久邇之宜
久邇之宜（くに ゆきのぶ）は、1950年1月6日に生まれ、2021年2月15日に生涯を閉じた、日本のピアニストです。国立音楽大学ピアノ科を卒業後、近藤孝子、クロイツァー豊子に師事し、伴奏法を小林道夫に学びました。彼の音楽キャリアは、畑中良輔の推薦により、曽我栄子のリヒャルト・シュトラウス全曲演奏会でのデビューから始まりました。このデビューは、朝日新聞や音楽の友といった主要な音楽メディアで高く評価され、その才能はすぐに注目を集めました。
その後、久邇は二期会、NHK、東京室内歌劇場などで活動を開始し、その演奏技術と音楽性が広く知られるようになりました。1979年から1981年にかけてはウィーン国立音楽大学に留学し、作曲家ローベルト・ショルムに師事。伴奏法と音楽解釈の研鑽を積みました。ウィーン滞在中は、数多くの音楽会に出演し、オーストリア放送協会（ORF）の音楽番組にも出演するなど、国際的な舞台でも活躍しました。
帰国後は、第一線で活躍する多くの声楽家や合唱団のピアニストとして数多くの共演を重ね、その信頼は非常に厚いものでした。彼は、伴奏者としての卓越した技術と、音楽への深い理解によって、多くの演奏家から絶大な信頼を得ていました。また、全日本合唱コンクールの審査員を務めるなど、合唱音楽の発展にも貢献しました。
教育者としては、2020年3月まで東邦音楽大学、東邦音楽大学大学院の特任教授、および東邦高等学校、東邦第二高等学校の講師を歴任し、後進の指導にも尽力しました。彼の教育への情熱は、多くの学生たちに影響を与え、音楽界の未来を担う人材育成に大きく貢献しました。
久邇之宜は、音楽界のみならず、日本の皇室とも深い繋がりがありました。父は久邇実栄（久邇邦久の養子）、祖母は香淳皇后の妹である三条西信子であり、今上天皇徳仁のいとこにあたります。大叔父である東伏見慈洽もピアニストであり、大叔母の大谷智子も音楽家という音楽一家でした。東伏見慈洽は、1931年に姉・大谷智子が作詞・歌唱した『同朋の歌』のピアノ演奏を担当し、1932年には近衛秀麿指揮の新交響楽団（NHK交響楽団の前身）とともにハイドンのピアノ協奏曲ニ長調を録音演奏するなど、音楽家としての活動を行っていました。また、大叔母の大谷智子の長女である大賀美都子の夫（義従叔父）は大賀寛であり、日本オペラ協会の創立者で総監督を長年務めた人物です。このように、久邇之宜の血縁には、日本の音楽文化を支えた重要な人物たちが名を連ねています。
彼の音楽活動は、数多くのCDにも記録されており、その一部を以下に紹介します。
『J.ブラームス ジプシーの歌/愛の歌』(2002年12月18日、ビクターエンタテインメント)
『トスティ歌曲集』松本美和子 / 久邇之宜 (1988年12月16日、ビクターエンタテインメント)
『松本美和子紫綬褒章授賞記念特別企画 トスティ:歌曲集大成』松本美和子 / 久邇之宜ほか(2006年10月25日、ビクターエンタテインメント)
『トスティ歌曲集』松本美和子 / 久邇之宜ほか (2014年6月25日、ビクターエンタテインメント)
『トスティ歌曲集大成』松本美和子 / 久邇之宜ほか(1996年3月23日、ビクターエンタテインメント)
『愛する小鳥よ』－東方の歌姫、世界の名歌をうたう 雀岩光 / 久邇之宜 (1994年4月21日、キングレコード)
『茉莉花－中国のうた』雀岩光 / 久邇之宜ほか (1995年5月24日、キングレコード)
『うるわしき歌声 愛の夢』斉田正子 / 久邇之宜ほか(1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
日本の合唱音楽シリーズ 佐藤眞『旅』東京混声合唱団 / 久邇之宜ほか (2006年3月31日、日本伝統文化振興財団)
日本の合唱音楽シリーズ 三枝成彰『川よとわに美しく』松原混声合唱団 / 久邇之宜ほか (2006年3月31日、日本伝統文化振興財団)
日本の合唱音楽シリーズ 萩原英彦『白い木馬』東京混声合唱団 / 久邇之宜ほか(2006年3月31日、日本伝統文化振興財団)
日本の合唱音楽シリーズ 新実徳英『幼年連祷』法政大学アカデミー合唱団 / 久邇之宜ほか (2006年3月31日、日本伝統文化振興財団)
『ウェルナーの野ばら』ザ・スコラーズ / 久邇之宜(1996年2月21日、EMIミュージック・ジャパン)
南弘明『月下の一群』早稲田大学グリークラブほか / 久邇之宜 (1989年8月2日、EMIミュージックジャパン)
三枝成彰『川よとわに美しく』北村協一 / 久邇之宜ほか(1989年8月2日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション3 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション4 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション5 浅井敬壹 / 久邇之宜ほか (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション7 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション8 福永陽一郎 / 久邇之宜 (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション13 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション14 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション15 近藤安个 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション18 北村協一 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション19 北村協一 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション20 北村協一 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
女声合唱のための唱歌メドレー 北村協一 / 久邇之宜ほか (1992年3月25日、EMIミュージックジャパン)
ベルコール20周年記念コンサート2006 鈴木峰男 / 久邇之宜 (2006年12月28日、ケージェイプロダクション)
久邇之宜は、71歳でその生涯を終えましたが、彼の音楽は、これからも多くの人々に愛され、語り継がれていくことでしょう。
その後、久邇は二期会、NHK、東京室内歌劇場などで活動を開始し、その演奏技術と音楽性が広く知られるようになりました。1979年から1981年にかけてはウィーン国立音楽大学に留学し、作曲家ローベルト・ショルムに師事。伴奏法と音楽解釈の研鑽を積みました。ウィーン滞在中は、数多くの音楽会に出演し、オーストリア放送協会（ORF）の音楽番組にも出演するなど、国際的な舞台でも活躍しました。
帰国後は、第一線で活躍する多くの声楽家や合唱団のピアニストとして数多くの共演を重ね、その信頼は非常に厚いものでした。彼は、伴奏者としての卓越した技術と、音楽への深い理解によって、多くの演奏家から絶大な信頼を得ていました。また、全日本合唱コンクールの審査員を務めるなど、合唱音楽の発展にも貢献しました。
教育者としては、2020年3月まで東邦音楽大学、東邦音楽大学大学院の特任教授、および東邦高等学校、東邦第二高等学校の講師を歴任し、後進の指導にも尽力しました。彼の教育への情熱は、多くの学生たちに影響を与え、音楽界の未来を担う人材育成に大きく貢献しました。
久邇之宜は、音楽界のみならず、日本の皇室とも深い繋がりがありました。父は久邇実栄（久邇邦久の養子）、祖母は香淳皇后の妹である三条西信子であり、今上天皇徳仁のいとこにあたります。大叔父である東伏見慈洽もピアニストであり、大叔母の大谷智子も音楽家という音楽一家でした。東伏見慈洽は、1931年に姉・大谷智子が作詞・歌唱した『同朋の歌』のピアノ演奏を担当し、1932年には近衛秀麿指揮の新交響楽団（NHK交響楽団の前身）とともにハイドンのピアノ協奏曲ニ長調を録音演奏するなど、音楽家としての活動を行っていました。また、大叔母の大谷智子の長女である大賀美都子の夫（義従叔父）は大賀寛であり、日本オペラ協会の創立者で総監督を長年務めた人物です。このように、久邇之宜の血縁には、日本の音楽文化を支えた重要な人物たちが名を連ねています。
彼の音楽活動は、数多くのCDにも記録されており、その一部を以下に紹介します。
『J.ブラームス ジプシーの歌/愛の歌』(2002年12月18日、ビクターエンタテインメント)
『トスティ歌曲集』松本美和子 / 久邇之宜 (1988年12月16日、ビクターエンタテインメント)
『松本美和子紫綬褒章授賞記念特別企画 トスティ:歌曲集大成』松本美和子 / 久邇之宜ほか(2006年10月25日、ビクターエンタテインメント)
『トスティ歌曲集』松本美和子 / 久邇之宜ほか (2014年6月25日、ビクターエンタテインメント)
『トスティ歌曲集大成』松本美和子 / 久邇之宜ほか(1996年3月23日、ビクターエンタテインメント)
『愛する小鳥よ』－東方の歌姫、世界の名歌をうたう 雀岩光 / 久邇之宜 (1994年4月21日、キングレコード)
『茉莉花－中国のうた』雀岩光 / 久邇之宜ほか (1995年5月24日、キングレコード)
『うるわしき歌声 愛の夢』斉田正子 / 久邇之宜ほか(1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
日本の合唱音楽シリーズ 佐藤眞『旅』東京混声合唱団 / 久邇之宜ほか (2006年3月31日、日本伝統文化振興財団)
日本の合唱音楽シリーズ 三枝成彰『川よとわに美しく』松原混声合唱団 / 久邇之宜ほか (2006年3月31日、日本伝統文化振興財団)
日本の合唱音楽シリーズ 萩原英彦『白い木馬』東京混声合唱団 / 久邇之宜ほか(2006年3月31日、日本伝統文化振興財団)
日本の合唱音楽シリーズ 新実徳英『幼年連祷』法政大学アカデミー合唱団 / 久邇之宜ほか (2006年3月31日、日本伝統文化振興財団)
『ウェルナーの野ばら』ザ・スコラーズ / 久邇之宜(1996年2月21日、EMIミュージック・ジャパン)
南弘明『月下の一群』早稲田大学グリークラブほか / 久邇之宜 (1989年8月2日、EMIミュージックジャパン)
三枝成彰『川よとわに美しく』北村協一 / 久邇之宜ほか(1989年8月2日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション3 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション4 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション5 浅井敬壹 / 久邇之宜ほか (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション7 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション8 福永陽一郎 / 久邇之宜 (1989年2月1日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション13 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション14 福永陽一郎 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション15 近藤安个 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション18 北村協一 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション19 北村協一 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
合唱名曲コレクション20 北村協一 / 久邇之宜ほか (1989年5月3日、EMIミュージックジャパン)
女声合唱のための唱歌メドレー 北村協一 / 久邇之宜ほか (1992年3月25日、EMIミュージックジャパン)
ベルコール20周年記念コンサート2006 鈴木峰男 / 久邇之宜 (2006年12月28日、ケージェイプロダクション)
久邇之宜は、71歳でその生涯を終えましたが、彼の音楽は、これからも多くの人々に愛され、語り継がれていくことでしょう。
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