ラランド賞

ラランド賞(Prix Lalande)とは



ラランド賞は、1802年から1970年までフランス科学アカデミーによって授与されていた、天文学における重要な賞です。この賞は、天文学ジェローム・ラランドが1801年に行った寄付を基に設立されました。ラランドの功績を称え、天文学の発展に寄与した人物に贈られました。

賞の変遷



ラランド賞は、その歴史の中でいくつかの変遷を経験しています。当初は独立した賞として運営されていましたが、後に同じく天文学者のバンジャマン・ワルツの名を冠したバンジャマン・ワルツ賞と統合され、「ラランド=バンジャマン・ワルツ賞(Prix Lalande-Benjamin Valz)」となりました。さらに、1997年以降は、他の122の同種の基金と統合され、フランス科学アカデミーのグランドメダルの一部となりました。

受賞者



ラランド賞は、その長い歴史の中で多くの著名な天文学者や科学者に贈られてきました。以下に、主な受賞者を年代順に示します。

1803年ジュゼッペ・ピアッツィ
1804年カール・ハーディング
1807年クロード・ルイ・マチュー
1810年カール・フリードリヒ・ガウス
1817年:ジョン・ポンド
1818年ジャン=ルイ・ポン
1825年ジョン・ハーシェルジェームズ・サウス
1834年ジョージ・ビドル・エアリー
1835年:パルム・ボグスラフスキー
1839年ヨハン・ゴットフリート・ガレ
1840年エルヴェ・フェイ
1844年フランチェスコ・デ・ヴィコハインリヒ・ダレスト
1851年ジョン・ハインドアンニーバレ・デ・ガスパリス
1852年ジョン・ハインドアンニーバレ・デ・ガスパリスロベルト・ルタージャン・シャコルナクヘルマン・ゴルトシュミット
1854年ロベルト・ルターアルベルト・マルトジョン・ハインドジェイムズ・ファーガソンヘルマン・ゴルトシュミット
1855年ジャン・シャコルナクロベルト・ルターヘルマン・ゴルトシュミット
1856年ジャン・シャコルナクノーマン・ポグソン
1857年ヘルマン・ゴルトシュミットカール・ブルーンス
1858年:A・ローラン、ヘルマン・ゴルトシュミットジョージ・サールホレース・タットルフリードリヒ・ヴィネッケジョヴァンニ・バッティスタ・ドナティ
1860年ロベルト・ルター
1861年エルンスト・テンペルロベルト・ルターヘルマン・ゴルトシュミット
1862年アルヴァン・グラハム・クラーク
1865年リチャード・キャリントン
1866年ウォーレン・デラルー
1868年ジョヴァンニ・スキアパレッリ
1869年:ピエール・ジャンサン
1870年ウィリアム・ハギンズ
1880年エドワード・ジェームズ・ストーン
1882年ルイス・スウィフト
1883年ギヨーム・ビゴルダン
1889年:フランソワ・ゴネシア
1891年ギヨーム・ビゴルダン
1892年エドワード・エマーソン・バーナード
1893年レオポルド・シュルホフ
1895年:モーリス・アミー
1899年ウィリアム・ロバート・ブルックス
1900年ミシェル・ジャコビニ
1903年ウィリアム・ウォレス・キャンベル
1904年シャーバーン・バーナム
1906年ウィリアム・ヘンリー・ピッカリングロバート・グラント・エイトケン
1909年アルフォンス・ボレリー
1910年フィリップ・コーウェルアンドリュー・クロンメリン
1911年ルイス・ボス
1912年ヘルマン・コボルト
1916年ジェローム・E・コッジャ
1918年:アリスタルフ・ベロポルスキ
1919年ヴェスト・スライファー
1920年レオポルド・シュルホフ
1922年ヘンリー・ノリス・ラッセル
1928年ベルナール・リヨ
1936年ルイ・ボワイエ
1937年ミシェル・ジャコビニ
1938年アンドレ・ラルマン
1939年マルグリット・ロージェ
1943年アレクサンドル・ショーマス


ラランド賞の意義



ラランド賞は、19世紀から20世紀にかけての天文学の発展に大きく貢献した多くの科学者を称えるものでした。受賞者の中には、後にノーベル賞を受賞する科学者もおり、この賞が天文学界において重要な役割を果たしていたことがわかります。また、この賞は、天文学の研究を奨励し、科学の進歩を促進する上で重要な役割を果たしました。

現在のラランド賞



ラランド賞は、1970年にその歴史を終えましたが、その精神はグランドメダルとして受け継がれています。現在では、天文学だけでなく、様々な科学分野における顕著な業績に対してグランドメダルが授与されています。


外部リンク



Lalande sur le site de l'Académie des sciences


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