真弓田一夫

真弓田一夫：多彩な舞台人生と朗読への情熱

真弓田一夫（まゆみだ かずお、1919年11月20日 - 2010年9月1日）は、日本の俳優として長く活躍した人物です。長野県長野市出身。聖橋高等工学校を卒業後、日本大学旧工学部へ進学するも中退しています。

彼の俳優人生は1940年、新協劇団の研究生としてスタートしました。瑞穂劇団演出部を経て、1944年にはNHK大阪放送劇団に入団、戦後はNHK東京放送劇団へ移籍。その後、小山八重路氏とともに児童劇団こけし座を設立するなど、児童劇の分野でも貢献しています。

1953年にNHK放送劇団を退団してからはフリーとして活動。1955年には児童劇団ともだち座を、1956年には現代座を設立するなど、精力的に活動していました。第一協団、劇団欅を経て、1978年には劇団NLTに入団し、晩年まで所属しています。

舞台を中心に活躍する一方で、映画やテレビドラマにも多数出演。多くは脇役でしたが、その存在感は作品に深みを与えました。出演作品は多岐に渡り、時代劇から現代劇まで幅広いジャンルで活躍しました。代表的な作品としては、映画『嘘』『風の野郎と二人づれ』、テレビドラマ『大河ドラマ』シリーズへの多数の出演、『水戸黄門』シリーズなどがあります。

特筆すべきは、彼がキャリア後半に注力した朗読です。長年の舞台経験で培われた表現力は、朗読においても高く評価され、1995年には文化庁芸術祭優秀賞を受賞しています。この受賞は、彼の朗読への情熱と卓越した技量を証明するものです。

晩年は慢性腎不全を患い、2010年9月1日、東京都目黒区の病院で90歳で死去しました。

主な出演作品

映画

嘘 (1954年)
風の野郎と二人づれ (1961年)
黒と赤の花びら (1962年)
血は太陽よりも赤い (1968年)
吸血髑髏船 (1968年)
正午なり (1978年)
刑事物語 (1982年)

テレビドラマ

恐怖のミイラ (日本テレビ)
青年弁護士 (日本テレビ)
大河ドラマシリーズ (NHK) - 太閤記、春の坂道、国盗り物語、勝海舟、元禄太平記、風と雲と虹と、花神、獅子の時代、峠の群像、徳川家康、山河燃ゆ、八代将軍吉宗など多数の作品に出演
人形佐七捕物帳 (NHK)
忍者部隊月光 (フジテレビ)
悪魔くん (NET)
三匹の侍 (CX)
特別機動捜査隊 (NET)
河童の三平 妖怪大作戦 (NET)
怪奇大作戦 (TBS)
大忠臣蔵 (NET)
伝七捕物帳 (NTV)
松本清張シリーズ・愛の断層 (NHK)
ライオン奥様劇場・分校日記 / この山河に愛ありて (フジテレビ)
バトルフィーバーJ (テレビ朝日)
そば屋梅吉捕物帳 (12ch)
水戸黄門 (TBS) - 多数シリーズに出演
松平右近事件帳 (日本テレビ)
黒革の手帖 (TBS)
大岡越前 (TBS)
巨獣特捜ジャスピオン (テレビ朝日)
飢餓海峡 (フジテレビ)
世界忍者戦ジライヤ (テレビ朝日)
デパート!夏物語 (TBS)
十時半睡事件帖 (NHK)

アニメ

8マン
鉄腕アトム
まんがはじめて物語

人形劇

伊賀の影丸

ラジオドラマ

銀座裏午前二時 (NHK)

舞台

罪と罰
ハムレット
斜陽
ニ・ノ・チ・カ
12人の怒れる男
* 毒薬と老嬢

真弓田一夫は、実に多様な分野で活躍した稀有な俳優でした。彼の功績は、日本の演劇史に深く刻まれています。

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