大宮季衡

大宮季衡（おおみや すえひら）

大宮季衡は、鎌倉時代後期に活躍した公卿です。左大臣・西園寺公衡の長男として生まれ、母は藤原光保の娘でした。その官位は従一位・右大臣にまで上り詰めました。

経歴

季衡は、侍従、左近衛少将、上野介、播磨介などを歴任し、延慶元年（1308年）に従三位に叙せられ、公卿としての地位を確立しました。その後も順調に昇進を重ね、延慶2年（1309年）には正三位・左近衛中将、延慶3年（1310年）には従二位・参議、間もなく権中納言に任じられました。

正和2年（1312年）には正二位、文保2年（1318年）には権大納言となり、その地位をさらに高めます。嘉暦元年（1326年）には、妹である西園寺寧子が産んだ量仁親王が後醍醐天皇の皇太子となったことで、大納言に昇進しました。元徳2年（1330年）には従一位に叙せられ、量仁親王が即位（光厳天皇）した翌年の元徳3年（1331年）には、天皇の外叔父として内大臣に、正慶元年（1332年）には右大臣に任じられました。官位・官職ともに異母弟である実衡を上回りましたが、鎌倉幕府滅亡直前の正慶2年（1333年）3月に出家し、その生涯を閉じました。法名は空勝。

系譜

父：西園寺公衡
母：藤原兼子（藤原光保女）
妻：久我通雄女
長男：大宮氏衡
次男：大宮公名
男子：寛覚
女子：関白・九条道教北政所
女子：三条公忠室

大宮家自体は、孫の氏尚の代で一時断絶しましたが（江戸時代に再興）、女系を通して甲斐武田氏や伏見宮を始めとする旧宮家、越前松平家などに血統が伝えられました。

大宮季衡―娘(三条公忠室)―三条実冬―三条公冬―三条実量―三条公敦―三条実香―三条公頼―三条の方（武田晴信正室）―海野信親―（高家武田家）
大宮季衡―（5代略）―三条実香―三条香子（貞敦親王御息所）―邦輔親王―（以後歴代伏見宮及び各支流宮家当主）
* 大宮季衡―（7代略）―邦輔親王―（3代略）―邦永親王―岩姫（松平宣維正室）―松平宗衍―五百姫（稲葉正諶室）―娘（大岡忠固室）―娘（酒井忠良正室）―酒井忠匡―（以後左衛門尉酒井家分家各当主）

このように、大宮季衡の血筋は、時代を超えて日本の歴史に深く関わる様々な家系へと受け継がれていったのです。

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