遠山友政

遠山友政（とおやま ともまさ）

遠山友政は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将であり、美濃国苗木藩の初代藩主です。美濃国土岐郡高山城主の平井頼母の次女、松姫を正室としました。幼名は三郎兵衛、後に父と同じ久兵衛を名乗りました。

生涯

1556年、遠山友忠の三男として、美濃国飯羽間城（現在の岐阜県恵那市岩村町飯羽間）で生まれました。父・友忠は明照遠山氏を継ぎ、阿寺城に移りましたが、祖父の遠山友勝の死後、友政は父と共に苗木城に移りました。

1574年、武田勝頼が東濃に侵攻すると、長兄の遠山友信は武田方に内応、次兄の遠山友重は阿寺城落城の際に討ち死にしました。これにより、三男の友政が苗木遠山氏の家督を継ぐことになりました。

1582年、本能寺の変で織田信長が討たれると、羽柴秀吉（後の豊臣秀吉）は友政に森長可への従属を命じましたが、友政はこれを拒否しました。翌年、森長可との戦いに敗れた友政は、父や家臣と共に徳川家康を頼り浜松へ落ち延び、菅沼定利の配下となりました。

1585年、徳川家康は下条康長に対し、天文年間から下条氏が占領していた恵那郡落合村を遠山友政に引き渡すよう命じました。1590年の小田原征伐後、徳川氏が関東に移ると、友政は榊原康政（または井伊直政）に属し、上野国館林に移りました。

1600年、関ヶ原の戦いが勃発すると、東美濃の諸将は西軍に属しましたが、友政は徳川家康の命を受け、木曾義利の旧臣らと共に旧領奪還を目指します。家康は友政に木曽路と美濃への道筋を尋ね、詳細な報告に感銘を受け、鉄砲や黄金を与えました。

同年、友政は山村良勝・千村良重らと共に館林を出発し、木曽衆の協力を得て旧領に入りました。苗木城代の関盛祥は防戦を諦め退去し、友政は18年ぶりに苗木城へ帰還しました。明知城、小里城、妻木城も奪還され、最後に岩村城を包囲したところで関ヶ原の戦いが終結し、東濃の戦いは東軍の勝利に終わりました。

徳川秀忠軍が木曽路を進軍する際には、離散した住民を帰還させ、食料を提供しました。これらの功績により、友政は河尻秀長に没収されていた苗木城と旧領1万500石の知行を回復し、苗木藩初代藩主となりました。

藩主として

藩主となった友政は、1602年に代官と庄屋の勤務定書を公布し、1605年には永不作田畑開発定書を出し、新田開発を奨励しました。これにより、2,129石の新田高を得ています。

1610年、徳川家康が駿府城を再建する際には奉行を務め、普請用の材木を調達しました。この際、日比野村の神明社と福岡村の天王社に祈願し、完成後には両社を修築しています。

大坂の陣では、冬の陣では伊勢国桑名城を守備し、夏の陣では松平忠明の隊に属して武功を挙げました。

1615年、友政は菩提寺として雲林寺を建立しました。この寺は、かつて焼失した廣恵寺の代わりとなるもので、大仙寺の維天継縦を開山に招く予定でしたが、維天の高齢のため、梅龍寺の夬雲玄孚を開山としました。

死去

1620年、苗木城にて死去。享年65。法名は雲林寺殿心月宗伝居士。跡を嫡男の秀友が継ぎました。



遠山友政は、戦国時代の動乱を生き抜き、苗木藩の基礎を築いた人物として、その名が歴史に刻まれています。

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