水鳥真美

水鳥真美（みずとり まみ）

1960年11月15日生まれ。日本の外交官、国際公務員。

概要

東京都出身。女子学院中学校・高等学校を経て、一橋大学法学部卒業後、外務省に入省。スペイン外交官学校でも学びました。外交官として、アメリカ、イギリスなど様々な国で勤務し、要職を歴任。2010年に外務省を辞職後、研究者としてのキャリアをスタート。イースト・アングリア大学付属セインズベリー日本藝術研究所所長などを務めました。2018年には、日本人女性初の国連事務総長特別代表（防災担当）に就任。現在は国連防災機関代表として、国際的な防災活動を牽引しています。

人物・経歴

外務省入省から外交官としての活躍

1983年、一橋大学法学部を卒業後、外務省に入省。1986年にはスペイン外交官学校の国際関係ディプロマ課程を修了しています。アメリカ合衆国日本国大使館では政務班一等書記官を務め、外務大臣官房人事課首席事務官、北米局日米地位協定室長、総合外交政策局国連政策課長、同局安全保障政策課長などを歴任。1996年の在ペルー日本大使公邸占拠事件では、ワシントンD.C.からリマへ入り、現地対策本部顧問の補佐や、青木盛久大使の会見での通訳を担当しました。

研究者としての転身

外務省では、温厚な人柄と高い能力から、女性初の外務事務次官候補とも言われていましたが、2010年に外務省大臣官房会計課長を最後に辞職。その後、夫である歴史学者のバラック・クシュナー氏（ケンブリッジ大学教授）と暮らすため、イギリスのケンブリッジに移住。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院助教や、イースト・アングリア大学付属セインズベリー日本藝術研究所上席研究員、同研究所統括役所長及びイースト・アングリア大学日本学特別顧問などを務めました。

国連での活躍

2018年、ロバート・グラッサー氏の後任として、日本人女性初となる国連事務総長特別代表（防災担当）に就任。国連国際防災戦略事務局代表として、国連防災世界会議など、国際的な防災活動の最前線で活躍しています。日本人としては、山本忠通氏に次いで4人目の事務総長特別代表となります。また、同年には岡井朝子氏が国連開発計画危機対応局長に任命され、外務省出身の日本人女性の国連幹部への登用が続きました。

その他の活動

難民を助ける会理事、大和日英基金執行理事、ロンドン日本協会理事、英フィデリティ・ジャパニーズ・バリューズ社取締役、日英21世紀委員会委員、ジャパン・ソサエティー理事など、多岐にわたる分野で活躍。立命館アジア太平洋大学では東アジア・ガバナンス論、早稲田大学では国際関係論の教鞭も執りました。2022年には、故安倍晋三国葬儀に国連防災機関代表として参列しています。

著述

水鳥氏は、外交や国際関係に関する論文や記事を多数執筆しています。

「米国の対中南米政策」（1997年）
「戦前戦後の動向から分析 賞味期限切れのクール・ジャパン」（2012年）
「ロンドン大会を通じて考察 今問われる五輪開催の意義」（2012年）
「英「レビソン報告書」を基に分析 誰のための報道の自由か」（2012年）
「王室存続の要因を分析 変革に身を委ねてきた英王室」（2013年）
「News Eye スノーデン事件の余波続く 問われる諜報活動の在り方」（2013年）
「国際経済 「登録制」求める意見も 3つの危機に見舞われるBBC」（2014年）
「外交・国際 1カ月後に迫る 独立を問うスコットランド住民投票」（2014年）
「スコットランド独立問題・否決後に漂う焦燥感」（2014年）
「参政権獲得の戦いから始まった歴史 英国における女性の社会進出」（2014年）
「外交・国際 英米関係の現状と課題」（2015年）
「外交・国際 英国の現実的な対中国外交路線」（2015年）
「トレンド2015 難民問題で垣間見る欧州連合の同床異夢」（2015年）
「外交・国際 米キューバ、歴史的転換で国交回復」（2015年）
「外交・国際 英国がリトルイングランドになる日」（2016年）
「英国メイ新政権が担うBREXIT国民投票の〈後始末〉」 (2016年)
「国際経済 BREXITという選択」（2016年）
「国際シンポジウム 基調講演 国際社会における文化交流活動は必要だと思いますか?」 (2017年)
「巻頭インタビュー 「対応」から「予防」へ 国連が挑む新しい防災枠組」（2018年）

その他、田丸美寿々、赤松良子との共著「婦人公論井戸端会議 外務省は本当に大丈夫か」や、「対談 激甚化する災害にどう立ち向かうか」などがあります。

著書

『パブリック・ディプロマシー戦略: イメージを競う国家間ゲームにいかに勝利するか』（2014年）

脚注

ジャパン・ソサエティーの参考資料

関連項目

岡井朝子
国連国際防災戦略
国連事務総長特別代表
外務省同期
相川一俊
相星孝一
尾池厚之
小笠原一郎
奥山爾朗
片山和之
金杉憲治
杵渕正巳
木村元
新美潤
丸山則夫
水内龍太
道上尚史
南博
宮原信孝
村林弘文
森健良
山﨑和之
山田滝雄
山本広行
和田充広

外部リンク

私見：外務省の外、日本の外から見た日本 - 2019年2月6日
Mami Mizutori @HeadUNDRR (@HeadUNDRR) - X（旧Twitter）
* Mami Mizutori@HeadUNISDR (@headunisdr) - X（旧Twitter）

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