの結婚」
平吉毅州 - 夢
別宮貞雄 - 山の四季（東京放送合唱団との合同）
間宮芳生 - 12のインヴェンション／Etudes for Chorus（I・IIのみ）
三木稔 - はばたきの歌／我鬼／相聞II
三善晃 - 小さな目／四季に／おてわんみその歌／三つの海の歌／動物詩集（混声版）
諸井誠 - 花札伝綺／源氏物語抄「源氏四季の風」より
柳田孝義 - 琉歌悲抄
湯山昭 - 歌とタオルと愛と（法政大学アカデミー混声合唱団との合同）／かもめの歌

主要ディスコグラフィー

日本合唱協会は、数多くの録音も残しています。以下に主なディスコグラフィーを記します。

日本民謡による12のインベンション（日本コロムビア） - 間宮芳生作曲。
死の淵より（CBS/Sony） - 清水脩作曲。LP。
名曲アルバム フォスター （日本コロムビア） - LP。
フォスター名曲ベスト・アルバム （キングレコード） - LP。
山田耕筰作品集 からたちの花（日本コロムビア） - 増田順平編曲。
三善晃「嫁ぐ娘に」、中田喜直「美しい訣れの朝」、清水脩「月光とピエロ」（デンオン）
若人の歌 宇野功芳・合唱の世界（カメラータ）
日本の合唱百年（フォンテック）
西遊記――東洋の楽器による交響詩（Voix d'Or） - 藤井凡大作曲。

外部リンク

公式ウェブサイト

もう一度検索