欧事研究会

欧事研究会の概要

欧事研究会（おうじけんきゅうかい）は、中華民国の初期において設立された革命団体です。この団体は、孫文（孫中山）が指導する中華革命党と同様に、当時の権力者である袁世凱の打倒を目指しました。しかしながら、孫文の指導体制に対する反発が背景にあり、主に黄興を中心とした革命派のメンバーによって結成されたのです。

結成の経緯

1913年7月に始まった第二革命（または二次革命）で敗北を喫した孫文は、日本に亡命することになります。翌年の1914年7月8日、東京にて新たに中華革命党を立ち上げました。この新しい党は、党員に対して孫文への絶対的な忠誠を求めるものであったため、黄興を含む多くの革命的志向を持つ人々は強い違和感を抱くこととなました。

その後、同年8月には、孫文の指導に反発する革命派の一部が集まり、欧事研究会を結成しました。この名は、第一次世界大戦の影響に関する議論をもとに付けられたもので、重要な国際情勢を巡っての意見交換が目的でした。結成の中心的なメンバーには、黄興に長年親しい関係にあった李根源や章士釗が名を連ね、その他にも彭允彝、殷汝驪、冷遹、林虎、程潜らが参加しました。この研究会は100名以上の会員を抱え、以降も護法運動や国民政府への参加等で活躍する人物も多く含まれていました。

ただし、結成当時、黄興はすでにアメリカに滞在中であり、その後彼は李根源らの要請に応じて欧事研究会の構成員となることを了承しましたが、リーダー役には辞退を表明しました。それにもかかわらず、黄興は心の中でのリーダーとしての位置を保ち続けていたと考えられます。

欧事研究会の理念と活動

欧事研究会は、表向きは急進的な革命路線を掲げず、むしろ「漸進主義」と「同情主義」を採用し、「穏健に袁世凱に対峙する」ことを目指しました。しかし、袁世凱が皇帝即位を企てた際には、李根源ら会員たちは果敢に行動に出て、護国戦争にも貢献することとなります。これは、彼らが決して袁世凱の支配を従容として受け入れるわけにはいかないという強い決意に基づいていました。

解散とその後

1916年6月、袁世凱が皇帝即位を撤回した後、病により亡くなると、欧事研究会は事実上解散しました。そのメンバーたちは、その後様々な政治的方向性に分かれ、各自の道を歩んでいくことになりました。これによって、欧事研究会は中華民国の政治史における一つの重要な局面を象徴する存在として記憶されることとなります。

構成員

発起人には李根源、章士釗、彭允彝、殷汝驪、冷遹、林虎、程潜が含まれており、主な会員としては黄興、熊克武、柏文蔚、趙正平、鄒魯、方声濤、唐蟒、楊庶堪、岑春煊、陳炯明、汪兆銘（汪精衛）、蔡元培、呉敬恒（呉稚暉）、鈕永建、張継、李書城、林森、谷鍾秀、欧陽振声、楊永泰、但懋辛、陳独秀、張耀曽、沈鈞儒、王九齢、殷汝耕など、多くの著名な人物が名を連ねています。

このように欧事研究会は、中華民国の政治的変革において重要な役割を果たした団体であり、その歴史的意義が今なお研究されています。

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