ルーク・グラハム

クレージー・ルーク・グラハム：狂気のプロレスラー

"クレイジー"ルーク・グラハム（本名：ジェームス・グレイディ・ジョンソン、1940年2月5日 - 2006年6月23日）は、アメリカ合衆国ジョージア州出身のプロレスラー。一部資料では1936年生まれともされている。

グラハム兄弟の「三男」

ジェリー、エディ、ルーク、ビリーのグラハム兄弟の一人として知られるが、これはギミック上の設定であり、実際には血縁関係はない。しかし、そのキャラクターとチームワークで、多くのファンを魅了した。兄弟の中では一番の巨漢であった。

来歴

初期は"プリティ・ボーイ"ビリー・カルホーンのリングネームで中南部地区で活動。その後、スチュ・ハートが主宰するカナダ・カルガリーのスタンピード・レスリングにて、ドクター・ジェリー・グラハムの弟として、1963年よりルーク・グラハムを名乗る。

エディ・グラハムのフロリダ転戦後、ジェリーの新しいパートナーとしてWWWF（現WWE）に進出し、1964年3月20日にUSタッグ王座を獲得。この王座戴冠は、彼のキャリアにおける初期のハイライトの一つとなった。

1965年にジェリーとのコンビを解消後、日本プロレスに初来日。帰国後はロサンゼルスのWWAに定着し、7月23日にペドロ・モラレスからWWA世界ヘビー級王座を奪取。同時期、日本の豊登も同王座のベルトを保持しており、2本のベルトが混在する事態となった。これは、豊登がロサンゼルスでの防衛戦を拒否したため、WWA本部が豊登の王座奪取を無効としたためとされる。9月20日にはロサンゼルスに遠征してきた豊登を下し、王座統一を果たした。

11月3日にはゴリラ・モンスーンと組んで、WWA世界タッグ王座も獲得。1960年代後半からはWWWFに復帰し、ブルーノ・サンマルチノのWWWF世界ヘビー級王座に挑戦するなど、トップ戦線で活躍した。

1970年代に入ると、キャプテン・ルー・アルバーノをマネージャーに、ターザン・タイラーとの金髪コンビを結成。1971年6月には、ルイジアナ州ニューオーリンズで行われたとされる架空のトーナメント決勝戦で、ディック・ザ・ブルーザー&ザ・シークを破り優勝。WWWF世界タッグ王座の初代チャンピオン・チームに認定された。同年11月12日にはザ・モンゴルズ（ジート&ベポ）からWWWFインターナショナル・タッグ王座を奪取し、二冠王となるも、12月6日にカール・ゴッチ&レネ・グレイに敗れ、世界タッグ王座から陥落。

その後はNWAの太平洋岸エリアを経て、1974年1月には全日本プロレスに来日。テリー・ファンクと組み、ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田の師弟コンビと対戦。同年はエディ・グラハム主宰のフロリダ地区にて、エル・ロボ（El Lobo）なる覆面レスラーに変身し、エディ&マイク・グラハム、ボブ・ループ、ボブ・アームストロングらと対戦した。

素顔に戻ってからは、五大湖エリアからジョージア、アラバマ、テネシーなどの南部まで、各地を転戦。リッパー・コリンズとの金髪タッグでも活躍し、デトロイト地区では1977年にNWA世界タッグ王座（デトロイト版）を獲得。テネシーのミッドアメリカ地区では、NWAテネシー・タッグ王座を奪取している。

1978年にはWWWFに久々に登場し、新王者のボブ・バックランドに挑戦。グラハム兄弟の末弟としてデビューしたスーパースター・ビリー・グラハムともタッグを組み、アンドレ・ザ・ジャイアントとも対戦。同年には全日本プロレスに再来日し、チャンピオン・カーニバルに出場。馬場、鶴田、デストロイヤーら強豪と対戦した。

1980年はプエルトリコのWWCやビル・ワット主宰のMSWAで活動。1981年2月には国際プロレスに来日、『ルー・テーズ杯争奪戦』に参加し、ラッシャー木村やマイティ井上との金網デスマッチも行った。

キャリア末期の1984年は中西部のNWAセントラル・ステーツ地区に参戦。セントラル・ステーツ・ヘビー級王座を奪取し、最後のタイトル戴冠を果たした。

引退後はタクシードライバーに転身。2001年にはインディー団体に登場し、「息子」という設定のルーク・グラハム・ジュニアとチームを組んだ。

2006年6月23日、心不全により死去。66歳没。

得意技

アトミック・ドロップ
コブラ・クラッチ

獲得タイトル

数々のタイトルを獲得。詳細は省略。

ルーク・グラハムは、その破天荒なキャラクターと実力で、プロレス史に名を刻んだ。

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