F1死亡事故一覧

F1世界選手権における死亡事故一覧：1950年から2014年

この文書は、1950年のF1世界選手権発足以来、レースウィーク中に発生した死亡事故をまとめたものです。1980年代前半以前は、世界選手権に組み込まれていないF1車両を使用したレースや、テスト走行中の事故は含まれていません。ドライバーの死亡事故に加え、観客やマーシャルの死亡事故についても記録しています。

ドライバーの死亡事故

1950年代

1954年ドイツグランプリ: オノフレ・マリモン（マセラティ）選手はニュルブルクリンクでの予選中に事故により亡くなりました。これはF1世界選手権における最初の死亡事故です。
1958年フランスグランプリ: ルイジ・ムッソ（スクーデリア・フェラーリ）選手は、マイク・ホーソーン選手とのバトル中にコースアウトし、即死しました。F1レース本番中のドライバー死亡事故としては初めてのことでした。
1958年ドイツグランプリ: ピーター・コリンズ（スクーデリア・フェラーリ）選手はマシンの横転により車外に投げ出され、亡くなりました。
1958年モロッコグランプリ: スチュアート・ルイス＝エヴァンズ（ヴァンウォール）選手は、ホイールロックとエンジンブローによりコースアウト、横転炎上し、全身に重度の火傷を負い、6日後に死亡しました。

1960年代

1960年ベルギーグランプリ: クリス・ブリストウ（BRP）選手とアラン・ステイシー（チーム・ロータス）選手が死亡しました。ブリストウ選手は激しいバトルの末、コースアウトし、バリアに激突して即死しました。ステイシー選手は数周後にバードストライクで即死しました。このレースは多くの事故が発生したため「暗黒の週末」と呼ばれています。
1961年イタリアグランプリ: ヴォルフガング・フォン・トリップス（スクーデリア・フェラーリ）選手はジム・クラーク選手と接触しコースアウト、即死しました。この事故で観客14名も巻き込まれて死亡しました。
1964年ドイツグランプリ: カレル・ゴダン・ド・ボーフォール（エキュリー・マールスベルゲン）選手は予選中にコースアウトし、2日後に死亡しました。
1966年ドイツグランプリ: ジョン・テイラー選手はスタート直後の接触事故によりマシンが炎上し、1ヶ月後に重傷のため死亡しました。
1967年モナコグランプリ: ロレンツォ・バンディーニ（スクーデリア・フェラーリ）選手はクラッシュ炎上し、救出が遅れたために3日後に死亡しました。
1968年フランスグランプリ: ジョー・シュレッサー（ホンダ）選手はマシンのコントロールを失いクラッシュ炎上し、死亡しました。この事故はホンダのF1撤退に繋がりました。
1969年ドイツグランプリ: ゲルハルト・ミッター選手は予選中のクラッシュで死亡しました。

1970年代

1970年オランダグランプリ: ピアス・カレッジ（フランク・ウィリアムズ・レーシングカーズ/デ・トマソ）選手はスピンし、ガードレールを突き破って死亡しました。
1970年イタリアグランプリ: ヨッヘン・リント（チーム・ロータス）選手は練習走行中にクラッシュし死亡しました。しかし、シーズンポイントでトップだったため、死後にチャンピオンを獲得しました。
1971年ブランズハッチ「ワールドチャンピオンシップ・ビクトリーレース」: ジョー・シフェール（チーム・BRM）選手はコースアウトし炎上、煙を吸って死亡しました。この事故をきっかけに、F1マシンへの自動消火装置やヘルメットへの酸素供給ホースの装備が義務化されました。
1973年オランダグランプリ: ロジャー・ウィリアムソン（マーチ・エンジニアリング）選手はタイヤトラブルでクラッシュ炎上し、焼死しました。
1973年アメリカグランプリ: フランソワ・セベール（ティレル）選手は大クラッシュで即死しました。
1974年アメリカグランプリ: ヘルムート・コイニク（サーティース）選手はガードレールに激突し、即死しました。
1975年オーストリアグランプリ: マーク・ダナヒュー（ペンスキー）選手はウォームアップ中のクラッシュの後、2日後に脳溢血で死亡しました。
1977年南アフリカグランプリ: トム・プライス（シャドウ）選手はコース横断中のマーシャルを撥ねてしまい、即死しました。マーシャルも死亡しました。
1978年イタリアグランプリ: ロニー・ピーターソン（チーム・ロータス）選手はスタート時の多重クラッシュで翌日死亡しました。医療ミス説もあります。

1980年代

1982年ベルギーグランプリ: ジル・ヴィルヌーヴ選手は他のマシンに接触し、死亡しました。
1982年カナダグランプリ: リカルド・パレッティ選手はスタート直後の追突事故で炎上し、死亡しました。

1990年代

1994年サンマリノグランプリ: ローランド・ラッツェンバーガー（シムテック）選手とアイルトン・セナ（ウィリアムズF1）選手が死亡しました。ラッツェンバーガー選手は予選中の事故で、セナ選手は決勝中の事故で亡くなりました。

2010年代

2014年日本グランプリ: ジュール・ビアンキ（マルシャF1チーム）選手は、雨のコンディションの中で発生した事故で重傷を負い、その後死亡しました。この事故はF1マシンとホイールの撤去作業車の衝突事故でした。

ドライバー以外(観客、マーシャル等)の死亡事故

いくつかのグランプリでは、ドライバー以外の観客やマーシャルが死亡する事故も発生しています。これらの事故では、コースに飛び出したマシンや、飛散した部品が原因となっています。詳細な事故概要は、上記のドライバー死亡事故に続く記述に含まれています。

まとめ

F1の歴史において、多くのドライバーや関係者が命を落としています。これらの事故は、F1の安全対策強化に大きく貢献しました。しかし、リスクを伴うモータースポーツであることを忘れてはなりません。

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