2018年の科学

2018年の科学

2018年は、科学技術の分野で目覚ましい進展が見られた年でした。宇宙探査から医学、物理学に至るまで、様々な分野で重要な発見や技術革新がありました。以下に、その主な出来事を詳細に記述します。

1月

1月9日: エジプトで発見された隕石「ヒュパティア」の分析結果が発表されました。この隕石は、太陽系よりも古い可能性のある珍しい組成を持つことが判明し、太陽系の起源に関する新たな手がかりを与えてくれるかもしれません。
1月10日: 謎の減光が観測されていた恒星KIC 8462852について、ダイソン球などの人工構造物ではなく、宇宙塵が原因である可能性が高いとする研究結果が発表されました。
1月24日: 中国科学院の研究チームが、世界初のサルクローン「中中」と「華華」を作り出すことに成功しました。この成果は、生物学研究における新たな可能性を示唆しています。
1月31日: この日、皆既月食が観測されました。

2月

2月3日: JAXAが世界最小のローンチ・ヴィークルとなるSS-520ロケットの打ち上げに成功しました。この成功は、宇宙開発における小型ロケットの可能性を広げました。
2月6日: スペースX社のファルコンヘビーロケットが初飛行に成功しました。これは、宇宙輸送における新たな時代を告げる出来事でした。
2月9日: エジンバラ大学の研究チームが、実験室で初めてヒトの卵子の培養に成功しました。この成果は、不妊治療の分野に大きな進歩をもたらす可能性があります。
2月14日: マウス実験で、酵素BACE1を阻害すると、アルツハイマー病の原因となるプラークの形成が抑制されることが示されました。この発見は、アルツハイマー病の治療薬開発に向けた重要な一歩です。

3月

3月5日: グラフェンの原子構造を特定の方法で並び替えると、超伝導の性質を示すことが明らかになりました。この発見は、新たな電子デバイスの開発につながる可能性があります。
3月8日: 地球上ではこれまで確認されていなかった氷VIIが、ダイヤモンドの中から発見されました。この発見は、地球内部の構造に関する理解を深める上で重要です。
3月26日: ジョンズ・ホプキンス大学で、世界初の陰茎と陰嚢の移植手術が実施されました。この手術は、再生医療における新たな可能性を示しました。

4月

4月2日: 制御不能になった中国の宇宙ステーション「天宮1号」が、大気圏に再突入し、南太平洋上に落下しました。また、地球から約90億光年離れた恒星「イカロス」が観測され、単独の恒星としては観測史上最遠記録を大幅に更新しました。
4月10日: 早稲田大学と東京大学の研究チームが、南鳥島沖の海底に膨大な量のレアアースを発見しました。これは、日本の資源確保にとって非常に重要な発見です。
4月11日: メキシコ湾流が過去1600年で最も弱まっていることが判明しました。この変化は、地球の気候に大きな影響を与える可能性があります。
4月18日: NASAの宇宙望遠鏡TESSが打ち上げられました。この望遠鏡は、太陽系外惑星の探査に大きく貢献することが期待されています。
4月27日: 3月に亡くなったスティーヴン・ホーキング博士の最後の論文が発表されました。

5月

5月2日: 太陽系外惑星WASP-107bの大気中にヘリウムが存在することが発見されました。この発見は、惑星の大気組成に関する理解を深める上で重要です。
5月14日: 探査機ガリレオの観測データ分析から、木星の衛星エウロパでも土星の衛星エンケラドゥスと同様に水の噴出活動が確認されました。この事実は、エウロパにおける生命の可能性を示唆しています。
5月22日: CRISPR/Cas9技術を利用して、従来の品種よりも収穫量の多いイネの品種が開発されたと発表されました。この技術は、食糧問題の解決に貢献する可能性があります。

6月

6月4日: CERNの実験で、ヒッグス粒子とトップクォークの直接結合が初めて観測されました。
6月7日: NASAの火星探査ローバー「キュリオシティ」が、火星の大気中に含まれるメタンの周期的な変動や、複雑な有機化合物を検出したと発表されました。この発見は、火星における生命の痕跡を探る上で非常に重要です。
6月16日: 超新星の10倍から100倍の明るさを持つ突発天体AT2018cowが観測されました。
6月20日: 遺伝子編集により、豚繁殖・呼吸障害症候群への耐性を獲得したブタが誕生したと発表されました。この技術は、家畜の病気対策に役立つ可能性があります。
6月27日: 小惑星探査機はやぶさ2が、小惑星リュウグウに到着したことが確認されました。また、土星の衛星エンケラドゥスから複雑な有機化合物が検出されたことも発表されました。

7月

7月2日: 形成されたばかりの太陽系外惑星PDS 70bの撮影に成功しました。
7月17日: 木星の衛星が新たに12個発見され、木星の衛星数は79となりました。
7月19日: 高速電子顕微鏡を使って、キイロショウジョウバエのコネクトーム（神経回路網）がマッピングされ、10万を超えるニューロンの繋がりが可視化されました。

8月

8月1日: 研究室で培養された肺をブタに移植することに成功したとする論文が発表されました。これは、再生医療における大きな進歩です。
8月12日: 太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブが打ち上げられました。この探査機は、太陽の謎を解き明かすことが期待されています。
8月14日: 巨大マゼラン望遠鏡の建設がチリで始まりました。
8月16日: 13年の歳月を経て、コムギのゲノムの全塩基配列が解読されました。
8月28日: CERNの実験で、ヒッグス粒子がボトムクォークの対に崩壊する様子が初めて観測されました。

9月

9月16日: 高齢者の日常的なアスピリン服用には効果がないだけでなく、有害となる危険性があることが報告されました。
9月22日: 小惑星探査機はやぶさ2が、小惑星リュウグウで小型探査ローバー「ミネルバII」を分離、着陸に成功させました。
9月27日: PCBによる海洋汚染がシャチの個体数を激減させる可能性があるとする論文が発表されました。

10月

10月3日: 太陽系外惑星ケプラー1625bを周回する衛星の可能性が発表されました。
10月8日: IPCCが1.5℃特別報告書を発表しました。
10月12日: 毎秒10兆フレームで撮影できるカメラが開発されたと発表されました。
10月19日: JAXAとESAの水星探査機ベピ・コロンボが打ち上げられました。
10月26日: 地球-月の系でのラグランジュ点に、雲状の天体「コーディレフスキー雲」が存在することが確認されました。
10月30日: 燃料切れにより、NASAのケプラー宇宙望遠鏡が引退しました。この望遠鏡は、9年間で2600個以上の太陽系外惑星を発見しました。

11月

11月1日: 探査機ドーンのミッション終了が発表されました。
11月5日: オゾンホールの回復が従来の予想より早いことが発表されました。
11月14日: グリーンランドの氷河の下に直径31kmのクレーターが発見されました。これは、約300万年前に隕石が衝突してできたものとされています。
11月15日: 地球からわずか6光年離れたバーナード星の周りに、スーパーアースの可能性がある惑星が発見されました。
11月22日: 慢性腎不全の原因となる35の遺伝子が特定されました。
11月26日: 中国の研究者が、HIV感染を防ぐゲノム編集を施した双子の赤ちゃんを誕生させたと主張しました。この研究は、倫理的な観点から大きな議論を呼びました。

12月

12月2日～15日: 第24回気候変動枠組条約締約国会議（COP24）が開催されました。
12月3日: NASAの小惑星探査機「オサイリス・レックス」が小惑星ベンヌに到着しました。
12月5日: ディープラーニングを利用したアルゴリズムが、CAPTCHAを0.05秒で解読できることが発表されました。
12月7日: 51番目のメルセンヌ素数が発見されました。
12月8日: 中国の月探査機「嫦娥4号」が打ち上げられました。
12月17日: 太陽系外縁天体「ファーアウト」が発見されました。
12月20日: 米科学誌『サイエンス』が、その年のブレークスルー・オブ・ザ・イヤーを発表しました。

受賞

2018年には、多くの科学者がその功績を称えられ、様々な賞を受賞しました。これらの受賞は、科学の進歩に貢献した人々の努力と才能を称えるものです。

死去

2018年には、多くの著名な科学者が亡くなりました。彼らの業績は、今後の科学研究に大きな影響を与えるでしょう。

まとめ

2018年は、科学技術の分野において、多くの重要な発見と進歩があった年でした。宇宙探査、医学、物理学など、多岐にわたる分野で新たな知見が得られ、今後の研究や技術開発に大きな期待が寄せられています。これらの出来事は、人類の知識の進歩を示すとともに、新たな課題への挑戦を促すものです。

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