慕容彪

慕容彪（ぼよう ひょう）

慕容彪（生没年不詳）は、五胡十六国時代の前燕に仕えた人物です。鮮卑慕容部の大人である慕容廆の子として生まれました。

生涯

慕容彪は前燕に仕え、左将軍という要職に任じられました。その軍事的な才能は、数々の戦で発揮されています。

宇文部との戦い

建元2年（344年）1月、燕王慕容皝は宇文部の南羅大渉夜干の居城を威徳城と改め、慕容彪に守備を命じました。後趙の天王石虎は、右将軍白勝と并州刺史王覇に威徳城を攻めさせましたが、慕容彪はこれを撃退。追撃戦では後趙軍を大いに破りました。

冉魏攻略戦

永和7年（351年）8月、輔国将軍慕容恪は慕容彪に、冉魏の寧北将軍白同と中山郡太守侯龕が守る唐城を攻めさせました。慕容彪は見事に中山を攻略し、白同を討ち取り、侯龕と幽州刺史劉準を降伏させました。この功績により、前燕の勢力拡大に大きく貢献しました。

人材推薦

元璽2年（353年）12月、衛将軍慕容恪・撫軍将軍慕容軍とともに、給事黄門侍郎慕容覇の才能を高く評価し、その大任を委ねるよう燕王慕容儁に何度も上表しました。その結果、慕容覇は使持節・安東将軍・北冀州刺史に昇進し、常山に鎮することとなりました。慕容彪の進言は、有能な人材の登用につながったと言えるでしょう。

武昌王に封じられる

元璽3年（354年）4月、慕容彪は武昌王に封じられました。しかし、これ以後の事績は史書に記されておらず、その後の人生は不明です。

家族構成

父: 慕容廆
兄弟:
慕容翰 (庶長子)
慕容皝 (嫡長子、三男)
慕容仁
慕容昭
慕容幼
慕容稚
慕容軍
慕容汗
慕容評
姉妹:
慕容氏 (代王拓跋什翼犍にとついだ)

参考文献

『晋書』巻107、巻109
『資治通鑑』巻97、巻99
『十六国春秋』巻19、巻25 - 巻27

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