自衛隊自動車訓練所

自衛隊自動車訓練所について

自衛隊自動車訓練所、通称「自訓」または「自教」は、自衛隊員が業務に必要な自動車免許を取得するための専門施設です。一般の自動車教習所とは異なり、自衛隊の特殊車両の運転技術を習得できる点が特徴です。

概要

自衛隊では、大型自動車免許が必要な任務が多いため、19歳から大型自動車免許を取得できる制度があります。ただし、2007年6月の道路交通法改正以降に取得した場合は、「大型車は自衛隊用自動車に限る」という条件が付加されます。また、戦車などの特殊車両を公道で運転するための免許も取得可能です。

訓練所によっては、都道府県労働局長登録教習機関としての側面も持ち、技能講習や特別教育も実施しています。自衛官が受講する場合、教本代と本試験受験時の印紙代を除き、免許取得費用は国費で賄われます。

教習所の運営は、当該部隊や近隣部隊から派遣された隊員によって行われます。技能教習を担当する隊員は、指定自動車教習所指導員や技能検定員の資格を持つ必要があります。

陸上自衛隊だけでなく、海上自衛隊や航空自衛隊にも自動車訓練所は存在しますが、陸上自衛隊に比べると数は少ないです。これは、陸上自衛隊の方が大型車両を使用する機会が多いためです。

卒業検定に合格した者は、運転免許試験場で学科試験と適性試験を受け、合格すれば運転免許証が即日交付されます。

主な施設

自衛隊自動車訓練所には、以下の施設が設置されています。

本部隊舎：所長や指導員が執務を行う場所
教場：学科教習や実技シミュレーター教習を行う場所
学生控室：学生が休憩や自習を行う場所
整備工場：車両の整備やメンテナンスを行う場所
営内隊舎：学生が宿泊する場所（管轄部隊の営内を間借りする場合もある）
教習コース：民間の教習所に準じたコース。コースの維持管理は学生や助教が行う。

入校資格

自衛隊自動車訓練所に入所するには、以下の条件を満たす必要があります。

輸送科職種に配属された隊員は必須
施設科や通信科など、車両を扱う機会が多い職種の隊員が優先
各部隊ごとに年間計画で受入枠が決定
2任期以上かつ継続的に部隊で勤務する意思を持つ者
中隊長等の伝令業務を行っている隊員
職務上車両を取り扱う隊員

入所前には警察庁方式運転適性検査（K-2）を受け、その結果が「適」または「準適」、かつ車両運行適性が5段階中「3」以上の者のみが入所を許可されます。

大型免許は、普通免許や準中型免許、中型免許、大型特殊免許を有する者は約10週間の「免あり」課程、免許を持たない者は約16週間の「免なし」課程で取得できます。

自衛隊自動車訓練所の一覧

全国各地に自衛隊自動車訓練所が設置されていますが、効率化のため、近年は各県内に1～2箇所程度に集約されています。

以下に主な訓練所を記載します。

真駒内自動車教習所（真駒内駐屯地内）
東千歳自動車教習所（東千歳駐屯地内）
北千歳自動車教習所（北千歳駐屯地内）
南恵庭自動車教習所（南恵庭駐屯地内）
旭川自動車教習所（旭川駐屯地内）
上富良野自動車教習所（上富良野駐屯地内）
帯広自動車教習所（帯広駐屯地内）
神町自動車教習所（神町駐屯地内）
岩手自動車教習所（岩手駐屯地内）
多賀城自動車教習所（多賀城駐屯地内）
八戸自動車教習所（八戸駐屯地内）
福島自動車教習所（福島駐屯地）
宇都宮自動車訓練所（宇都宮駐屯地内）
相馬原自動車教習所（相馬原演習場内）
勝田自動車教習所（勝田駐屯地内）
朝霞自動車教習所（朝霞訓練場内）
練馬自動車訓練所（練馬駐屯地内）
習志野自動車教習所（習志野演習場内）
下志津自動車教習所（下志津駐屯地内）
駒門自動車教習所（駒門駐屯地内）
富士学校自動車教習所（東富士演習場内）
大津自動車教習所（大津駐屯地近隣）
大久保自動車教習所（大久保駐屯地内）
千僧自動車教習所（千僧駐屯地内）
大草自動車教習所（春日井駐屯地近隣）
海田市自動車教習所
善通寺自動車教習所（善通寺駐屯地近隣）
豊川自動車教習所（豊川駐屯地近隣）
姫路自動車教習所（姫路駐屯地内）
北熊本自動車教習所（北熊本駐屯地近隣）
竹松自動車教習所（竹松駐屯地内）
福岡自動車教習所
小郡自動車教習所
都城自動車教習所

これらの訓練所は、自衛隊の活動を支える上で重要な役割を果たしています。

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