東京都薬用植物園

東京都薬用植物園：薬用植物研究と都民への啓発の拠点

東京都薬用植物園は、小平市中島町に位置し、薬用植物やハーブなど約750種類もの植物を栽培しています。1946年に設立され、2003年からは東京都健康安全研究センターの試験研究機関として、都民の健康と安全を支える重要な役割を担っています。

多様な植物と研究活動

園内では、一般公開エリアに加え、有刺鉄線と柵で厳重に隔離された区画があり、麻薬原料となるケシや大麻が研究用に栽培されています。これらの植物は、違法薬物の監視・分析や取り締まりといった薬務行政に不可欠な研究材料となります。その他、健康食品などの監視・分析も行っており、都民の健康被害を防ぐための活動も行っています。

植物園は、公益社団法人東京生薬協会に管理が委託されており、植物園自然保護国際機構（BGCI）による認証も受けています（認証コード：TOKMM）。

施設概要

所在地: 〒187-0033 東京都小平市中島町21−1
面積: 31,398平方メートル
標高: 85メートル
年間平均気温: 14.8℃
年間平均降水量: 1,506.3mm
開園時間:
4月～9月: 午前9時～午後4時30分
10月～3月: 午前9時～午後4時
休園日: 月曜日（祝日の場合は翌日）
入園料: 無料
アクセス: 西武拝島線東大和市駅下車、西武バス「東京都薬用植物園」バス停下車

歴史

設立当初は、薬事監視取締りに必要な生薬基準を確立するため、薬草の栽培、管理、調製を行っていました。1968年から1985年まで園長を務めた田中孝治は、薬草に関する啓蒙活動に尽力し、数多くの著書を著しました。2003年には、試験研究機関としての機能を強化するため、東京都健康安全研究センターに再編され、規制植物や健康食品の指導・取締りを目的とした試験検査や調査研究を積極的に行っています。

コレクション

園内は植物の用途に応じて14のセクションに分類されています。

熱帯植物の冷室と温室: メコノプシス属、インドジャボク、チョウジ、イエライシャンなど
伝統的な漢方植物: ボタン、ベニバナ、トウキ、ミシマサイコなど
水辺に生長する薬用・有毒植物: クリンソウ、ドクゼリ、コウホネ、ホソバヒメガマなど
食糧および薬学で使用される低木: ウメ、サンシュユ、キササゲ、アケビなど
日本薬局方収載植物: ドクダミ、エビスグサ、ジュズダマ、ハトムギ、ゼラニウムなど
実験作物: ケシ属、カンナビス（大麻）など
日本の製薬業界で使用される植物: ハシリドコロ、ジギタリス、チョウセンアサガオ、イヌサフランなど
有用植物: ヒナゲシ、アジサイ、ソバ、ワタなど
染料植物および芳香性ハーブ: カモミール、ラバンジン、アイ、ウスベニアオイなど
外来薬用植物: ホソバオケラ、サンザシ、Mucuna membranaceaなど
有毒植物: フクジュソウ、アセビ、センニンソウ、ヒガンバナなど
アルパイン薬用植物: スノードロップ、トウテイランなど
下層の薬用植物: カタクリ、オウレン、ヤブランなど
実験作物: ウスバサイシン、ホソバオケラ、キキョウ、丹参など

活動内容

研究: 麻薬や危険ドラッグ、健康食品に使用される植物の鑑別に関する研究
収集・栽培: 標本植物の栽培・育成と保存、ケシ・大麻などの試験栽培、薬用植物の収集
教育活動: 麻薬取締員、薬事監視員、医薬看学の学生への教育研修、薬草教室や薬草観察会などの都民向け普及活動、ボランティアガイドによる園内案内

東京都薬用植物園は、薬用植物に関する研究と教育の拠点として、都民の健康と安全に貢献しています。

外部リンク

東京都薬用植物園 - 東京都健康安全研究センター
東京都薬用植物園 - 小平市役所
東京都薬用植物園 ふれあいガーデン草星舎
Tokyo Metropolitan Medicinal Plants Garden - BGCI

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