川村泰久

川村泰久の経歴と外交活動

川村泰久（かわむら やすひさ）は、1957年10月4日生まれの日本の外交官です。愛知県名古屋市出身で、1981年に一橋大学法学部を卒業後、外務省に入省しました。その後、1984年にはアマースト大学を卒業しています。

彼の外交官としてのキャリアは、在アメリカ合衆国日本国大使館書記官から始まりました。その後、外務省北米局、アジア局を経て、在ジュネーブ日本政府代表部一等書記官、在インドネシア日本国大使館参事官など、様々なポストを歴任しました。1999年には外務省大臣官房国際報道課長に就任し、国際的な情報発信にも携わっています。

2004年には経済協力開発機構（OECD）東京事務所長に就任。2008年には外務省大臣官房参事官（報道・広報担当）・外務副報道官として、日本の外交政策を国内外に発信する重要な役割を担いました。2010年からは在ニューヨーク日本国総領事館首席領事を務め、竹島や尖閣諸島を巡る問題において、メディア戦略を展開しました。特に、尖閣諸島問題では、中国が自国の主張を国際メディアに掲載する動きに対抗し、ニューズウィーク誌に「中国は1970年まで尖閣諸島の主権を一度も主張したことがなかった」とするコラムを掲載させるなど、国際世論への働きかけに尽力しました。

2013年には在インド日本国大使館次席公使に就任し、アジア地域における外交活動を推進しました。2015年には外務報道官として、中国国営新華社通信が太平洋戦争に関する報道を行った際に、中国側に抗議を行ったことを明らかにしました。

2017年からは国際連合日本政府代表部特命全権大使・国際連合日本政府次席代表として、日本を代表して国連の場で活動しました。特に、日本海呼称問題においては、韓国の主張に対し、「不適当な主張で、許されるべきではない」と反論するなど、日本の立場を明確に主張しました。2019年には駐カナダ特命全権大使に任命され、カナダとの関係強化に努め、2022年に離任しました。

退任後も、文部科学省日本ユネスコ国内委員会委員や、ライジングサンセキュリティーサービス顧問に就任し、多方面で活躍を続けています。

同期入省の外交官たち

川村氏と同期には、以下のような外交官たちがいます。彼らもまた、日本の外交を支える重要な役割を担っています。

兼原信克（元国家安全保障局次長、元内閣官房副長官補）
泉裕泰（日本台湾交流協会台北事務所長、元バングラデシュ大使）
上月豊久（元ロシア大使）
岡村善文（OECD大使、人権人道担当大使）
山田彰（元ブラジル大使、元メキシコ大使）
上村司（日本国政府代表（中東和平担当特使）、元サウジアラビア大使）
佐藤地（元ハンガリー大使、元ユネスコ大使）
側嶋秀展（元ミクロネシア大使、元ザンビア大使）
香川剛廣（国際貿易・経済担当大使、元エジプト大使）
石兼公博（国連大使、元カナダ大使）
高岡正人（元クウェート大使、元モンゴル大使、元シドニー総領事、元イラク大使）
高木昌弘（ドミニカ共和国大使、クリチバ総領事）
冨田浩司（駐米大使、元韓国大使、元イスラエル大使）
川村裕（依願免職、元ノルウェー大使、元沖縄大使、元コートジボワール兼トーゴ兼ニジェール大使）
嘉治美佐子（元クロアチア大使、元ジュネーヴ代表部大使）
宮島昭夫（元ポーランド大使、元トルコ大使）
重枝豊英（元リトアニア大使）
石井哲也（元トンガ大使）
岡田誠司（元バチカン大使、元南スーダン大使）
冨永純正（元青年海外協力協会会長、元コンゴ民主共和国大使）
奥克彦（イラク日本人外交官射殺事件犠牲者、殉職）
伊藤光子（世界の子どもにワクチンを日本委員会事務局長）
福嶌教輝（メキシコ大使、アルゼンチン大使）
福嶌香代子（ナッシュビル総領事）

外部リンク

ポスト・パンデミック 移民立国カナダの選択 - 2022年2月
（コロナ特集）第一波を抑え慎重に再開を進めるカナダ - 2020年7月29日


川村泰久は、長年にわたり、日本の外交に貢献してきた人物です。彼の幅広い経験と国際舞台での活躍は、日本の外交史に深く刻まれることでしょう。

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