アフガニスタンの州

アフガニスタンは34の州（ヴェラーヤト、velāyat、県とも訳される）によって構成されています。これらの州は、地理的な特徴、人口分布、歴史的な経緯において、それぞれ異なる様相を呈しています。

州の構成と地域区分

2004年10月頃の国際連合の分類に基づき、アフガニスタンは以下のように地域区分されています。

中央高地: バーミヤーン州
首都圏: カーブル州、カーピーサー州、ローガル州、パンジシール州、パルヴァーン州、ヴァルダク州
南東部: ガズニー州、ホースト州、パクティヤー州、パクティーカー州
南部: ダーイクンディー州、ヘルマンド州、カンダハール州、ウルーズガーン州、ザーブル州、ニームルーズ州
西部: バードギース州、ファラー州、ゴール州、ヘラート州
北西部: バルフ州、ファーリヤーブ州、ジョウズジャーン州、サマンガーン州、サーレポル州
北東部: バダフシャーン州、バグラーン州、クンドゥーズ州、タハール州
東部: クナル州、ラグマーン州、ナンガルハール州、ヌーリスターン州

日本の外務省は、バーミヤン州に加え、ゴール州とダーイクンディー州を中央高地として分類しています。

面積と人口の分布

アフガニスタンの州は、面積において大きな差が見られます。国の西側に位置する州は比較的面積が広く、特にヘルマンド州（約5万8305平方キロメートル）、ヘラート州（約5万5869平方キロメートル）、カンダハール州（5万4845平方キロメートル）は広大です。これらの州にはレギスタン砂漠が広がっており、九州地方を超える広さを持つ地域も存在します。一方で、東部に位置する州は面積が狭く、カーピーサー州（1908平方キロメートル）、パンジシール州（約3772平方キロメートル）、ラグマーン州（約3978平方キロメートル）などがその例です。

人口分布においても偏りが見られ、南部を中心に100万人以上の人口を抱える州が複数存在します。カーブル州（約395万人）が最も人口が多く、次いでヘラート州（約178万人）、ナンガルハール州（約144万人）が続きます。また、バルフ州（約125万人）、ガズニー州（約117万人）、カンダハール州（約115万人）も人口が多い州として知られています。一方で、南部の端に位置するヌーリスターン州（約14万人）、パンジシール州（約15万人）、ニームルーズ州（約16万人）などは人口が少ない傾向にあります。

人口密度についても、カーブル周辺などの東部に位置する州が高い傾向にあります。カーブル州（873人/平方キロ）が最も密度が高く、カーピーサー州（220人/平方キロ）、ナンガルハール州（188人/平方キロ）が続きます。一方、西端や東端の州は人口密度が低く、ニームルーズ州（4人/平方キロ）、ファラー州（10人/平方キロ）、ヘルマンド州やヌーリスターン州（15人/平方キロ）などが該当します。

歴史的な変遷

アフガニスタンの州構成は、歴史的な変遷を経て現在の形になりました。1929年にアフガニスタン王国が成立した当初は、10州でしたが、冷戦時代に18州が新設されました。アフガニスタン民主共和国時代にはパクティーカー州、サーレポル州、ヌーリスターン州が加わり、冷戦崩壊後にはホースト州、アメリカ同時多発テロ事件以降にはダーイクンディー州とパンジシール州が新設され、現在の34州に至っています。

まとめ

アフガニスタンの州は、面積、人口、歴史、文化など様々な面で多様性を持っています。これらの違いは、アフガニスタンの複雑な社会構造を理解する上で重要な要素となっています。各州の情報を知ることで、アフガニスタンの全体像をより深く理解することができるでしょう。

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