いしかわ動物園

いしかわ動物園

いしかわ動物園は、石川県能美市徳山町に位置する動物園で、1999年10月に開園しました。その基本コンセプトは「楽しく、遊べ、学べる動物園」であり、「動物にやさしい」「環境にやさしい」「人にやさしい」という3つのやさしさを大切にしています。

特徴

園内の動物舎は、自然の地形を活かし、植栽や岩、池などを配置することで、動物たちが本来生息する環境に近い状態を再現しています。動物が飛び越えられない堀を巡らせる「モート方式」やガラス越しの観察により、従来のコンクリートや鉄格子で仕切られた狭い動物舎では見ることができなかった動物たちの生態を間近で観察できます。

また、高齢者や身体障害者、車椅子利用者など、誰もが快適に楽しめるよう、園路の勾配は4％以下に抑えられ、階段部分にはスロープが設けられています。屋内観察通路の出入り口は自動ドア、2階のレストランにはエレベーターが設置されています。園路や観察通路には視覚障害者用の点字ブロックが設置され、各動物舎の前には点字による案内板も設置されています。

歴史

民間施設時代

1958年、金沢市卯辰山に「金沢ヘルスセンター」（後の金沢サニーランド）が開業し、その附属施設として「金沢動物園」が開園しました。金沢ヘルスセンターには、演劇場、映画館、小遊園地、大浴場、宿泊施設などが併設されていましたが、入館者数の減少や施設の老朽化により、1993年に閉園しました。同時に、石川県唯一の動物園も35年の歴史に幕を閉じました。

公営施設時代

石川県内唯一の動物園であること、そして当時進んでいた動物園の公営化の流れを受け、石川県が施設全体を買収しました。1993年12月には財団法人いしかわ動物園が設立されました。しかし、施設は狭く老朽化が著しく、拡張も困難であったため、県は動物園全体の移転を検討し始めました。1999年5月21日に金沢市から能美郡辰口町（現在の能美市）へ動物の移転が行われ、同年10月9日に新「いしかわ動物園」として正式にオープンしました。

年表

1958年：金沢ヘルスセンター内に金沢動物園が開園。
1993年8月31日：金沢動物園・金沢水族館が閉鎖。
1993年12月：財団法人いしかわ動物園が設立。
1994年3月6日：いしかわ動物園が金沢市卯辰山に開園。
1996年7月29日：能美郡辰口町（現在の能美市）に新いしかわ動物園が着工。
1998年8月31日：旧いしかわ動物園が閉園。
1999年10月9日：いしかわ動物園が新しく開園。
2010年1月8日：トキの分散飼育を開始。
2010年8月5日：長寿カバ「デカ」が死亡。
2016年3月17日：シロフクロウを公開。
2016年9月7日：オキナインコを公開。
2016年10月7日：モルモットの行進を開始。
2016年11月19日：「トキ里山館」がオープン、トキを公開。
2017年2月17日：エボシカメレオンを公開。
2017年7月22日：ホワイトタイガーの公開を開始。
2018年1月8日：「カピバラ露天風呂協定」に加盟し、5園国で調印式を実施。
2019年3月15日：ニホンライチョウの一般公開を開始。

施設

動物展示施設

園内には、様々な動物たちが生息環境を再現した空間で展示されています。
アシカ・アザラシたちのうみ
サルたちの森
イヌワシの谷
小動物プロムナード
ネコたちの谷
オーストラリアの平原
郷土の水辺・南米の森
ふれあいひろば
水鳥たちの池
バードストリート
カメたちの広場
ライチョウの峰
ツルたちの水辺
アフリカの草原
ゾウの丘
カバの池
チンパンジーの丘
オランウータンの森
トキ里山館

その他の施設

レストラン・ズーショップ
動物学習センター
大型休憩所
トキ飼育繁殖センター
メダカたちの池
ゆめつり橋

代表的な飼育動物

アシカ・アザラシたちのうみ：カリフォルニアアシカ、ゴマフアザラシ、バイカルアザラシ
サルたちの森：コモンリスザル、ワオキツネザル、ブラッザグエノン、シロテテナガザル
イヌワシの谷：イヌワシ
小動物プロムナード：シセンレッサーパンダ、ケープハイラックス、マーラ
ネコたちの谷：ライオン、アムールトラ、ホワイトタイガー、アムールヒョウ、ユキヒョウ
オーストラリアの平原：オオカンガルー、アカクビワラビー、エミュー、スッポンモドキ
郷土の水辺：メダカ、カジカ、トミヨ、ホトケドジョウなど
南米の森：ワタボウシタマリン、フタユビナマケモノ、アカハナグマ、オニオオハシ、ボアコンストリクター、コビトカイマンなど
ふれあいひろば：アルパカ、カピバラ、ミーアキャット、マゼランペンギン、ウサギ、モルモットなど
水鳥たちの池：アマサギ、ゴイサギ、オシドリ、カルガモなど
バードストリート：オオタカ、ウミネコ、マナヅル、ミミキジ、フクロウなど
カメたちの広場：アルダブラゾウガメ、ワニガメ、ケヅメリクガメ、ヒョウモンガメ、インドホシガメなど
ライチョウの峰：スバールバルライチョウ、ニホンライチョウ
ツルたちの水辺：マナヅル、タンチョウ、ニホンコウノトリ
アフリカの草原：アミメキリン、グレビーシマウマ、ホオジロカンムリヅル
ゾウの丘：アジアゾウ
カバの池：コビトカバ
チンパンジーの丘：チンパンジー
オランウータンの森：ボルネオオランウータン
トキ里山館：トキ

過去に展示されていた動物

小動物プロムナード：アライグマ
ネコたちの谷：ピューマ、ベンガルトラ
アフリカの平原：エランド
カバの池：カバ（かつて日本最高齢のカバであった「デカ」がいた）

動物園の取り組み

エコ動物園に向けて

いしかわ動物園は、「エコ」に積極的に取り組んでいます。ゴミの持ち帰り運動、回収箱の設置、雨水の再利用、動物の糞やエサクズのリサイクル、太陽電池の導入、ビオトープ化、透水性舗装の利用など、環境に配慮した活動をしています。

教育係の設置

「企画教育係」を配置し、動物園の概要や理念、仕事内容などを専門に紹介しています。

トキの分散飼育

トキの分散飼育地として選ばれ、佐渡トキ保護センターからトキを受け入れ、飼育・繁殖に取り組んでいます。

営業情報

所在地：石川県能美市徳山町600番地
駐車場：1300台収容（無料）
開園時間：9時～17時（4月1日～10月31日）、9時～16時30分（11月1日～3月31日） ※入園は閉園30分前まで
休園日：毎週火曜日（祝日営業翌日休み）、春休み期間の火曜日および夏休み期間中は無休。年末年始（12月29日～1月1日）
その他：毎月19日「県民育児の日」は中学生以下無料（家族で来園した場合）

交通アクセス

路線バス：金沢駅、小松駅、松任駅、能美根上駅からバスが運行しています。
自動車：北陸[[自動車道]]小松IC・能美根上スマートIC・美川ICから約20分。

脚注

[注釈]

[出典]

[参考文献]

生田誠『図説 なつかしの遊園地・動物園』河出書房新社、2022年3月20日。ISBN 978-4-309-76313-2。

関連項目

動物園の一覧
のとじま臨海公園水族館（のとじま水族館）

外部リンク

いしかわ動物園公式サイト
いしかわ動物園【公式】 (@ishikawazoo_jp) - X（旧Twitter）
* いしかわ動物園 (ishikawazoo.official) - Facebook

もう一度検索