釧路支庁

釧路支庁

釧路支庁（くしろしちょう）は、かつて北海道に存在した支庁の一つです。その名前は、旧国名の釧路国に由来しています。1897年に設置され、2010年に釧路総合振興局に改組されるまで、地域の行政を担っていました。支庁所在地は釧路市に置かれていました。

歴史

釧路支庁の歴史は、明治時代にまで遡ります。

1897年（明治30年）11月：釧路国の区域をもって釧路支庁が設置されました。
1922年（大正11年）8月17日：釧路国支庁に改称されました。
1948年（昭和23年）10月20日：地方自治法の施行に伴い、支庁は都道府県が条例で任意に設置する総合出先機関となり、北海道支庁設置条例が施行されました。この条例により、釧路郡、厚岸郡、川上郡、阿寒郡、白糠郡が所轄区域となり、支庁の位置は釧路市と定められました。また、足寄郡足寄村と淕別村は十勝[[支庁]]へ移管されました。
1957年（昭和32年）4月1日：釧路支庁に再改称されました。
2005年（平成17年）10月11日：釧路市、阿寒町、音別町が合併し、新たな釧路市が発足しました。
2008年（平成20年）6月28日：北海道議会において、釧路支庁と根室支庁を統合し、14支庁を9つの地域振興局に再編する条例案が可決されました。この条例では、根室振興局は道東総合振興局の下に置かれることになっていました。
2009年（平成21年）3月31日：他の総合振興局への編入対象となった支庁からの反発を受け、北海道議会で条例の改正案が可決されました。これにより、振興局は総合振興局と同等の扱いとなり、広域で所管することが望ましい業務に関しては、隣接する総合振興局の所掌事務とすることが可能となりました。
2010年（平成22年）4月1日：釧路支庁が廃止され、釧路総合振興局が発足しました。

地理

釧路支庁は、北海道東部の太平洋側に位置していました。北部は山岳地帯が広がり、南部は釧路湿原などの湿原や平野が広がっています。気候は、夏季には霧が発生しやすく、気温が上がりにくい特徴があります。冬季は降雪量が比較的少なく、晴天の日が多い地域です。

主な山

雌阿寒岳
硫黄山
摩周岳

主な河川

釧路川
阿寒川
庶路川

主な湖沼

阿寒湖
摩周湖
屈斜路湖
塘路湖
シラルトロ湖
春採湖
厚岸湖

地域

釧路支庁の全域は、旧国名の釧路国の領域に属していました。以下の市町村が含まれていました。

釧路市
釧路郡：釧路町
厚岸郡：厚岸町、浜中町
川上郡：標茶町、弟子屈町
阿寒郡：鶴居村
白糠郡：白糠町

経済

釧路支庁の中心都市である釧路市は、国際バルク戦略港湾である釧路港を有し、東北海道の国際物流拠点として重要な役割を担っていました。釧路港には、国際コンテナ定期航路が開設されており、港湾後背地には、製紙パルプ、機械製造、飼料、肥料コンビナート、製薬メーカー、オイルターミナルなどが集積していました。道東地域の物流の多くが釧路港に依存しています。

釧路市は、道東地域の中心都市として、外国公館や国の出先機関、各金融機関が集中しています。また、国際会議観光都市として、国際会議場やホテルも多く、道東最大の商工業都市として発展していました。

釧路市と白糠町は、国構造改革特区の釧路・白糠次世代エネルギー特区に指定され、次世代エネルギーの研究開発も行われていました。

この地域は、火山灰質や泥炭質の土壌のため、作物の生育が難しい一方、酪農が発達しており、特に乳製品の品質は国内でも高く評価されています。また、沿岸部では漁業が盛んで、釧路漁港は国内でも有数の水揚げ量を誇ります。厚岸町や釧路町のカキ、浜中町の昆布も有名です。

全国で唯一の坑内掘り炭鉱である釧路コールマインが現役で操業している地域でもあります。

阿寒摩周国立公園や釧路湿原国立公園、厚岸道立自然公園など、豊かな自然環境に恵まれており、観光地としても人気があります。釧路空港は、東北海道の玄関口として、年間多くの観光客が訪れています。

弟子屈町は、本州からの移住者が比較的多く、行政も移住促進策に力を入れています。

交通

空港

釧路空港（釧路市）

鉄道路線

北海道旅客鉄道（JR北海道釧路支社）：根室本線、釧網本線
太平洋石炭販売輸送：日本唯一の炭鉱鉄道

道路

高速道路：北海道横断自動車道釧路線（建設中）、釧路外環状道路（建設中）
一般国道：国道38号、国道44号、国道240号、国道241号、国道243号、国道272号、国道274号、国道391号、国道392号

主な道の駅

道の駅しらぬか恋問
道の駅阿寒丹頂の里
道の駅摩周温泉

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

釧路湿原
和商市場
屈斜路湖
摩周湖
阿寒湖
厚岸湖
ムツゴロウ動物王国

関連項目

釧路国
令制国一覧
* 道東

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