2022年の鉄道
2022年は国内外の鉄道において、様々な動きが見られた一年でした。新規路線の開業や既存路線の延伸、駅の新設や廃止、主要なダイヤ改正、そして自然災害や事故による運行への影響など、鉄道を取り巻く環境の変化が顕著でした。
海外では、パリメトロ4号線やソウル交通公社4号線の延伸、香港MTR東鉄線やロンドン交通局エリザベス線の延伸・新規開業がありました。インドネシアでは大ジャカルタLRTが開業し、高雄捷運環状軽軌や台湾糖業鉄道蔗埕線も延伸されました。一方で、ロシアではモスクワ・サンクトペテルブルク高速鉄道の建設中止が発表されています。
国内では、9月に九州旅客鉄道（JR九州）が西九州新幹線（武雄温泉駅～長崎駅間）を開業させたことが大きな出来事でした。これに合わせて、大村線に新駅（新大村駅、大村車両基地駅）が開業し、長崎本線・佐世保線の肥前山口駅が江北駅に改称され、並行在来線の長崎本線の一部区間が電化廃止され、特急「かもめ」の運転系統が変更されるなど、大きな変化がありました。
各地で駅の新設や廃止も実施されました。JR北海道では札沼線にあいの里公園駅～太美駅間にロイズタウン駅が新設された一方で、函館本線や根室本線、宗谷本線の複数の駅が廃止・移転・改称されました。JR東日本では北上線の平石駅、矢美津駅が廃止となり、山田線の平津戸駅が休止。あいの風とやま鉄道線には富山駅～東富山駅間に新富山口駅が開業しています。駅名変更では、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の名古屋競馬場前駅が港北駅に、長良川鉄道越美南線の刃物会館前駅がせきてらす前駅に改称されました。
路線の設備変更としては、JR西日本奈良線（新田駅～城陽駅間）とJR九州佐世保線（大町駅～高橋駅間）の複線化が完了しました。西日本鉄道天神大牟田線（雑餉隈駅～下大利駅間）では高架化が完成しています。
運賃やサービスの変更も多岐にわたりました。JRグループは特急料金の改定を行い、特に指定席特急料金には新たに「最繁忙期」区分が設けられました。JR東日本と東海旅客鉄道の間で、えきねっととエクスプレス予約の相互受取が可能となるなど、予約サービスの利便性が向上。JR九州の新幹線にもエクスプレス予約・スマートEXが導入されました。北総鉄道と京成電鉄成田空港線は運賃値下げを実施。秩父鉄道は秩父本線全線でPASMOサービスを導入しました。富士急行は鉄道事業を富士山麓電気鉄道として分社化しています。
ダイヤ改正は多くの鉄道事業者で実施され、特に3月12日にはJRグループおよび全国の多くの私鉄・第三セクター鉄道で一斉に行われ、運行体系が見直されました。
自然災害や事故による影響も多く発生しました。1月、2月にはJR北海道で大雪による大規模な運休が相次ぎました。3月16日には福島県沖地震が発生し、東北新幹線で脱線事故が発生したほか、東北・関東の広い範囲で一時運転見合わせや、常磐線、阿武隈急行線などに被害が生じました。8月の豪雨では、JR東日本の津軽線、五能線、奥羽本線、花輪線、米坂線や秋田内陸縦貫鉄道線などで長期にわたる不通区間が発生しました。9月には台風14号、15号によりJR九州の複数路線、錦川鉄道線、大井川鐵道本線・井川線で被害が出て、一部区間が長期不通となりました。これらの不通区間では、年内に運転を再開した区間もありましたが、復旧が長期化している箇所も残りました。2011年の豪雨以来不通となっていたJR東日本只見線の会津川口駅～只見駅間が10月1日に運転を再開したことは、特筆すべき復旧事例です。海外では、伊予鉄道や中国鉄路で脱線事故が発生しています。労働争議も、英国や米国で発生し、運行に影響が出ました。
鉄道車両の動きも活発でした。JR東海では315系やHC85系が営業運転を開始し、国鉄から継承した211系の一部が運用を終了しました。JR東日本ではE131系が宇都宮線・日光線で投入され、115系、E127系0番台、205系、209系3100番台などが運用を終えました。JR西日本では221系がおおさか東線で運用開始する一方、103系や201系が運用終了。小田急電鉄の特急車両50000形「VSE」、JR東日本E3系700番台「とれいゆつばさ」、JR北海道キハ283系・キハ281系、JR九州キハ47形「はやとの風」、京阪電鉄6300系「京とれいん」など、多くの特徴的な車両が定期運用や営業運転を終了しました。また、横浜市交通局4000形、東京都交通局6500形、京都市交通局20系など、各社局で新型車両がデビューしています。消滅した形式としては、JR貨物EF67形、東京メトロ7000系などが挙げられます。観光列車ではJR九州のキハ40系・キハ47系「ふたつ星4047」や四国旅客鉄道キハ185系「伊予灘ものがたり」などが運転を開始し、JR北海道のキハ183系がタイ国有鉄道へ譲渡されるなど、海外譲渡も行われました。
受賞関連では、京急1000形1890番台がブルーリボン賞、東京メトロ17000系・18000系、京阪3850形がローレル賞を受賞しました。
その他、日本初の鉄道が開業してから150周年を迎えたことも注目されました。JR四国と徳島バスの間では、鉄道とバスの共同経営（並行モード連携モデル）が開始され、特定の区間で鉄道乗車券でのバス利用が可能になるなど、新たな連携の試みも始まりました。
2022年は、新しい技術の導入、サービスの向上、観光需要への対応など前向きな動きが見られた一方で、自然災害による長期不通や一部車両の引退など、変化の多い年であったと言えます。
海外では、パリメトロ4号線やソウル交通公社4号線の延伸、香港MTR東鉄線やロンドン交通局エリザベス線の延伸・新規開業がありました。インドネシアでは大ジャカルタLRTが開業し、高雄捷運環状軽軌や台湾糖業鉄道蔗埕線も延伸されました。一方で、ロシアではモスクワ・サンクトペテルブルク高速鉄道の建設中止が発表されています。
国内では、9月に九州旅客鉄道（JR九州）が西九州新幹線（武雄温泉駅～長崎駅間）を開業させたことが大きな出来事でした。これに合わせて、大村線に新駅（新大村駅、大村車両基地駅）が開業し、長崎本線・佐世保線の肥前山口駅が江北駅に改称され、並行在来線の長崎本線の一部区間が電化廃止され、特急「かもめ」の運転系統が変更されるなど、大きな変化がありました。
各地で駅の新設や廃止も実施されました。JR北海道では札沼線にあいの里公園駅～太美駅間にロイズタウン駅が新設された一方で、函館本線や根室本線、宗谷本線の複数の駅が廃止・移転・改称されました。JR東日本では北上線の平石駅、矢美津駅が廃止となり、山田線の平津戸駅が休止。あいの風とやま鉄道線には富山駅～東富山駅間に新富山口駅が開業しています。駅名変更では、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の名古屋競馬場前駅が港北駅に、長良川鉄道越美南線の刃物会館前駅がせきてらす前駅に改称されました。
路線の設備変更としては、JR西日本奈良線（新田駅～城陽駅間）とJR九州佐世保線（大町駅～高橋駅間）の複線化が完了しました。西日本鉄道天神大牟田線（雑餉隈駅～下大利駅間）では高架化が完成しています。
運賃やサービスの変更も多岐にわたりました。JRグループは特急料金の改定を行い、特に指定席特急料金には新たに「最繁忙期」区分が設けられました。JR東日本と東海旅客鉄道の間で、えきねっととエクスプレス予約の相互受取が可能となるなど、予約サービスの利便性が向上。JR九州の新幹線にもエクスプレス予約・スマートEXが導入されました。北総鉄道と京成電鉄成田空港線は運賃値下げを実施。秩父鉄道は秩父本線全線でPASMOサービスを導入しました。富士急行は鉄道事業を富士山麓電気鉄道として分社化しています。
ダイヤ改正は多くの鉄道事業者で実施され、特に3月12日にはJRグループおよび全国の多くの私鉄・第三セクター鉄道で一斉に行われ、運行体系が見直されました。
自然災害や事故による影響も多く発生しました。1月、2月にはJR北海道で大雪による大規模な運休が相次ぎました。3月16日には福島県沖地震が発生し、東北新幹線で脱線事故が発生したほか、東北・関東の広い範囲で一時運転見合わせや、常磐線、阿武隈急行線などに被害が生じました。8月の豪雨では、JR東日本の津軽線、五能線、奥羽本線、花輪線、米坂線や秋田内陸縦貫鉄道線などで長期にわたる不通区間が発生しました。9月には台風14号、15号によりJR九州の複数路線、錦川鉄道線、大井川鐵道本線・井川線で被害が出て、一部区間が長期不通となりました。これらの不通区間では、年内に運転を再開した区間もありましたが、復旧が長期化している箇所も残りました。2011年の豪雨以来不通となっていたJR東日本只見線の会津川口駅～只見駅間が10月1日に運転を再開したことは、特筆すべき復旧事例です。海外では、伊予鉄道や中国鉄路で脱線事故が発生しています。労働争議も、英国や米国で発生し、運行に影響が出ました。
鉄道車両の動きも活発でした。JR東海では315系やHC85系が営業運転を開始し、国鉄から継承した211系の一部が運用を終了しました。JR東日本ではE131系が宇都宮線・日光線で投入され、115系、E127系0番台、205系、209系3100番台などが運用を終えました。JR西日本では221系がおおさか東線で運用開始する一方、103系や201系が運用終了。小田急電鉄の特急車両50000形「VSE」、JR東日本E3系700番台「とれいゆつばさ」、JR北海道キハ283系・キハ281系、JR九州キハ47形「はやとの風」、京阪電鉄6300系「京とれいん」など、多くの特徴的な車両が定期運用や営業運転を終了しました。また、横浜市交通局4000形、東京都交通局6500形、京都市交通局20系など、各社局で新型車両がデビューしています。消滅した形式としては、JR貨物EF67形、東京メトロ7000系などが挙げられます。観光列車ではJR九州のキハ40系・キハ47系「ふたつ星4047」や四国旅客鉄道キハ185系「伊予灘ものがたり」などが運転を開始し、JR北海道のキハ183系がタイ国有鉄道へ譲渡されるなど、海外譲渡も行われました。
受賞関連では、京急1000形1890番台がブルーリボン賞、東京メトロ17000系・18000系、京阪3850形がローレル賞を受賞しました。
その他、日本初の鉄道が開業してから150周年を迎えたことも注目されました。JR四国と徳島バスの間では、鉄道とバスの共同経営（並行モード連携モデル）が開始され、特定の区間で鉄道乗車券でのバス利用が可能になるなど、新たな連携の試みも始まりました。
2022年は、新しい技術の導入、サービスの向上、観光需要への対応など前向きな動きが見られた一方で、自然災害による長期不通や一部車両の引退など、変化の多い年であったと言えます。
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