三星火災杯世界囲碁マスターズ

三星火災杯世界囲碁マスターズ（サムスンかさいはいせかいいごマスターズ、삼성화재배월드바둑마스터스、三星车险杯世界围棋大师赛）は、1996年に創設された囲碁の国際棋戦です。当初は「三星火災杯世界囲碁オープン戦」として開催されていましたが、2009年の第14回大会から現在の名称である「三星火災杯世界囲碁マスターズ」に改称されました。

この棋戦は、中央日報、KBS、ユニテル（第1回から第9回まで）が主催し、サムスン火災海上保険（中国では三星財産保険）が後援しています。優勝賞金は、初期の40万米ドルから始まり、現在は3億ウォンとなっています。

大会には、日中韓のプロ棋士代表、歴代成績優秀者、主催者推薦者、前回4強入賞者の計16名に加え、日中韓台の棋士とアマチュア若干名が参加する統合予選を勝ち抜いた16名の計32名が出場し、優勝を争います。予選は男女別に行われ、男子14名、女子2名の枠が設けられています。

大会方式

大会は、第1回から第13回、および第24回以降は、32名によるノックアウトトーナメント方式で実施されています。第13回から第23回までは、32名を4名ずつ8組に分けて、各組でダブルエリミネーション方式のリーグ戦を行い、各組2勝者の計16名がトーナメントに進む形式でした。

決勝戦は、第1回が三番勝負、第2回から第5回が五番勝負、第6回からは三番勝負で行われます。準決勝は、第3回から第23回まで三番勝負でした。

コミは、第1回から第3回までが5目半、第4回からは6目半です。持ち時間は、第1回から第20回までが各3時間、1分の秒読み5回。第21回からは各2時間、1分の秒読み5回となっています。

歴代優勝者と決勝戦の結果

以下に、歴代の優勝者と決勝戦の結果をまとめます。（左が優勝者、括弧内は準決勝の結果）

1996年: 依田紀基（日本） 2-1 劉昌赫（韓国）
1997年: 李昌鎬（韓国） 3-0 小林覚（日本）
1998年: 李昌鎬（韓国） 3-2 馬暁春（中国）（李昌鎬 - 趙治勲、馬暁春 - 柳時熏）
1999年: 李昌鎬（韓国） 3-0 趙善津（日本）（李昌鎬 - 山田規三生、超善津 - 彦坂直人）
2000年: 劉昌赫（韓国） 3-1 山田規三生（日本）（劉昌赫 - 梁宰豪、山田規三生 - 徐奉洙）
2001年: 曺薫鉉（韓国） 2-1 常昊（中国）（曺薫鉉 - 馬暁春、常昊 - 李昌鎬）
2002年: 曺薫鉉（韓国） 2-0 王磊（中国）（曺薫鉉 2-0 王煜輝、王磊 2-0 胡耀宇）
2003年: 趙治勲（日本） 2-1 朴永訓（韓国）（趙治勲 2-0 胡耀宇、朴永訓 2-0 謝赫）
2004年: 李世乭（韓国） 2-0 王檄（中国）（李世乭 2-1 古力、王檄 2-1 周鶴洋）
2006年: 羅洗河（中国） 2-1 李昌鎬（韓国）（羅洗河 2-1 崔哲瀚、李昌鎬 2-1 胡耀宇）
2007年: 常昊（中国） 2-0 李昌鎬（韓国）（常昊 1-0 徐奉洙、李世乭 1-0 白洪淅）
2008年: 李世乭（韓国） 2-1 朴永訓（韓国）（李世乭 2-0 黄奕中、朴永訓 2-1 古力）
2009年: 李世乭（韓国） 2-0 孔傑（中国）（李世乭 2-0 黄奕中、孔傑 2-0 周睿羊）
2009年: 孔傑（中国） 2-0 邱峻（中国）（孔傑 2-0 古力、邱峻 2-1 李昌鎬）
2010年: 古力（中国） 2-1 許映皓（韓国）（古力 2-0 金志錫、許映皓 2-0 朴廷桓）
2011年: 元晟溱（韓国） 2-1 古力（中国）（元晟溱 2-1 陳耀燁、古力 2-0 羅玄）
2012年: 李世乭（韓国） 2-1 古力（中国）（李世乭 2-0 崔哲瀚、古力 2-0 朴廷桓）
2013年: 唐韋星（中国） 2-0 李世乭（韓国）（唐韋星 2-1 時越、李世乭 2-1 鄔光亜）
2014年: 金志錫（韓国） 2-0 唐韋星（中国）（金志錫 2-0 時越）、唐韋星 2-1 朴廷桓）
2015年: 柯潔（中国） 2-0 時越（中国）（柯潔 2-0 李世乭、時越 2-1 唐韋星）
2016年: 柯潔（中国） 2-1 柁嘉熹（中国）（柯潔 2-1 李世乭、柁嘉熹 2-1 范蘊若）
2017年: 辜梓豪（中国） 2-1 唐韋星（中国）
2018年: 柯潔（中国） 2-1 安国鉉（韓国）
2019年: 唐韋星（中国） 2-1 楊鼎新（中国）
2020年: 柯潔（中国） 2-0 申眞諝（韓国）
2021年: 朴廷桓（韓国） 2-1 申眞諝（韓国）
2022年: 申眞諝（韓国） 2-0 崔精（韓国）
2023年: 丁浩（中国） 2-1 謝爾豪（中国）
2024年: 丁浩（中国） 2-1 党毅飛（中国）

過去の大会

過去の大会では、様々なドラマが繰り広げられました。以下に、特に注目すべき大会の詳細を記載します。

第1回大会 (1996年)
1996年9月にソウルで1、2回戦、10月に釜山で3回戦、準決勝、11月25-29日にソウルで決勝三番勝負が行われました。出場棋士は、韓国7、日本5、中国4のシード選手、主催者推薦の金寅、林海峰、および予選勝ち抜き14名の計32名でした。

第2回大会 (1997年)
1997年8月13-15日に1、2回戦、9月19日に3回戦、10月9日に準決勝、10月31-11月28日に決勝五番勝負が行われました。出場棋士は、韓国7、日本5、中国4のシード選手、主催者推薦の金寅、林海峰、および予選勝ち抜き14名の計32名でした。

第22回大会 (2017年)
2017年9月5日から12月7日にかけて、韓国14、中国13、日本3、中華台北1、ポーランド1の計32名が出場しました。決勝では、辜梓豪が唐韋星を破り優勝しました。

第23回大会 (2018年)
2018年9月4日から12月5日にかけて、韓国11、中国16、日本3、中華台北1、マレーシア1の計32名が出場しました。決勝では、柯潔が安国鉉を破り優勝しました。

第24回大会 (2019年)
2019年に、韓国10、中国17、日本3、中華台北1、フランス1の計32名が出場しました。決勝三番勝負は唐韋星が楊鼎新を2-1で下して優勝しました。

第25回大会 (2020年)
2020年に、韓国10、中国17、日本4、中華台北1の計32名が出場しました。新型コロナウイルスの影響により、全局をネット対局で行いました。決勝三番勝負では、柯潔が申眞諝を2-0で破り、4度目の優勝を果たしました。

第26回大会 (2021年)
2021年に、韓国15、中国12、日本4、中華台北1の計32名が出場しました。新型コロナウイルスの影響により、全局をネット対局で行いました。決勝三番勝負では、朴廷桓が申眞諝を2-1で破り優勝しました。準々決勝では、韓国回線のネットワーク障害が発生し、対局が翌日に延期されました。

第27回大会 (2022年)
2022年10月27日から11月8日にかけて、韓国15、中国12、日本4、中華台北1の計32名が出場しました。新型コロナウイルスの影響により、全局をネット対局で行いました。決勝戦では、申眞諝が崔精を2-0で破り、悲願の初優勝を飾りました。

第28回大会 (2023年)
2023年11月16日から28日にかけて、韓国17、中国9、日本4、中華台北1、ウクライナ1の計32名が出場し、4年ぶりに対面対局で行いました。

第29回大会 (2024年)
予選は8月26日から31日まで韓国棋院で行われ、本戦は11月に開催予定です。

注

本記事は、三星火災杯世界囲碁マスターズの歴史、大会方式、歴代優勝者、過去の大会概要をまとめたものです。

外部リンク

サムスン火災サイト
日本棋院「三星火災杯世界囲碁マスターズ」
韓国棋院「삼성화재배 월드바둑마스터스」
* 新浪体育「第25届三星车险杯世界围棋大师赛」

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