2010年のメジャーリーグベースボール

2010年 メジャーリーグベースボールの動向

2010年のメジャーリーグベースボール（MLB）は、数々の記録達成と移籍劇が展開された激動のシーズンでした。以下に、その主な出来事を詳細にまとめました。

シーズン前の主な出来事

1月

1月6日：通算438本塁打、314盗塁を誇るアンドレ・ドーソンが野球殿堂入りを果たしました。
1月8日：フィラデルフィア・フィリーズからFAとなっていたブレット・マイヤーズが、ヒューストン・アストロズと1年500万ドルで契約合意。
1月9日：ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムからFAのブラディミール・ゲレーロが、テキサス・レンジャーズと1年600万ドルで契約を締結。
1月10日: キューバから亡命のアロルディス・チャップマンがシンシナティ・レッズと5年総額2000万ドルで契約合意。
1月11日：セントルイス・カージナルスの打撃コーチであったマーク・マグワイアが、現役時代にステロイドなどの薬物を使用していたことを告白し、謝罪。
1月14日：ヒューストン・アストロズからFAのホセ・バルベルデがデトロイト・タイガースと2年総額1400万ドルで契約合意。
1月20日：セントルイス・カージナルスからFAのジョエル・ピネイロがロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムと2年総額1600万ドルで契約合意。
1月23日：ヒューストン・アストロズからFAのミゲル・テハダが、3年前まで所属していたボルチモア・オリオールズと1年600万ドルで契約合意。
1月26日: サンディエゴ・パドレスは前ロサンゼルス・ドジャースのジョン・ガーランドと1年530万ドルで契約合意。
ミルウォーキー・ブルワーズからFAのベン・シーツがオークランド・アスレチックスと年俸1000万ドルで契約合意。
ロサンゼルス・ドジャースからFAのジム・トーミがミネソタ・ツインズと年俸150万ドルで契約合意。
1月27日：サンフランシスコ・ジャイアンツからFAのランディ・ウィンがニューヨーク・ヤンキースと1年200万ドルで契約合意。
1月29日: MLB機構は薬物規定違反でフロリダ・マーリンズ傘下のAAA級選手のアダム・カムと、FAのデュアネル・ジョーンズがそれぞれ50試合の出場停止処分を科した。

2月

2月11日：ニューヨーク・メッツがNPB読売ジャイアンツからFAの高橋尚成とマイナー契約。
アトランタ・ブレーブスは通算305勝投手のトム・グラビンの正式な現役引退と同球団の社長補佐への就任を発表。
MLB機構はテキサス・レンジャース傘下のマイナー選手のダニエル・グティエレスを薬物規定違反で今季開幕から50試合出場停止処分を科した。
2月16日：ニューヨーク・ヤンキースからFAの王建民がワシントン・ナショナルズと1年200万ドルで契約合意。
2月20日：年俸調停となった8選手の裁定がすべて終了。球団側が8件、選手側が3件で決着。
2月22日：ニューヨーク・ヤンキースからFAのジョニー・デーモンがデトロイト・タイガースと1年800万ドルで契約合意。前フィラデルフィア・フィリーズの朴賛浩はニューヨーク・ヤンキースと1年契約。

3月

3月18日：MLB機構は薬物規定違反でクリーブランド・インディアンス傘下のマイナー選手ジェフリー・クレトに50試合、シカゴ・カブス傘下のマイナー選手グレゴリオ・ロブレスに100試合の出場停止処分。

シーズン中の主な出来事

4月

4月14日：マイアミ・マーリンズのホルヘ・カントゥが、MLB新記録となる開幕から9試合連続安打と打点を記録。
4月17日: コロラド・ロッキーズのウバルド・ヒメネスが対アトランタ・ブレーブス戦で球団史上初のノーヒットノーランを達成。
4月20日: コロラド・ロッキーズの球団社長ケリー・マグレガーが急死。

その他のできごと
ミネソタ・ツインズの新本拠地ターゲット・フィールドが完成し、4月22日に初の公式戦が開催。
テキサス・レンジャーズの球団売却が合意、トム・ヒックス側が連邦倒産法第11章を申請するも、ノーラン・ライアンらのグループが落札し、球団オーナーとなった。

達成された記録

主な打者の記録

4月10日：ロサンゼルス・ドジャースのマニー・ラミレスが通算2500安打を達成。
4月12日：ワシントン・ナショナルズのイバン・ロドリゲスが通算550二塁打を達成。
4月26日：ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムの松井秀喜がMLB通算1000安打を達成。
4月29日：デトロイト・タイガースのマグリオ・オルドニェスが通算2000安打を達成。
5月12日：カンザスシティ・ロイヤルズのジェイソン・ケンドールが通算250死球を達成。
5月31日：ロサンゼルス・ドジャースのマニー・ラミレスが通算550本塁打を達成。
6月2日：ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムのボビー・アブレイユが通算500二塁打を達成。
6月28日：ミネソタ・ツインズのジム・トーミが通算1500得点を達成。
7月6日: デトロイト・タイガースのジョニー・デーモンが通算2500安打を達成。
7月11日：シカゴ・ホワイトソックスのアンドリュー・ジョーンズが通算400本塁打を達成。
7月24日: アトランタ・ブレーブスのブルックス・コンラッドが史上5人目となるシーズン2本目の代打満塁本塁打を達成。
7月28日: シカゴ・ホワイトソックスのポール・コネルコが通算350本塁打を達成。
7月31日：タンパベイ・レイズのカール・クロフォードが通算400盗塁を達成。
8月4日：ニューヨーク・ヤンキースのアレックス・ロドリゲスが通算600本塁打を達成、史上最年少記録。
アトランタ・ブレーブスのチッパー・ジョーンズが通算1500得点を達成。
8月5日：シカゴ・ホワイトソックスのフアン・ピエールが通算500盗塁を達成。
8月15日: セントルイス・カージナルスのアルバート・プホルスがシーズン30本塁打を放ち、新人からの連続30本塁打シーズン記録を10に更新。
8月21日：サンディエゴ・パドレスのマット・ステアーズが代打本塁打のMLB新記録を達成。
8月26日：セントルイス・カージナルスのアルバート・プホルスが通算400本塁打を達成。
8月29日：タンパベイ・レイズのカール・クロフォードが史上8人目となる100三塁打、100本塁打、400盗塁を達成。
9月5日：シカゴ・ホワイトソックスのアダム・ダンが通算350本塁打を達成。
9月6日：ニューヨーク・ヤンキースのアレックス・ロドリゲスがMLB新記録となる14度目のシーズン100打点を達成。
9月13日：フロリダ・マーリンズのダン・アグラが史上初のシーズン30本塁打を4度記録した二塁手となる。
9月19日：ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムのボビー・アブレイユが史上3人目となる9度目の20-20を達成。
9月23日：シアトル・マリナーズのイチローが10度目のシーズン200安打を達成し、MLB記録に並ぶ。同試合で、トロント・ブルージェイズのホセ・バティスタがシーズン50本塁打を達成。
9月29日：ボストン・レッドソックスのデビッド・オルティーズが指名打者での通算1000打点を達成。
ニューヨーク・ヤンキースのアレックス・ロドリゲスが自身の持っていた30本塁打100打点シーズン数のMLB記録を14に延ばした。
シンシナティ・レッズのジェイ・ブルースが地区優勝決定サヨナラホームランを放つ。

主な投手の記録

シーズンを通じて6度のノーヒットノーランが達成され、うち2回は完全試合。
ノーヒットノーラン達成：ウバルド・ヒメネス、エドウィン・ジャクソン、マット・ガーザ、ロイ・ハラデイ。
完全試合達成：ダラス・ブレイデン、ロイ・ハラデイ。
ロイ・ハラデイはポストシーズンでノーヒットノーランを達成した2人目の投手であり、年間2度の達成は1974年のノーラン・ライアン以来。
6月2日には、デトロイト・タイガースのアーマンド・ガララーガが誤審により完全試合を逃す出来事。
5月7日：フィラデルフィア・フィリーズのジェイミー・モイヤーが史上最高齢完封記録を更新。
5月12日：ニューヨーク・メッツのティム・ウェイクフィールドが通算2000奪三振を達成。
5月22日：ボストン・レッドソックスのフランシスコ・ロドリゲスが通算250セーブを達成。
5月23日：ミルウォーキー・ブルワーズのトレバー・ホフマンが通算1000登板を達成。
6月22日：フィラデルフィア・フィリーズのジェイミー・モイヤーがMLB記録に並ぶ通算505被本塁打を記録。翌登板で新記録を樹立。
6月25日：アトランタ・ブレーブスのビリー・ワグナーが通算400セーブを達成。
8月25日：シアトル・マリナーズのフェリックス・ヘルナンデスが通算400セーブを達成。
9月7日：ミルウォーキー・ブルワーズのトレバー・ホフマンが通算600セーブを達成、史上初。
9月25日：テキサス・レンジャーズのネフタリ・フェリスが新人セーブ記録を更新。

その他の記録

ピッツバーグ・パイレーツがMLBの連続負け越しシーズン記録を更新。
ピッツバーグ・パイレーツのビジターゲーム敗戦数がMLBタイ記録。
アリゾナ・ダイヤモンドバックスがシーズンチーム三振数のMLB記録を更新。
アトランタ・ブレーブスのボビー・コックス監督が監督通算2500勝を達成。
ミルウォーキー・ブルワーズが史上4球団目となるシーズン250本塁打を達成。
ボストン・レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークがMLB連続チケット完売記録を更新。
テキサス・レンジャーズが球団史上初のポストシーズンシリーズ勝利、ワールドシリーズ進出を達成。

ポストシーズン

ディビジョンシリーズ：
アメリカンリーグ：レンジャーズがレイズに勝利、ヤンキースがツインズに勝利。
ナショナルリーグ：フィリーズがレッズに勝利、ジャイアンツがブレーブスに勝利。
リーグチャンピオンシップシリーズ：
アメリカンリーグ：レンジャーズがヤンキースに勝利。
ナショナルリーグ：ジャイアンツがフィリーズに勝利。
ワールドシリーズ：
サンフランシスコ・ジャイアンツがテキサス・レンジャーズに勝利。

個人タイトル・表彰

全米野球記者協会（BBWAA）表彰、ゴールドグラブ賞、シルバースラッガー賞など。
プレイヤー・オブ・ザ・マンス、ピッチャー・オブ・ザ・マンス、ルーキー・オブ・ザ・マンス。

アメリカ野球殿堂入り

BBWAA投票：アンドレ・ドーソン
ベテランズ委員会選出：ホワイティ・ハーゾグ、ダグ・ハーヴェイ

引退選手

1月5日 - ランディ・ジョンソン
2月11日 - フランク・トーマス。
2月23日 - アーロン・ブーン

この年、多くの記録が更新され、MLBの歴史に新たな1ページが刻まれました。

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