1987年の相撲

1987年の大相撲

1987年の大相撲は、多くの出来事があった1年でした。力士の引退や年寄襲名、新横綱・大関の誕生、さらには現役横綱の廃業騒動まで、相撲界は大きな変動期を迎えていました。

大相撲の主な出来事

2月：元小結大豊が引退し、年寄荒汐を襲名。年寄待乳山（元増巳山）が停年。
3月：元関脇魁輝が引退し、年寄高島を襲名。高島(元前頭5枚目神幸)は廃業。
4月：年寄松ヶ根（元関脇羽嶋山）が停年。元前頭2枚目嗣子鵬が引退し、若者頭に転向。
5月：5月場所7日目に昭和天皇が観戦。場所後、北勝海の横綱推挙が決定。小錦の大関昇進も決まり、初の外国人大関が誕生。尾車部屋が草加市で土俵開き。
6月：力士運動会が江東区猿江の東京瓦斯グラウンドで10年ぶりに行われた。元関脇金城（元栃光）が廃業。前武蔵川理事長の協会葬が執り行われた。
7月：7月場所3日目、大関若嶋津が引退し、年寄松ヶ根を襲名。
8月：元十両7枚目白岩が引退、若者頭に転向。元前頭3枚目藤ノ川の服部が廃業。
9月：元前頭6枚目蜂矢が引退し、年寄小野川を襲名。9月場所後、大乃国の横綱推挙が決定。旭富士が大関に昇進。
10月：年寄湊川（元関脇玉ノ富士）が片男波部屋を継承。錣山親方（元小結若葉山）が停年。
11月：11月場所は4横綱全員が皆勤。
12月：31日に横綱双羽黒光司が親方と対立して廃業。これにより、4横綱時代は1場所で解消。

本場所の結果

一月場所（両国国技館）
幕内最高優勝：千代の富士貢（12勝3敗、20回目）
殊勲賞：小錦
技能賞：益荒雄
十両優勝：栃纒勇光（10勝5敗）
三月場所（大阪府立体育会館）
幕内最高優勝：北勝海信芳（12勝3敗、2回目）
殊勲賞：益荒雄
敢闘賞：栃乃和歌
技能賞：花乃湖
十両優勝：隆三杉貴士（13勝2敗）
五月場所（両国国技館）
幕内最高優勝：大乃国康（15戦全勝、初）
殊勲賞：益荒雄
敢闘賞：小錦
技能賞：旭富士
十両優勝：大乃花武虎（11勝4敗）
七月場所（愛知県体育館）
幕内最高優勝：千代の富士貢（14勝1敗、21回目）
殊勲賞：栃乃和歌
敢闘賞：出羽の花
技能賞：旭富士
十両優勝：舛田山靖仁（11勝4敗）
九月場所（両国国技館）
幕内最高優勝：北勝海信芳（14勝1敗、3回目）
殊勲賞：逆鉾
敢闘賞：旭富士
技能賞：旭富士
十両優勝：大乃花武虎（13勝2敗）
十一月場所（福岡国際センター）
幕内最高優勝：千代の富士貢（15戦全勝、22回目）
殊勲賞：逆鉾
技能賞：栃司
十両優勝：鳳凰倶往（12勝3敗）

年間最優秀力士賞：千代の富士貢（71勝15敗4休）
年間最多勝：北勝海信芳（72勝18敗）

この年に誕生した主な力士

2月18日：宝富士大輔（現役力士、伊勢ヶ濱部屋）
2月23日：臥牙丸勝（最高位：小結、木瀬部屋→北の湖部屋→木瀬部屋）
3月9日：栃煌山雄一郎（最高位：関脇、春日野部屋、年寄：清見潟）
4月19日：富士東和佳（現役力士、玉ノ井部屋）
4月23日：栃飛龍幸也（最高位：十両7枚目、春日野部屋）
5月11日：佐田の海貴士（現役力士、境川部屋）
5月12日：東龍強（最高位：前頭11枚目、玉ノ井部屋）
9月17日：千代桜右京（最高位：十両11枚目、九重部屋）
10月13日：栃ノ心剛史（最高位：大関、春日野部屋）

この年に亡くなった主な力士

1月22日：相模川佶延（最高位：関脇、春日野部屋、1917年生まれ）
3月26日：大ノ浦一廣（最高位：前頭16枚目、二所ノ関部屋→芝田山部屋→花籠部屋、1925年生まれ）
4月29日：常ノ山勝正（最高位：前頭2枚目、出羽海部屋、1925年生まれ）
5月30日：出羽ノ花國市（最高位：前頭筆頭、出羽海部屋、第4代日本相撲協会理事長、1909年生まれ）
9月27日：玉乃海太三郎（最高位：関脇、二所ノ関部屋、年寄：片男波、1923年生まれ）
10月15日：2代式守伊三郎（三役格行司（現役没）、時津風部屋、1925年生まれ）
12月18日：錦城山勇吉（最高位：前頭2枚目（大阪大関）、小野川部屋、1902年生まれ）

作品

つっぱり大相撲（テクモ）：相撲を題材とした初の家庭用ゲームソフト。9月18日発売。

その他

能美中学校相撲大会1年生の部で松井秀喜（根上中）が優勝。

出典

『相撲』誌各号
* 『大相撲戦後70年史』(ベースボールマガジン社、2015年)p91

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