棋書 (囲碁)

棋書とは

棋書とは、囲碁に関する書籍の総称です。囲碁のルールを解説した入門書から、プロ棋士の対局を記録した棋譜集、囲碁の戦術や戦略を解説した書籍、詰碁問題を集めた書籍など、多岐にわたる内容のものが存在します。棋書は、囲碁を学ぶ上で欠かせないツールであり、上達を目指す上で貴重な情報源となります。また、過去の名局を振り返ることで、囲碁の歴史や文化に触れることもできます。

棋書の種類

棋書は、その内容によって、以下のように分類することができます。

ルール解説書: 囲碁のルールを初めて学ぶ人向けの書籍です。基本的なルールや用語をわかりやすく解説しています。
打碁集: 過去の対局の棋譜を収録した書籍です。棋士別、棋戦別、テーマ別など、様々な種類があります。プロ棋士の思考や戦略を学ぶ上で重要な資料となります。
解説書: 囲碁の理論や戦術、上達のためのアドバイスなどを解説した書籍です。布石、定石、手筋、ヨセなど、テーマごとに詳細な解説がされています。
辞典: 定石や布石、その他の用語などを整理してまとめた書籍です。囲碁の知識を体系的に学ぶ上で役立ちます。
詰碁集: 詰碁の問題を集めた書籍です。手筋、攻め合い、ヨセなど、様々なテーマの問題が収録されています。実戦での判断力や読みの力を養うのに役立ちます。
雑誌・新聞: 囲碁の専門誌や新聞です。最新の棋戦情報や棋士のインタビュー、囲碁の理論や戦術に関する記事などが掲載されています。

歴史的な棋書

囲碁の歴史とともに、多くの棋書が編纂されてきました。以下に代表的なものを紹介します。

『忘憂清楽集』: 最古の本格的な棋書とされる、北宋末期に李逸民が編纂した書物です。囲碁論、打碁、定石、詰碁などが収められています。
『玄玄碁経』: 南宋時代に厳徳甫と晏天章が編纂した書物です。囲碁論、定石、布石、打碁、詰碁などが収められています。
『適情録』: 中国に滞在していた日本の虚中上人が林応龍とともに編纂した書物です。囲碁論、棋譜、定石、詰碁などを収めています。

代表的な打碁集

『国技観光』: 本因坊丈和が自戦譜73局に解説を付けたものです。
『囲碁妙伝』: 井上幻庵因碩が自戦譜に解説を付けたものです。
『敲玉余韵』: 本因坊秀策の打碁集で、石谷広策がまとめたものです。日本以外にも中国、韓国などでも愛読されています。
『御城碁譜』: 瀬越憲作らによってまとめられた、御城碁の記録です。
『日本囲碁大系』: 筑摩書房より刊行された、本因坊算砂から本因坊秀哉までの棋士毎の棋譜を収録したものです。
『現代囲碁大系』: 講談社より刊行された、明治から昭和までの棋士毎の棋譜を収録したものです。
『呉清源打込十番碁集』、『呉清源自選百局』、『呉清源全集』、『呉清源打碁全集』: 呉清源の棋譜をまとめたものです。
『曺薫鉉囲碁名局集』: 曺薫鉉の打碁集です。
『聶衛平囲碁名局集』: 聶衛平の打碁集です。
『日本棋院囲碁年鑑』: 毎年の日本のプロ、アマチュアの国内棋戦、国際棋戦の棋譜を収録したものです。
『韓国棋院囲碁年鑑』: 韓国棋院刊。

その他、多くの著名棋士の打碁集が出版されています。

代表的な詰碁集

『官子譜』: 明の時代に過百齢が著し、その後、陶式玉らに再編されたものです。
『囲碁発陽論』: 井上道節因碩が著したもので、難解なことで知られ、「不断桜」とも呼ばれています。
『碁経衆妙』: 船橋元美（林元美）が著したもので、比較的平易な問題が集められています。
『死活妙機』: 本因坊秀哉が実戦を元に作成した問題集です。
『前田詰碁集』、『新選前田詰碁集』: 昭和の代表的な詰碁作家前田陳爾の作品集です。
『寿石不老』、『自強不息』: 呉清源の作品集です。
『張栩の詰碁』: 張栩の作品集です。

雑誌・新聞

「碁ワールド」 (日本棋院発行)
「囲碁未来」 (日本棋院発行)
「週刊碁」 (日本棋院発行)
「囲碁関西」 (関西棋院発行)
「NHK[[囲碁講座]]」 (日本放送出版協会)
「圍碁」 (誠文堂新光社)
「囲棋天地」 (中国の新体育雑誌社)

その他

囲碁に関する書籍としては、以下のようなものもありますが、一般には棋書とは呼ばれていません。

囲碁の歴史や文化について述べたもの
棋士の評伝、自伝、随筆
囲碁を題材にした小説、漫画、随筆、及び映画・ドラマ等の解説書
囲碁のコンピュータゲームに関する研究書、特定のゲームの説明書

関連項目

定石
詰碁
棋書 (将棋)

外部リンク

出版・販売 - 日本棋院
* 囲碁用品 - 関西棋院

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