CdmaOne (サービス)

cdmaOne（シーディーエムエー ワン）とは

cdmaOneは、かつてauブランドを展開していたKDDI（旧IDO、旧DDIセルラーグループを含む）および沖縄セルラー電話が提供していた、第二世代携帯電話（2G）の通信システムです。当時の主流であったPDC方式と比較して通信速度が速かったため、第2.5世代（2.5G）とも呼ばれていました。

1998年7月14日にサービスが開始され、日本初の2.5Gサービスとなりました。その後、上位互換の3GサービスであるCDMA 1X（後のau 3G）が2002年に、3.5GサービスであるCDMA 1X WIN（後のau 3G）が2003年に開始されたことにより、cdmaOne端末は2002年半ばに生産終了しました。2012年6月末時点での契約数は約24,200件で、総契約数の約0.07％となっていました。

サービスの概要

旧IDOと旧DDIセルラー各社は、1994年4月からPDC方式によるサービスを展開していましたが、エリア整備の遅れからNTTドコモなどの競合他社に劣勢を強いられていました。そこで、差別化を図るため、1998年7月に旧DDIセルラーの関西・九州・沖縄エリアで日本初の2.5GかつCDMA方式のサービスを開始し、1999年4月までに全国展開を完了しました。当時の他キャリアの方式と比較して、高音質な通話が特徴でした。

2012年6月時点で、EZwebやEメール機能が利用できたのは、C3001H、C3002K、C3003P、C5001Tの4機種のみでした。これらの機種は本来1X用として開発されたものを、インフラ整備の遅れにより急遽cdmaOne用に変更したもので、通信速度を除き、WAP2.0、eznavigationなどの機能やEZwebの契約コースなどは、当初の1X（A3000シリーズ）とほぼ同じでした。そのため、本来のcdmaOne端末によるEZweb機能は事実上終了していました。また、カメラを内蔵した端末も存在しませんでした。

cdmaOneシリーズは全て、従来の800MHz帯（L800MHz帯）専用で、2GHz帯および新800MHz帯（N800MHz帯）には対応していませんでした。

2009年5月20日、新規契約者の減少を理由に、CDMA 1Xとともに新規受付とCDMA 1X WINからの機種変更が、同年8月9日に終了することが発表されました。2003年以降、端末の新規生産は行われておらず、2002年には事実上、新規契約は終了していました（白ロムでの契約は可能でした）。2011年4月25日には、2012年7月22日をもってサービスを終了することが正式に発表され、同年3月31日にはPDCで最後まで残っていたNTTドコモのmovaも停波したため、日本国内の第2世代（2.5世代含む）携帯電話は全て停波することとなりました。

年表

1998年7月14日：関西・九州・沖縄でサービス開始。
1999年3月18日：北陸・中国・四国でサービス開始。
1999年4月14日：関東・中部（旧IDOエリア）、北海道・東北でサービス開始。全国で利用可能に。
1999年4月14日：EZWeb機能の提供開始。
2000年7月1日：DDIセルラーグループとIDOがauブランドに統合。
2000年10月1日：旧KDD、旧DDI、旧IDOが合併し、KDDI発足。
2001年12月：cdmaOneで「次世代サービス」（EZWebMulti、WAP2.0、eznavigation（現・EZナビ）、ezmovie（現・EZムービー））開始。
2002年3月下旬：最後のcdmaOneモデルであるC3003P発売。
2002年3月31日：コミコミOneファーストの新規受付終了。
2004年2月9日：EZweb A/B/スタンダード/プレミアムコース対応機種（C20x、C30xシリーズ）によるEZweb機能の新規受付終了。
2005年12月31日：EZweb A/B/スタンダード/プレミアムコース対応機種（C20x、C30xシリーズ）によるEZweb機能の提供終了。
2007年12月31日：EZweb@mail対応機種（C40x、C45x、C100xシリーズ）によるEZweb機能の新規受付終了。
2008年5月31日：EZweb@mail対応機種（C40x、C45x、C100xシリーズ）によるEZweb機能の提供終了。
2009年8月9日：新規契約者の減少を理由にCDMA 1Xと同時にcdmaOneサービスの新規受付を終了。
2012年7月22日：L800MHz帯の免許停止に伴い、CDMA 1X（一部のN800MHz帯非対応のCDMA 1X WIN含む）と共にcdmaOneサービスを終了。

課金体系

料金プランは、一部を除き2007年11月までの旧1Xプランとほぼ同じでした。電話で申し込むことで、異なる地域のプランに変更することも可能でした。

2007年11月12日以降のプラン

旧IDOエリア
旧DDIセルラーエリア

端末

cdmaOne端末の型番は、初期のものを除き全てCから始まるため、Cシリーズと呼ばれることが多いです。
数字の1・2桁目はEZweb関連のグレードを表し、数字の3桁目は1・2桁目を踏まえたうえでの続き番号です。現在のCDMA 1X WIN端末とは異なり、メーカーの区別がないため、同じ型番を持つ端末は基本的に1つのみです。

●印：グローバルパスポートCDMA対応端末。

1998年の端末
CD-10DE、CD-10F、CD-10K、CD-10P、CD-10T
旧DDIセルラーでのサービス開始当初の端末群で、全てTACS方式とのデュアルモード機でした。cdmaモードとTACSモードの切替が可能でした。過渡期向けの端末で、cdma対応局が少ない間の繋がり難いという問題の解消を目的としていましたが、電池消費が大きかったという欠点がありました。

1999年の端末

1999年春モデル：C101S、C102K、C103T、C104SA、C105P、C201H
IDOエリアでも発売開始。C201Hは初めて回線交換型（従量制）のEZwebに対応。C101Sは2004年8月以降使用するためにソフトウェアアップグレードが必要でした。
1999年秋モデル：C106ST、C107K、C202DE

2000年の端末

2000年春モデル：C105P、C111SA●、C301T、C302H、C303CA(G'zOne)、C304SA、C305S
C30xシリーズはパケット通信型のEZwebに初対応。C111SAはC104SAのグローバルパスポート対応版。
2000年夏モデル：C102K、C307K、C308P、C309H
auブランドでの発売に。「306」はモトローラが開発中止したため欠番。
2000年秋モデル：C100M、C310T、C311CA(G'zOne)
[2000年]]冬モデル：C313K、C401SA、C402DE、C403ST、[[C404S]、C405SA、C406S
C40xシリーズはEZweb@mailに初対応。C406Sは国内初の着せ替えモデル、C405SAは当時世界最薄モデル。

2001年の端末

2001年春モデル：C407H、C408P、C409CA(G'zOne)、C410T
2001年夏モデル：C411ST、C412SA●、C413S、C414K、C415T、C451H、C452CA(G'zOne)、GLAY PHONE(C413Sベース)
C45xシリーズは初めてezplusに対応。C413Sは初のBluetooth対応。
2001年冬モデル：C414K II、C1002S、C1001SA●、C3001H、C3002K、C3003P、C5001T
C414K IIを除く本シリーズは、CDMA2000 1xのサービス開始予定が遅れたため、新サービスを既存のネットワーク用に作り直したもの。C3003Pが最後のcdmaOneモデル。C3000シリーズはEZWebMulti、WAP2.0、eznavigationに対応、C5000シリーズは加えてezmovieに対応。

非携帯電話型端末
C312SK (Rapira Card) 、C314T (P'sBoat) 、C315SK (Rapira Card)

関連項目

織田裕二：旧IDOエリアでのサービス開始当初のCMに出演
レオナルド・ディカプリオ：DDIセルラーのCMに出演
PacketOne
CDMA 1X WIN
CDMAぷりペイド
CdmaOneセルモスープラ：かつてJGTCに参戦していた車両

脚注

外部リンク

* 次世代携帯電話システムcdmaOne

もう一度検索